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傲慢な住処  作者: 一色 サラ


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10/12

噂の末路。

コンビニに入ると、騒がしい声が響渡りはじめた。店内を走り回る小学生たち。夏休みに入ったのか、昼間に子供の声が余計にうるさく感じる。

「ねえ、このおじさん、アナウンサーのくせに不倫したんだって」

 イートインスペースを子供の占領して、大人びた意見が飛び交っている。

「えー、酷いね」

 3人ぐらいの女の子が、大人の真似をするように騒いでいる。

「それも女性に中絶しろって言っただよ。本当に酷いよね」

「あなた達、うるさいわよ」

 そこに居た40代ぐらいの女性が、子どもたちに怒鳴った。数人ぐらいいる店内が急に静かになっている。子どもに注意する勇気は大学生になる美理にはない。こういう大人にはなりたくないと思う。

「ねえ、行こう。」

「え、でも」

 女の子2人はコンビニを出て行って、1人だけ残って、女性を睨みつけている。

「なんなの言いたいことあるなら言いなさいよ」

「出戻りばばあ」

 女の子は大声で言ってコンビニを走って出て行った。

「大人に向かって何てこと言うの!!」と、コンビニのドアが閉まっているのに女性は叫んでいる。子ども達には聞こえていないだろう。女性は大股で歩きながら、何個か商品を急いでいれて、レジに向かっていた。お会計が済むと、すぐにコンビニから出て行った。数分の出来事に美理は唖然とした。

 女性には少し見覚えがあった。近所に住む人で、離婚して実家に帰って来たとお母さんが言っていた。

旦那に不倫されて、相手の人が妊娠していたらしい。だから子ども達の話が許せなかったのかもしれない。でも、別れてた旦那は、相手に中絶してもらうって言っていたらしく。別に意地を張って、別れなくてもよかったのでは思った。ただ女性本人が妊娠できる体質ではなく、子供がいなかった。だから、せめて旦那の子どもが生まれることを邪魔したくなったのではないかとお母さんが言っていた。

美理はおにぎりとサラダなどをカゴに入れてお家計をすまして、コンビニを出た。女性がなぜ離婚したかなど、誰も本当のことなど分からなず、ただ噂だけが広がっていく。

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