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トラッシュボックス ~消えたいヒカリと消えないアイツ~  作者: たっきーぷらす
中3編

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73/75

Box.73 five ninths

ログインできず、upまでに修正できてないところを直しました。スイマセン。

「ただいま」


 ヒカルは横にされて寝ちゃってる。燐と戦ってたんだもんね。疲れたよね。服もボロボロだ。破れたところから覗く肌は、所々削がれたみたいに傷だらけ。頑張ってくれたんだね。ホントお疲れ様。


「そうだ、かなちゃん、あれ危ないよ?」

 思い出して声をかける。ヒカルの傷を丁寧に治してた、かなちゃんは少し驚いたようだった。

『…?なんのこと?』

「ヒカル受け止めるの。ほら、急に手を出すと消えちゃうから」

 ヒカルは街中で人にぶつかるのも気を付けているくらいだ。

『あ、あぁ…見てたのね。あれは…ほら事前にヒカル君と…いや、そうそう、血の入ったジュース飲まされてたから』

「なにそれ?ひょっとしてアヤ達も?」

『ワシらもや。ホンマ…気持ち悪い』

「ヒカルのバリア対策?」

『そーゆぅこっちゃ』

 それはそれは。ついにヒカルのTrash Box無効化策が日の目を見たわけだね。私達のプライバシーを犠牲にした甲斐があったわけだ。

『まぁとにかくリブが元気そうで何より。来たかいがあったよ』

「アヤもありがとう」

『私、最後にFactor落っことしちゃったけどね…』



「そっかー。やっぱりいろいろ大変だったんだね」

「ゴメンね皆。わざわざ助けに来てくれてありがとう。ご迷惑をおかけしました」


「Singularity No.07 一ノ瀬リブ、ただいま帰還しました!」

 なんて、わざとらしく敬礼してみた。みんなと一緒だとほっとして、何だか泣きそうになるのを誤魔化したかったからだ。



『ちょっとあんた達、まだ帰還できてないわよー』

『どうやって帰るか、考えないとね』

 燐の埋葬を終えたマイカちゃんが帰ってきた。燐の望み通り、Factor化はしなかったみたい。

『空港は当然、Plantが網を張ってるだろうし』

『中東辺りから海路かしらね』

 えー。何日かかるの、それ?


 そんなこと言ってたら、全員の頭にクレアが話しかけてきた。

『えー皆さん、今からちょっと一人言を話します。フランスに米軍基地はありませんが、モンサンミッシェルから300㎞北、イギリスのFairford基地から、日本に向けてprivate jetが飛び立ちます。大体今から5時間後です』


 そのタイミングで空から二人の人影が降りてきた。

『定員は10人ほど余裕があるみたいですよ』

『行きますよね?』

 司だ!

「司たちも来てくれてたんだね!」

『あーお疲れ様。司達がシンを抑えてくれてたのは、助かったわー』

『いやいや、大金星はやっぱそこのヒカル君でしょ?』

 と言って、クイクイと横になっているヒカルを指さす。ホントにね。凄いよ。…寝てる顔を見てるとそんなに強いってとても思えないんだけどな。


『じゃあ早速飛びますんで、忘れ物ないように集まってください』


 

 私達は司の恩寵でイギリスへ飛んだ。アヤは何があったんだろう。飛んでいる間、ずっと白目をむいていた。飛行機に乗って一路日本へ。やっぱりクレアが本国に掛け合って準備してくれたらしい。


 飛行機の席は、誰かが気を利かせてくれたのか、ヒカルの横だった。でもせっかく隣だったのに、私もヒカルもずっと寝てたみたい。途中でふと目が覚めて目の前にヒカルがいるのをみて、また泣きそうになったのは覚えている。


挿絵(By みてみん)


 日本に着いたその飛行機に乗って、お礼の挨拶もそこそこにクレアはアメリカへ発って行った。3ヶ月以上日本にいたらしいし、しょうがないよね。でも帰り際に『ご武運を祈ります』って言われた。

 …私、また何と戦うの?



―――――――――――――――


 12/26に帰国したら、リブは直ぐ病院に連れていかれた。『怪我なんてしてるわけないじゃん!全部治ってるって!』って文句も言ってたけど、こればかりは仕方ないよ。メンタルとかのcheckも、ちゃんとしとかないと。

 今年の学校は12/28まで。もうこの流れで冬休みにして欲しかった。テストが免除になったのは良かったけど。


 叶とのあの出来事は、お互い触れないようにしている。それでいいかな、と思う気持ちと、びっくり箱を抱えながら歩いているような後ろめたさが半々。でも、あれは燐先生に勝つ決め手になった。そりゃ感謝するしかないんだけれど。



『ねぇ、今回Contra…燐先生の能力取り込んだりしたの?』

 叶はもういつも通りに話しかけてくる。人の気も知らないで。

「人の能力をコレクターみたいに言わないでよ」

「っていうか正当防衛なんだとは思うけど、やっぱり人を死なせるのって気分がいいもんじゃないよ」

 顔をまともに見れないから、何か拗ねたような返事になってしまった。

『でも、結局先生は助けを拒んだわけだし、望みを叶えてあげたんだから、亡くなったのはヒカル君のせいとは言えないと思うの』


 叶は特に以前と変わらない。女子は逞しいな、と思ってしまう。僕はしばらくまともに顔を見れない気がする。

 でも、能力については、正直取り込んだかどうかってよくわからないんだよね。Eruptionもいつの間にか中に入ってたぐらいだから。誰なら分かるんだろう。今までの感じだと…クレアかルドかな。クレアにはお世話になり過ぎて申し訳ない気がするから…まずルドに聞いてみるか。


―――――――――――――――



「で、何か分かる?」家に帰ってルドに聞いてみた。

『しょうじきいって、いっこのうりょくがふえたことはわかるのですが、だれののうりょくなのかはよくわかりません』


 前に準備した、文字盤を叩くルド。読み上げるのが面倒なので、梓さんに頼んで、タップした文字をパソコンで読み上げてもらえるようにしてもらった。ルドが言葉が分かることは僕とリブ、梓さんしか知らない。梓さんは編音のパソコンを組み上げるぐらいには、そういったことに詳しい。



 例によって探知ができないリブは分からないだろうけど、普通なら僕の中にある自分の因子を辿って、違和感ぐらいは気付くと思う、とルド。でも隣の箱に何が入ってきたかは分からないこともある、とか何とか。



『とりあえず、のうりょくをつかってみたらいいんではないですか?』

「Contraだったら危なくない?」

『なので、おふろなんかのすいちゅうでどうでしょう?』


「…なるほど。それはいいね」


 さっそく浴槽に水を張り、右腕を突っ込む。水をお湯に沸かすイメージで…。ピーーンと糸を張るように集中してゆっくりとブレーキ――深層心理のBoxの蓋を外す。…すると。


 ボコボコボコボコッ!水面が泡立ち、水が溢れる。沸騰した…のではなかった。僕の腕が不気味に脈打ち、水をまき散らしたのだ。


挿絵(By みてみん)


「…何これ?」

 ずぶ濡れになって文句の一つも言ってやろうとルドの方を向く。


『これ、たぶん…かなえさまののうりょくです』

「え??」

「いつの間に?」


『ごしゅじん、なにしたんですか?』

『うわき…ですね。おくがたさまにいいますよ?』




「え?………え。……えぇ?!」

ルド周囲のまとめ。

言葉を理解してるのを認識してるのは、ヒカル、リブ、梓

ルドが恩義を感じてる人=蘇生に関わった人は、ヒカル、リブ、叶、梓、編音

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