表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界詐欺師のなんちゃって経営術【SS置き場】  作者: 宮地拓海


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
453/535

【後日譚3話あとがき】理想のプロポーズ Part1

――陽だまり亭


――ケーキを食べに来たネフェリー。テーブルに生卵が出される


ロレッタ「黄身と白身です」

ネフェリー「え? モンブラン頼んだんだけど?」

ロレッタ「今、時代は黄身と白身なんですっ!」

ネフェリー「なんで『卵』って言わないの? 卵だよね?」

ロレッタ「むぉう! 全然分かってないです、ネフェリーさん!」

ネフェリー「なんなのよ? ちょっと、エステラ、ノーマ。ロレッタがなんか変なこと言って……」

エステラ・ノーマ「「黄身と白身で乾杯」」

ネフェリー「大変っ! こっちもなんか変だわっ!?」

ジネット「実は、昨日……かくかくしかじか……ということがありまして」

ネフェリー「へ……かくかくしかじか?」

ジネット「はい? ……えっと、何か?」

ネフェリー「…………あっ、合ってるのか。そうね、合ってるんだよね」

エステラ「ヤシロのせいで、何が普通かが分からなくなってるんだね」

ノーマ「気の毒な娘さねぇ……」

ネフェリー「生卵入りのグラスを持ってるあんたたちに言われたくないわよ! ……にても。へぇ……ヤシロがそんなことをねぇ……」

ベルティーナ「ごめんください」

ジネット「あ、シスター。いらっしゃいませ」

ベルティーナ「ヤシロさんはいらっしゃいますか? 少しお願いしたいことがあるのですが」

ジネット「すみません。ヤシロさんは今、狩猟ギルドの支部へ行かれていまして、留守なんです」

ベルティーナ「そうなのですか。では、日を改めるとしましょう」

ネフェリー「あ、ねぇねぇ、シスター」

ベルティーナ「はい。なんでしょうか?」

ネフェリー「シスターって、理想のプロポーズとかあるんですか?」

ベルティーナ「プロポーズ……ですか?」

ネフェリー「うん。実はね、……かくかくしかじか……なんだって」

ベルティーナ「へ? ……かくかく…………あ、合ってるんですね、それで」

ロレッタ「シスターまで……。お兄ちゃんの感染力、恐るべしです」

デリア「オーッス! なんだ、シスター結婚するのか?」

ベルティーナ「あ、デリアさん。いいえ、違いますよ。実は……かくかくしかじか……でして」

デリア「……サケシャケたべたべ……ってわけか」

ロレッタ「デリアさんはブレないですねっ!?」

デリア「で、シスターはどんなのがいいんだ? 参考までに聞かせてくれないか?」

ベルティーナ「そう言われましても……私はアルヴィスタンですし、結婚をするつもりもありませんので……」

ナタリア「ですが、もし、意中の彼に多少強引に迫られたりしたら……どうですか?」

ジネット「にゃっ!? ……ナタリアさん、いつの間に」

ナタリア「……つるつるぺたぺた……というわけで馳せ参じました」

エステラ「おい、そこの悪意の塊っ! まったく説明になってないよっ!?」

ナタリア「それよりも、ベルティーナさんの理想のプロポーズです! 信仰心の塊のようなベルティーナさんの心をガシッと掴んで『信仰よりもあなたを選ぶわっ!』と言わせるのはどんなプロポーズなのか! 私、気になりまちゅっ!」

エステラ「なんで最後、ちょっと可愛くした!?」

ベルティーナ「え、えっと…………私は、そういうのは、少し……」

ナタリア「分かりました。では、ここにいるみなさんで、ベルティーナさんを『きゅんっ☆』とさせるようなプロポーズの言葉を考えましょう」

ベルティーナ「へっ?」

デリア「おぉ! それは面白そうだな!」

ノーマ「シスターベルティーナの乙女心に火をつけられるのは誰か…………くふふ、確かに興味深いさね」

ネフェリー「面白そう! 私も参加するわね」

ベルティーナ「いえ、あの……みなさん?」

エステラ「シスターの心を動かすには、自分が思う『これが最高だ』っていう言葉にしなきゃね……」

ロレッタ「むむっ! なかなかハードルが高いです……っ」

ベルティーナ「えっと……ジ、ジネット」

ジネット「はい! わたしも頑張ります!」

ベルティーナ「おかしいですね。あなたはもっと物分かりの良い娘だったと思うのですが……」

ナタリア「では、ここにいる方はみなさん参加ということでよろしいです……ね……と、おや? マグダさんの姿が見えませんね?」

ロレッタ「マグダっちょは、なんかずっと部屋にこもって『むふーむふー』言ってるです」

ナタリア「何かあったのでしょうか? まぁ、今回の参加は見送りというとにしましょう。では、誰から始めますか?」

ベルティーナ「あの……私に拒否権は……」

デリア「よし! まずはあたいが行くぜ!」

ベルティーナ「なるほど、無いのですね…………仕方ないですね。お手柔らかにお願いします」

デリア「自分が言われて嬉しいことを言えばいいんだろ? んじゃあ…………シスター! 一生、美味い鮭を食わせてやるぞ!」

エステラ「だと思ったよっ!」

ノーマ「まったく……あんたはそれしかないんかぃね?」

ベルティーナ「…………きゅんっ!」

ロレッタ「きゅんときてるですよっ!?」

エステラ「食べ物に釣られ過ぎだよ、シスター!?」

ベルティーナ「しかしながら、信仰を捨てられるほどではありませんね。申し訳ありませんが、お断りさせていただきます」

デリア「ダメかぁ……」

ロレッタ「じゃあ、次はあたしが行くです!」

エステラ「……期待出来ないなぁ」

ロレッタ「なんでです!? 期待してほしいです! すっごいきゅんきゅんさせてやるです!」

ナタリア「では、始めてください」

ロレッタ「ふふふ……シスター。いや、ベルティーナ! あたしがお前をぉぅゎあわわゎゎっ!? よ、呼び捨てにしてごめんなさいです! その方が乙女心を揺さぶれると思ったです! 良かれと思ってのことです! ごめんなさいですから、その凄く怖い目で見ないでほしいですっ!」

ベルティーナ「目上の者に対する敬意はいかなる時も疎かにしてはいけませんよ。そういう方は、申し訳ありませんがお断りさせていただきます」

ロレッタ「最後まで言うことすら出来なかったです……」

エステラ「相手が悪かったね」

ノーマ「アタシは呼び捨て、嫌いじゃないけどねぇ」

ナタリア「へぇ……(メモメモ)」

ノーマ「何をメモってるさね!?」

ネフェリー「じゃあ、次は私ね。こほん……ねぇ、シスター」

ベルティーナ「はい。なんでしょうか?」

ネフェリー「私の心のワンルームがね、最近少し広く感じるの……だから、開いたそのスペースを、あなたの優しさで満たしてくれないかな?」

ベルティーナ「……………………はい?」

ネフェリー「なんで伝わってないの!? え、よくない? 素敵じゃない?」

ノーマ「頑張ってた分、空振りした時の痛々しさが半端ないさね……」

ネフェリー「じゃあ、ノーマがやってみなさいよ! あんたが言われて一番グラッとくるプロポーズを!」

ノーマ「な、なんでアタシの時だけそんな条件がつくんさね!? ふ、普通にやるからね、アタシは!」

エステラ「ノーマの理想のプロポーズか……興味あるなぁ」

ノーマ「だからっ! も、もう、いいさね! さっさと終わらせるさね」

ナタリア「では、ノーマさん。お願いします」

ノーマ「きっ…………君の、笑顔が、す……好きだ。ずっとそばにいて、笑っていてほしい……」

ベルティーナ「ノーマさん。可愛いです」

エステラ「思った以上にシンプルだね」

ジネット「でも、誠実さが伝わってきますね」

ロレッタ「見た目は妖艶なのに、心は少女です」

ネフェリー「まぁ、ノーマなら、こういうのが理想なのは分かるかもなぁ」

ノーマ「だっ、だからっ! 別にアタシの理想ってわけじゃ…………あぁ、もう! 失敗さね! 次の人早くやっておくれな!」

ナタリア「では、次はエステラ様……のプロポーズを、給仕長である私が代弁させていただきます」

エステラ「えっ、なんで!?」

ナタリア「『ボクのぺったんこに君の巨乳を分けておくれ』」

エステラ「言わないよ、そんなこと!?」

ベルティーナ「エステラさん……申し訳ないのですが…………」

エステラ「言ってないのにお断りされちゃった!?」

ナタリア「では、最後に店長さん」

ジネット「そうですね……シスターの心を掴むには…………朝からお肉を焼きます!」

ベルティーナ「ジネット、愛しています」

エステラ「堕ちた!?」

ロレッタ「結局食べ物だったです!?」

ベルティーナ「ですが、ジネットへの愛は、親が子へ注ぐ愛……食いしん坊が焼肉へ注ぐ愛と同じようなものです」

ノーマ「その二つは同列でいいんかぃ?」

ベルティーナ「やはり、私は精霊神様にお仕えする人生を、これからも送っていくのでしょう」

ロレッタ「待ってです。最後にもう一人、ナタリアさんが残っているです」

ネフェリー「そうね。さっきのはエステラの代弁だったわけだし」

エステラ「ボクはあんなこと言わないけどね!」

デリア「ナタリアかぁ……あんま期待出来ないけど、まぁ、やってみたらどうだ?」

ナタリア「そうですか…………では、一つ。これは私ではなく、もしベルティーナさんの目の前に運命の男性が現れたらという仮定のもと聞いてください」

エステラ「ナタリアがプロポーズするんじゃなくて、シスターの運命の人がプロポーズするならっていう仮定の話ってわけだね」

ナタリア「はい。そうすれば、おそらくベルティーナさんをきゅんとさせられると思いますので」

ベルティーナ「相手がどなたでも、私の考えは変わらないと思いますよ?」

ナタリア「では、イメージしてください。相手の男性はどんな方でも構いません。その男性に呼び出され、美しい景色が見える丘の上でプロポーズされるとイメージしてみてください」

ベルティーナ「イメージ…………はい、出来ました」

ナタリア「『シスターベルティーナ、こんなところに呼び出してすまない。どうしても伝えたいことがあったんだ』」

ベルティーナ「はい。なんでしょうか」

ナタリア「『俺…………ベルティーナのおっぱいが一番好きだ』」

ベルティーナ「………………」

ナタリア「………………」

ベルティーナ「…………すみません。失礼しますっ!」


――ベルティーナ、逃走


エステラ「シスターが逃げたっ!?」

ロレッタ「凄まじい破壊力ですっ!?」

ノーマ「……気のせいか、アタシの頭ん中に、とある男の顔が鮮明に浮かんでるんだけどねぇ……」

デリア「あたいもだ」

ネフェリー「偶然ね……私もよ」

ジネット「もう…………帰ってきたら懺悔してもらいます」

ナタリア「セリフ自体はふざけていますが…………みなさん、自分に置き換えて想像してみてください」

全「「「「「「………………ごふっ!」」」」」」

ジネット「あ、そ、そうでした! 夕飯の仕込みをしなくてはっ!」

ロレッタ「あ、あたし、マグダっちょの様子を見てくるですっ!」

ネフェリー「わ、わたっ、私も、仕事の途中だったからっ!」

ノーマ「そ、そろそろ、火入れの時間かぃね?」

デリア「あぁっ、なんか鮭があたいを呼んでる気がするっ!」


――各々、厨房やら出口から散り散りに逃げていく


エステラ「…………恐ろしい破壊力だね」

ナタリア「ちなみに、私がそのようなことを言われた場合は『ですよね!』と返します」

エステラ「逞しいよ、君は…………さっ、ボクも帰って書斎にこもろ~っと!」

ナタリア「おや? エステラ様、お顔が少し赤……」

エステラ「さぁ、ダッシュで帰ろ~っと!」


――エステラ、ダッシュで逃走






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ