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トラッシュボックス ~消えたいヒカリと消えないアイツ~  作者: たっきーぷらす
中3編

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51/69

Box.51 No.07

 新学年に上がる日は4/1なのか4/2なのか、正直よく分からない。でもとにかく例年、箱庭は4/2から新学年が始まる。土曜日だろうと日曜日だろうと、取り敢えず集められる。今日、僕たちは中学3年に進級し、15歳になる学年を迎えた。15歳は箱庭の学生にとって、モラトリアムの終了を告げる重要な節目になる。そして4/2はリブの誕生日。今日は彼女にとって普通の学生のそれとは比較にならない、特別な意味のある日になる。

 

 Singularity No.07 一ノ瀬リブの就任の日だ。


 始業式から引き続き、就任式となった。万雷の拍手の中、足掛け4年に渡りNo.07(仮)だったリブは、正式にSingularityに迎えられる。


『おめでとう!』

 

 リブはタローさんから祝辞をもらい、プレゼンターに来てた司さんから、証書と新しいIDカードを渡された。IDカードも、I-〇〇〇025 (再発行) からは卒業だ。


「おめでとう!」『『おめでとう』』

『ありがとー!でも正直、仕事と責任が増えるだけよ?』

 と言いながら、S-07と刻印されたカードをかざして満面の笑みだ。


挿絵(By みてみん)


『違いないな。これからも期待している』

 この半年で、なんだかタローさんは老け込んだ気がする。ここ最近は下級生にかかりきりで僕たちのトレーニングも立ち消えになってしまっている。リブも僕も、Factor案件への出動が増えてきていたので、少しずつ時間が取れなくなってきたのもある。



『ありがとうございます!』

『そうそう、今日はもう一人表彰があるんだよ!』


『朝霧光!』


 タローさんが僕の名前を呼んだ。

 …え、僕?


 リブに手招きされ壇上に上がる。プレゼンターはリブだった。

『ヒカル、Singularity No.09の仮認定証だよ!』

『か~り!』

 リブは意外と<仮>ということを、何かにつけ気にしていた。これからは僕をいじる気なんだろう。

『おめでと~』


『ヒカルは新任のリブを含め、7人中5人の賛成票を得た。規則により15歳になる日まで、仮認可となる。賛成者は…』


『私と』タローさん。

『私』マイカさん。

『私も異論ありませんよ』燐先生も手を挙げた。

『もちろん、私も!』リブ。


 この時点で過半数。

『海外の2人は返事が無かった。反対というわけでもないだろうが、ヒカルは彼らと面識がないからな。仕方ない』


 ここまで4票。

「もう一票の賛成は?」

『No.08、シンが賛成していた』

 え、意外。最後まで反対されるんじゃないかと思ってた。


『こちらも重大だ。これまでのリブのような責任が肩にかかることになる』

『2年前にヒカルが望んだことだ。頑張れよ』

「…はい!」


 正直、サプライズだった。僕の―Trash Box―のランクはまだSS+で、無理だと思っていた。SSSでないSingularityの就任は仮を含めてもNo.06に次いで二人目。06はアメリカ大陸にSingularityがいなかった、という事情もあってのSSでの抜擢だった。



『もうホントにヒカルと一緒に仕事することなくなっちゃうね。それが残念』

 そっか。お互い別々の案件に臨むから、バラバラになることも多くなるのか。



『Singularityが共同で対処するのは、SS以上に限られると思っていい』

『つまり、世界が終わりかけたときだ』


『私、SSも普通にやらされてますけど?』と司さん。

『そうか?ならNo.10に推薦しておこう』

『いやいや、それは勘弁です』

『私のMAXって元気がいてこそなんで、二人でならいいんですけど』

『二人で、って規定はないからねぇ』

『まぁ司なら私はいつでも推薦するし、承認するよ』


『日本にSingularityが増えすぎると、誰かがアメリカ行きですねぇ』

『リブちゃん、行きますか?』

『絶対ヤダ』


 実際、司さん達2人でならSSSでも上位になるだろう。少なくともシンぐらいなら4人分の恩寵で瞬殺だと思う。


『そうだ、シンからのメッセージがある。見るか?』

 …見たいような見たくないような。



 上映されたのは、一方的にまくし立てるシンのビデオメッセージだった。


『やぁやぁ、ヒカル。決して君を認めたわけじゃないんだ。勘違いしないでほしい。だがリブが君を推すと言うのであれば、ボクもその意に沿うようにするのが筋だろう。あぁ、リブ、Singularity就任おめでとう。ボクの方が先に認可されて本当に申し訳なかった。誕生日おめ…』


 そこでビデオメッセージは切られた。リブが切った。文字通り、ズタズタに。




『さて、就任早々に悪いけど、そんなNo.09君の初仕事よ?』

「…はい。分かりました」

『今回はヒカルのSingularity初任務だから、スリーマンセルにするわ』

『仮、ね』リブ、うるさい。


『メンバーは叶、大和!』

『お、ヒカルとは初だな!』

「2人ともよろしくね」

『ヒカル君、よろしく』『先生、いつからですか?』



『今日土曜日だから、月曜までね』

「今日からですか?」


『…今から、よ』

「今?」



『ちょっと実験的ではあるけど、箱庭に新設した病院での対応になるわ』

 …ひょっとして半年前から敷地外に建ててたやつ?



『サポート受け放題、自宅待機可。初回任務としては、完璧ね』

第3部中3編、開幕です。


先日作品紹介を改訂しました。それに合わせて少しだけ1-3話を改訂しました。大きな変更はありませんが、余計だったとこを削った感じです。

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