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傲慢な住処  作者: 一色 サラ


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自分の模索

 羨ましいということが、頭に浮かぶ。要領よく仕事をこなす姿を見ると、心が引かれていく。煙たがられず、他人に流されない。その人になりたいと思えてくる、でも無理だとも思ってしまう。優奈は自分の怒りの沸点が低いと思っている。すぐに怒っていしまう。ただ、その怒りは何に対して怒っているのか、その出来事が起きている時は気づかない。

 「それ洗いますね」と居酒屋のアルバイト先で20代女性に言われて、「自分で出来ますけど」言い返していた。少し時間が経てば、その時は仕事を奪われたと感じて怒りがわいていたことが分ってくる。苛立って、言い返してしまう自分の未熟さに後悔して、幼稚性を感じてしまう。言った相手はただの配慮されただけなのかもしれない。仕事の流れからして、手伝おうと思ったのかもしれない。それに相手とのタイミングというものがある。そのタイミングが合わなかっただけで、相手と相性が悪いといって、嫌いな人物がどんどん増えていく。勝手に嫌って、勝手に怒って、自分は何をしているのだろう。 

 何をしても変わらない自分に、吐き気が出てくる。精神科の園田先生から「20代の優奈さんと、今の30代の優奈さんを比べて、どちらが落ち着いていると思う。」と言われたが、それは今の30代の優奈だろうと思った。他人だはなく、過去の自分を比べればそうなるのだろう。他人と比べてたがる優奈にとって、良い言葉かもしれない。でも、診療が終わって数日が経てば、他人の目が気になっている。人のことを気にしない人達が羨ましく思っていく。ただ人に相談すると「それをみんなそうだよ。」と言われてしまう。「そう見えないことがいいことじゃない」と思って言ったら、「優奈も落ち着いて見えるよ」と言われて、自分自身が分からなくなっていく。自分迷走の中でもがいて、どう生きるかを模索するしかない。

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