試験の開始
石造りの広大な闘技場のような空間に、百名を超える若者たちがひしめいていた。
壇上から試験官の野太い声が響いた。
「静粛に!本日の試験は戦闘だ!各自、番号札に従い試験場へ移動せよ!」
科目は戦闘試験だった。
受験者同士の一対一の模擬戦で、勝敗ではなく戦い方を試験官が採点する。
ざわめきが収まり、受験者たちの顔つきが変わる。夢への第一歩。
その重みが場の空気を張り詰めさせていた。
お構いなし、とばかりに対戦表がデカデカと開示された。
幸いか必然か、対戦相手にならない位置にチェロの名前がある。
「調子に乗っても転ばない科目で安心したわねぇ?(ビッ)チェロ」
「まあアタシらにとって好ましい課題よね....だから逆に手を抜きなさいよ?(目立ちすぎも程々にするのは諜報の基本よ)」
妹のチェロとして返事を完結させたのち、すぐに念話に切り替えて補完する形で返事をしてきた。
「念押し、か?」
「あのねぇ...そういう変なことばっか学んでどうすんのよ」
これに関してビッチェロとしての念話による補完が一切なかった。
「次!番号66ルーファ・リアス!」
早々に自身の番号が呼ばれ、対する者の名が続いて呼ばれる。
「番号69ルド・エンテイ!」
小柄な少年が前に出てきた。体格に反した自信に満ちた顔で杖を構える、手をコキッと鳴らしている。




