表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界詐欺師のなんちゃって経営術【SS置き場】  作者: 宮地拓海


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
457/535

【後日譚7話あとがき】理想のプロポーズ Part3

――陽だまり亭


レジーナ「邪魔するで~」

ジネット「いらっしゃいませ、レジーナさん」

レジーナ「ウチ、店長はんのおっぱいが一番好きやで」

ジネット「どうされたんですか、一体っ!?」

レジーナ「あれ? おかしいなぁ。領主はんとこの給仕長はんおるやん?」

ジネット「ナタリアさんですか?」

レジーナ「そうそう。あの美人メイドはんが言うとったんやけどなぁ……店長はんは『お前のおっぱいが一番好きや』っていうプロポーズが理想なんや~って」

ジネット「そんなことないですよ!? ……確かに、以前、そういうお話がありましたけど……理想というわけではないです」

レジーナ「ほんなら、どんなんが理想なん?」

ジネット「ぅえっ!? いや、あの……い、いいじゃないですか、わたしのことなんて」

レジーナ「え~。聞きたいわぁ、店長はんを一撃で落とせる必殺の口説き文句」

ジネット「そんな……わたしはアルヴィスタンですし、そういったことは……」

レジーナ「つまり、特定の人間やったら、ど~んなセリフでも大歓迎~、ちゅうことか?」

ジネット「そ、そんなことないですよ!?」

レジーナ「『挟まれたいっ!』」

ジネット「あの……それは、ちょっと…………」

レジーナ「『押し潰したい!』」

ジネット「あの……」

レジーナ「『ぷるんぷるん揺らしたいっ!』」

ジネット「胸から離れてくださいっ!」

レジーナ「せや言うたかて、店長はんの周りにおる男なんて、大工のキツネ人族はんか、食堂店員のおっぱい人族くらいなもんやん」

ジネット「あの……ヤシロさんはおっぱい人族の方ではありませんよ?」

レジーナ「ほんでほんで? そのおっぱい人族の彼に、ど~んなセリフを言われたら『きゅん!』っとくんねんな?」

ジネット「えっ!? えぅ、あ、ぁの……そ、そういったことは……今のところ予定もないですし……兆しもないですし……何も…………あぁ、あの、ヤ、やめませんか、こういうお話は? ちょっと、恥ずかしいですし……え、えへへ……」

レジーナ「ほなら、キツネ人族の大工はんやったら、どないや?」

ジネット「…………? ウーマロさんがわたしにですか? ちょっと想像出来ませんけども」

レジーナ「……その温度差。店長はんも結構鬼畜やなぁ」

ジネット「えっと、わたし、何かしましたか?」

レジーナ「いや、ええねん。気にせんとってんか。アウトオブ眼中やちゅうことがよぅ分かったさかいに」

ジネット「そういうレジーナさんはどうなんですか? こう、異性に言われると『ドキッ』とするような言葉ってないんですか?」

レジーナ「せやなぁ…………『なぁ、自分。パンツ丸見えやで』とか?」

ジネット「ドキッとしますけども! わたしの言っているものとは種類が違います!」

レジーナ「『草木も眠る、丑三つ~?』」

ジネット「『どき』ですけども! それでもないです! もっとこう『きゅん!』とするやつです」

レジーナ「『草木も眠る丑三つきゅん』」

ジネット「ちょっと人名っぽいです!? 『うしみつ君』みたいで!?」

レジーナ「せや言ぅたかてなぁ……ウチ、男の人と付き合ぅたことないさかいなぁ……ピンとこぅへんわ」

ジネット「それは、わたしもありませんけども……何かこう、憧れるようなセリフとかはあるじゃないですか! 歌劇や童話のような、素敵なセリフが」

レジーナ「ほ~…………あるんや?」

ジネット「い、今はレジーナさんの話をしているんですっ」

レジーナ「店長はんが言ぅんやったら、ウチも教えたるわ」

ジネット「ホントですね? ちゃんと教えてくれないと、今日はわたし、強硬手段に出ますからね?」

レジーナ「なんや? まさか、『精霊の審判』使うっちゅうんか?」

ジネット「足つぼをします! レベルマックスで!」

レジーナ「言う! 誓うわ! 店長はんの足つぼ狂は噂でよぅ聞ぃとるさかい」

ジネット「では…………えっと、わたしから、先に言うんですよね……」

レジーナ「なんやったら、相手役やったろか? 『あ~、今日も絶好のおっぱい日和だな~!』」

ジネット「すみません! あの……相手役は、結構です」

レジーナ「そうか? ほなら、教えてんか。店長はんの憧れとるっちゅうセリフを」

ジネット「えっと………………こほん……。ふ、……『二人一緒に歳を重ねて、お爺さんとお婆さんになっても、一緒にお茶を飲もうな』……とか、言われると………………あぁっ! やっぱり今のは忘れてくださいっ!」

レジーナ「なるほどなぁ……(メモメモ)」

ジネット「何をメモしてるんですか!? 捨ててください、そのメモ!?

レジーナ「『お婆さんにお茶をがぶ飲みさせたい』……っと」

ジネット「内容が歪曲されてますよ!?」

レジーナ「なるほど。よぅ分かったわ! おおきにな。ほな!」

ジネット「………レジーナさん。最近、胃腸の具合はどうですか?」

レジーナ「じょ、冗談やん……そんな、怖~ぃ笑顔顔に張りつけるの、店長はんらしくなくて好きちゃうなぁ、ウチ……」

ジネット「では、聞かせてください。レジーナさんの理想のセリフを」

レジーナ「理想いぅたかて……別に普通やで?」

ジネット「普通でいいです」

レジーナ「せやから、普通に………………お、『俺の前では、素直になれよ』……とか」

ジネット「わぁ……素敵ですね」

レジーナ「そ、そんなことあらへんわ! ふ、普通や、普通!」

ジネット「レジーナさんは、ありのままの自分を受け入れてくださる方が理想なんですね」

レジーナ「も、もう、やめてぇーや! こそばゆいわぁ」


――そこへヤシロが帰ってくる


ヤシロ「いや~、キャラメルポップコーンがバカ売れで笑いが止まらねぇ……って。よう、レジーナ。来てたのか」

レジーナ「ま、まいど! お邪魔しとるで! 『邪魔するんやったら帰れ』って? ほな帰ろかな!?」

ヤシロ「なに一人でお祭り騒ぎしてんだよ? ゆっくりしてけよ」

レジーナ「いやぁ……今、このタイミングはちょっと……自分、空気読めてへんわぁ……」

ヤシロ「何がだよ…………あれ? お前、顔赤くねぇか?」

レジーナ「そんなことあらへんのんとちゃうかな!? ウチ、めっちゃ元気やし!」

ヤシロ「またそうやっておちゃらけて誤魔化す…………お前さぁ、俺の前ではもっと素直にしてろよ」

レジーナ「――っ!?」

ヤシロ「俺も少しくらいは薬のこと分かんだしさ。風邪を引いたら引いたで、もっと素直に甘えてくれりゃ…………って、どうした? 面白い顔して」

レジーナ「…………」

ヤシロ「おーい。レジーナ~?」

レジーナ「……自分、そら、あかんわ」

ヤシロ「……は?」

レジーナ「ウチ、帰るっ!」

ヤシロ「おい、レジーナ!?」

レジーナ「ゲコーっ!」


――レジーナ、ヤシロを威嚇して、店を出ていく


ヤシロ「……いや、『ウチ、帰る』が『カエル』になってんじゃねぇかよ……」

ジネット「ちょっと、タイミングが……色々と……」

ヤシロ「まぁ、いいか。ジネット悪いがお茶をくれないかな?」

ジネット「お茶でいいですか? コーヒーも出来ますよ?」

ヤシロ「いや、今はちょっと落ち着きたい気分なんだ。あ、そうだ。客もいないし、二人で一緒にまったりお茶でも飲まないか?」

ジネット「…………」

ヤシロ「ん? ジネット?」

ジネット「えっ!? あ、はい! そうですね! お茶! 飲みましょう! 落ち着いて!」

ヤシロ「どうした? なんか物凄く慌ててるようだけど?」

ジネット「い、いいいいいいいいいいえいえいえいえいえいえ~い! 慌ててませんよ!?」

ヤシロ「『いえいえ』が最終的に『いえ~い』になってたけども?」

ジネット「そんなことより、お茶です! お茶を飲みましょう! 淹れてきます」

ヤシロ「あぁ。頼む」


――ジネット、厨房へ行きかけて、ふと立ち止まる。ゆっくりと首だけを振り返り……


ジネット「あの…………もし、わたしがしわしわのお婆さんになっても、……一緒に、お茶を飲んでくれますか?」

ヤシロ「え?」

ジネット「あ、いえ! すみません。忘れてくださ……」

ヤシロ「お茶、淹れてくれるならな」

ジネット「…………え?」

ヤシロ「しわしわのジジイでよければ、相手してやるよ」

ジネット「………………はい。ありがとう、ございます」


――ジネット、足早に厨房へ向かう


ヤシロ「……なんだかなぁ」


――ヤシロ、テーブルに座り頬杖をつく

――と、厨房からジネットの声が聞こえてくる


ジネット「むふー!」

ヤシロ「どした、ジネット!?」






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ