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トラッシュボックス ~消えたいヒカリと消えないアイツ~  作者: たっきーぷらす


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26/27

Box.26 1年後

 箱庭に来て1年が過ぎ、僕たちは中学2年生になった。この1年、ひたすらタローさんにしごかれ続け、体はかなりがっちりしてきたと思う。身長も伸びた。今じゃリブより明らかに高い。でも大和君が更にでかくなっていて、あまり気付いてもらえない。


 ルドは元気だ。あの時以来、僕の部屋で一緒に住んでいる。夜に窓を開けていると、どっかに勝手に飛んでいくけど、朝には戻ってきているので、気にしないことにしている。どこかに彼女でもいるのかな。


 リブとは少し距離が出来た。一度記憶を失った彼女が元のリブではなくなったのは分かっている。後ろの席にいる白髪の子はリブで間違いないけれど、あの距離感近めの無邪気な女の子は、もういなくなってしまった。でも不思議と「この子を守りたい」という気持ちは揺るがない。揺るがないからこそ、タロー地獄に耐えられている。特訓のお陰で出来ることも少し増えた。最近は腕相撲でリブに勝てるようになった。自分が成長している気がして嬉しい。


『ヒカル、タローさんと特訓しとるんやろ?』

「あ、聞いた?ルカも一緒にやる?でないと、置いてっちゃうよ?」

『ほざけぇ。わしらは中学入る前からしごかれとったわ。特訓受けとったんはお前だけちゃうで?』

『その通りだ。タローさんの特訓は男は全員受けている。死ぬかと思ったことも一度や二度ではない』

「え。隼翔や楊も?」

『実に激しい戦い…』

『ワタシは毎日吐いてました。でも観測手や通信兵って前線に張り付く必要があるって言われて』


 皆がやってきたことだ。僕も追いつかないといけない。でないと更に上なんて行けない。明日から2倍コースにしてもらおうか。


 もう二度と君を見送りたくはない。今度は一緒に戦えるように頑張るよ。君はもういないけど、また君に『好き』って言ってもらえれば、もう一度君に会えるような気がするんだ。






 ヒカルが箱庭に来てから1年が過ぎた。この1年、皆には『記憶喪失の後から、大人っぽくなったよね』って言われている。ふふん。私はリブⅡだからね。大人になったから、服の趣味も随分変わった。朝も一人で起きて、マイカちゃんに送ってもらわずに一人で登校できるようになった。勉強も以前よりはちゃんとしている。

 でも学校では席替えなんて無いし、クラス替えもないから、私はずーーっとヒカルの後ろにいる。だから、いやでも気付く。後ろから見ても背が伸びた気がするし、それ以上に段々と背中が逞しくなってきている。「頑張ってるんだね」って素直に思う。

 でも…。


 彼はこの1年間、何もしてこなかった!ほんとに何もしなかった!クリスマスも私の誕生日も、かなちゃんと楽しく過ごしました!バレンタインは何か渡すのが悔しくて、プリヤにあげちゃった!もう、…普通なんかあるでしょ!

 ムカついたときは、背中に何か投げつけたくなったけど、さすがに止めた。疲れて寝てる彼の背中を髪で突っつくぐらいにしておいた。


 そうそう、編音&梓コンビを私もアヤ&アズって呼ぶようになった。アズには記憶のバックアップを毎月してもらっている。この1年、記憶を失うようなことはなかったけれど、映画みたいにリブⅢがⅡよりいいとは限らないから、しょうがないね。でもアズは毎回記憶を渡す度に口を押えてニヤニヤしている。

 …アズも前より明るくなったよね。



 ヒカルがSingularityを目指すトレーニングを始めてから、私も一緒に頑張ることにした。『君を守れるように強くなりたい』って口癖のように言うのは…罪深いよ。腕相撲を挑んでくるのも止めてほしい。以前の私なら、むきになって勝ちに行ってたと思うよ?でも、もう手を握るのとか恥ずかしいんだって!



『いや、ほんとリブ、オトナになったよねー』

「アヤも彼氏できて大人じゃない?」

『でも、付き合ってすぐ遠距離なんですけど?』

『もう半年ぐらい会ってないわー』

『顔は毎日合わせてるでしょ?能力使って手を繋いで寝てるようなもんだよね』

『…アズ、それ内緒』

『ご心配なら、浮気される確率下げときましょうか?』

『プリヤ、デリカシーないこと言うの、やめなさい』

『叶は相変わらずお固いね〜。浮気なんてされないもんねー』

『実際、—Resonance—と—Eternal—の前では、浮気なんてやろうと思うだけ無駄よ』


『その点、リブは最近大人しいわね』

「え、ぁ、うん」

『昔は、きゃいきゃい言ってたのに』

「…やめてよ。あれは昔の私、今とは違うの!」

『元カレ引きずってる女子みたいです』

「…えぇ!?」「……元カレ、じゃないよ」

『プリヤ、イエローカード2枚目』


 引きずってるわけではない。断じて。でも以前の私があんなにアピールしてたんだから、次はそっちから来ないとおかしいって思うんだ。



『あー、でもそろそろヒカルの誕生日よね』

「…知ってる」




 夏も終わり、もうじき9月。

 家に帰って寝る前、来月のカレンダーを見る。彼ももうすぐ14歳になる。




挿絵(By みてみん)

中2編開幕です。


挿絵のカレンダー。予定では9/1は火曜のはずなのですが修整できませんでした。まぁイメージということでお願いします。


総字数の関係で、本話の掲載で今週は一旦更新は終わりにする予定です。PVが伸びたら、土日も更新するかもしれません。笑

(これを書いている時点で33話まで出来ていますが…)


 来週からは金土日の更新の予定です。イラスト添付などの関係で、文章だけだと、カクヨムが1週間早くなります。よろしくお願いします。


追伸: Box7の挿絵追加しました。

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