↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トラッシュボックス ~消えたいヒカリと消えないアイツ~  作者: たっきーぷらす
中3編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
61/70

Box.61 D+

 Satelliteが衛星で撮影していたらしい、アメリカで起こったバッタ災害の映像をクラスで見た。もちろんヒカルの新技も。正直、あれは反則やと思うわ。一瞬で広範囲を巻き込んで中のものを完全に消滅、巻き込まれたら防御もクソもないとか、えげつない爆弾やでアレ。あんなんどうやって対処したらええねん。わけわからんわ。

 

『いんやー、クレアから聞いてたけど、すんごいねこれ』編音がデータの出どころやな。

『そうね。これを今後の作戦に導入するなら、発動までのチャージ時間と、何発打てるのかは聞いておかないと、ね』

『追い込んでドカン、が最適回かなー?』

『多分、ヒカル君がここに来る前に学校を吹っ飛ばしたのは、これだったのよ』

『こんな能力を内に秘めていたなんて驚きだけど』

 …カナエがこのこと、知ってたみたいに冷静な方

が驚きやわ。



 あんなもん見せられたら、なおさら意識してまう。…あれがSS+ランク-Trash Box-。

 片やワイの―Transcendence—超反応能力は、ランクD+に過ぎん。努力を重ねても、とんでもない超常現象が起こせるわけやない。そもそも身体能力強化っちゅうのは評価が低いんや。

 プロの格闘家レベルなら大活躍もできるやろけど、箱庭が相手にするのは、最低でも腕が伸びたり火を吹いたり、ワープしたりする格闘家、ステゴロのフリした完全武装した特殊工作員や。

 



「…イヤになるのぅ」

『何が?』

 日本に帰ってきたヒカルが何の嫌味もなく言う。お前がイヤになる原因の一つや。自覚して欲しいわ、ほんま。

「あないな爆発、箱庭の中で使わんとけや?」

『分かってるって。あれすっごいエネルギー使うから、そもそもあまり撃てないし』

「なんや、充電がいるんか?」「ラーメンでもおごったろか?」

 

『食べ物じゃなくて、さ』

『ほら、あの時々やってる、核廃棄物処理のエネルギーだよ』

「お前、あのエネルギー貯めこんどんか!?」

『貯めてるつもりはないんだけど、あの能力自体が、エネルギーを貯め込んで爆発させるってものらしいから、勝手に貯め込んでる…的な』

「そんなん貯め込んで、体大丈夫なんか」

『Satelliteが調べてくれたけど、あの爆発の後も外に放射線が漏れたりはしてないから、大丈夫だよ』

 …お前の体、どななっとん?




『あ、ルカ。アメリカのお土産〜』

 リブが無邪気に渡してきたのは…虎のぬいぐるみ。見渡すと大和はゴリラ、ハヤトは獏、プリヤは孔雀が配られとる。こいつら動物園でも行っとったんか?


 まぁ何にせよ、お前ら2人で世界を滅ぼせそうなパワーカップルとは、住んどる世界が違うわ。悩んでもしゃあない。ワシはワシの能力でこの世界を生き抜かなあかん。





『ルカのタイム…9…9.36!』


挿絵(By みてみん)


 箱庭の学生も、義務教育の範疇。文科省の指導する体力チェックはやらなあかん。100m走のタイムを梓が読み上げる。9秒36。…あかんわ。伸び悩んどる。


『これ、オリンピックレコードよりずっと速いんだけど?異能者って身体能力は普通、ってのが通説よね』

「んなもん、能力でスタートの反応が速いだけやわ」


『そりゃ確かにフライングよりも早く出てるんだけど…その分足しても、9.5を切ってるわよ』

「そんなん、少々はよ走れるくらい、空飛べるやつからしたら、何も意味ないわ」


 こんまい頃に地域の競技会に出たとき、フライングばっかで失格になったんを思い出すのう。元々ちまちましたのはワイには合わん。何にせよ、なんぼ必死にやっても評価もされずに失格にされるのは、幼心に大分堪えた思い出やな。


『でもあんた、去年フルマラソン2時間くらいだったでしょ?』

 あートレーニングの一貫で、市民マラソン的なやつに出たか。梓は相変わらずよぅ覚えとるわ。

「…覚えとらんのう。ペース何とかってのを抜いて、一番でゴールしたんは覚えとるわ」

『ペースメーカーね。別に抜いても問題ないんだけど、ゴールの準備もまだできてないくらい速すぎて、誰にも気づかれずにゴールしたわよね』



『で、反復横跳び…192回。何なのこれ?』

「それこそ能力そのままや。反射反応こそ、わしの能力やろ」

『まぁそれはそうなんだけど』


『次のシャトルラン…何?この計測終了って?』

「2時間くらいして、機械の録音が終わったんや」

『2時間…あんた今日フルマラソン走ったわけね』


『この、立ち幅跳び…520cm?』

「あぁ、それな。うまいことやったら、空中で一歩踏み出せるんや」

『…はぁ!?…あんた漫画に出てるの?』

 


『ボール投げは、85m…これだけ人間の記録ね』

「小さいボールなら、もっといけんねんけどな」

『…え、まさかこれハンドボール?……前言撤回するわ』



 半ば呆れながら、マイカ先生にルカのレポートを提出する。

『あいつ、自己評価低いのよねぇ』

 異次元の数値が並ぶレポートを見ながら先生は言う。

『このまま提出したら、ふざけてると思われるわ』

「そう思われるから、どうしてるんです?」

『数字を普通の人ぐらいに改竄してる』

『そうしないと各方面から色々言われて、再提出になっちゃうんだもん』


「…真面目に評価すると、どんな感じなんです?」

『確かに能力ってとこでは点数がつかないんだけど。身体能力ならSSSSSぐらいよ。あんなやつ見たことない』


 やっぱり。そもそもルカは、落ちてくる瓦礫から瓦礫へ飛び移ったり、崩れる建物の外壁を屋上まで駆け上がったり、空中で更にジャンプできたりする。なのに自己評価が低い。自分のことを下の下ぐらいに思っている。彼はそんな人間が他にいるとでも考えているのだろうか。


『身体能力のおつりだけで、食ってけるレベルよね』



「ねぇ先生?彼のランクが上がらないの、レポートが正しい数値じゃないからなのでは…?」

ルカくんの身体能力が凄い、という話でした。

次回から新章。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。