第80話 ダンジョン攻略⑧ (?)
込み入ったお話回(少し長い)
謎のポータルにドナドナされた俺たちは、日本でよく見る居住空間に出てきた。
和室。なぜこんな異世界属性モリモリなゲームに和室。
「では!!これよりマスターのところへご案内します!!ご準備ができるまでここでしばらくお待ちくだされ!!」
――――バタンッ!!
「............いやここで待てと言われても??」
「グルァ。」
『粗茶はもらえる??』
「粗茶はもらうもんじゃねぇから。」
(ふむ、このような空間も存在するのか。なかなかに興味深い。)
「............和室は初めてか??」
(この部屋自体もそうだが、この場所は外界から切り離された異空間だぞ。気づいていないのか??)
「................いや気づいてたけど目をそらしてたというかなんというか、最近こういうの多すぎて信じたくないというか。」
(これは和室?というのは主も散々言っていたからわかったとして。このような甘美な空間が主の生きる世界には存在するというのか?)
「この部屋はまぁ、家にあるところのほうが最近は珍しいけど一世紀前くらいの家には結構あったらしい。俺の実家ならほぼこんな部屋だな。」
『...........いいとこの出??』
「失敬な。れっきとした普通の一家だわ。」
実家は普通ですー。至って家族仲のいい青森の訛り全開家族ですから。
............今度実家帰ろ。
「にしてもさ、ダンジョン攻略っていいながら急にラスボス展開はガチで聞いてねぇわ。とんでもショートカット見つけたもんだわ。」
(しょうがないではないか。最短ルートならばあそこが一番だったからな。)
「............まぁ別の意味でも最短ではあったか。」
「グルゥ............グルル、グルァ。」
「ギャギャ、ギャ、ギャギャ。」
『............おいしい』
あなたたちは本当に食い意地がすごいね。帰ったら肉料理三昧になるから期待してなさい。
「お待たせいたしました。」スッ...........
「どぁっ!?」
『ッ!?』
「グルァ!?」
(...................貴様は。)
「おや??どうやら懐かしい気配の方もいらっしゃいますが、ここでは野暮ですね。さて、バツ様及び契約獣の皆様、マスターのご準備が整いましたので、ご案内いたします。よろしいでしょうか?」
ピコンッ
【大規模レイドクエスト『地底に眠る懺悔と傀儡』が解放可能となりました】
【解放者先駆条件:特定の条件を全て有していること】
【条件1:ダンジョン内に存在する専用隠し通路を発見し、一定距離以上その通路を移動すること】
【条件2:ワールドアイテム『八神の導き』を所有していること】
【条件3:ユニークモンスターと契約済みであること】
【条件4:装備型契約獣の存在を知っていること】
【条件のクリア状況を確認中...........................】
【全条件クリアを確認、このクエストを解放しますか??(解放後、ワールドアナウンスが流れます)】
.................またか。また全部に関係ありそうなやつか。
ってもういいか、しゃあないもんな。ユニークの抱え落ちだけは気を付けてやりたいようにやろ。
「............解放するよ。やってやる。」
ピコンッ
【解放の意思を確認、クエストを解放します(プレイヤー名は匿名化されます)】
パンパカパーンッ
《 ただいまより、大規模レイドクエスト『地底に眠る懺悔と傀儡』を開始します 》
《 このクエストは大規模レイドとなります 》
《 レイドボス起床 240 : 00 : 00 》
《 クエスト区域:地底都市及び周辺都市全域 》
《 成功条件:特定モンスターの討伐及び捕獲、都市防衛率50%以上 》
《 失敗条件:特定モンスターの討伐及び捕獲失敗、都市防衛率50%未満、重要人物の死亡 》
《 レイドボスが起床するまでにクエスト区域にいた場合は強制参加となります 》
《 地底に眠る過去の懺悔と傀儡は外界から来たりし契約者たちの手によって命運が握られる 》
《 待ち受けるは天か獄か、滅びを呼ぶその災厄は目覚めし時を待つ 》
ピコンッ
【プレイヤー名:アンナさんからメッセージが届いています】
【プレイヤー名:カルナさんからメッセージが届いています】
【プレイヤー名:アンナさんからメッセージが届いています】
【プレイヤー名:アンナさんからメッセージが届いています】
【プレイヤー名:アンナさんからメッセージが届いています】
【プレイヤー名:カルナさんからメッセージが届いています】
【プレイヤー名:アンナさんからメッセ「通知オフだ!!!うっせぇ!!」............通知オフの認証確認、これ以降、24時間の間は通知をオフにしました】
よし、頭痛が収まった。
「さて、それでは準備も済んだようですのでご案内いたします。あぁ、礼儀作法などは特にありません。あくまで自然体で。普段通りでお願いいたします。」
「..........??あぁ、分かった。お偉いさんがそれでいいならこっちだってそれでいかせてもらう。」
「ご理解いただけて結構でございます。それではどうぞ、こちらへ。」
――――タッタッタッ.........
バツたちはその執事風な人物の後をついていった。
しっかし、この執事絶対強いな。この目と鼻の先にいるってのに気配がまるで感じ取れない。それに下手に鑑定しようとすれば殺されるわ。太刀打ちできなそ、もうこいつラスボスやりゃいいじゃん。
「なぁ、執事さん。俺ら普通にダンジョン攻略してただけなんだけど急に連れてこられて普通に混乱してんだけどさ。何用で俺らはここに招かれてんだ??」
「..........んー、どうでしょう。ここで私の口からお伝えしてもよろしいですが、マスターから伝えてもらったほうが面白............いえ、楽s..............んっん、大事なことですからマスターからお聞きください。」
「いや絶対めんどくさがって面白がってるよね。ほぼ出てたよ答え。」
「...............マスターからお聞きください。」
「いや分かったから真顔棒読みで繰り返しやめて!?」
「ふふっ........失礼、バツ様が思った以上にユニークな方でしたのでつい...........お許しくださいませ。」
いや怒ってはないんだよ?ただこうも自然とやられるとツッコまざるを得ないというか、ね。
「あぁ、着きました。この扉の向こうにマスターがいらっしゃいます。」
「..........ここ、か。」
またしても仰々しい扉が...........ってか和風建築な引き戸がある!?
コンコンッ
「マスター、バツ様とその契約獣一行をお連れいたしました。」
(お!!やっと来たか!!すぐ入れていいぞ!!)
「かしこまりました。では、どうぞ中へお入りください。」
――――ガラガラッ
いや扉開ける音も昔の玄関で聞く音じゃん。
............まぁいいか。
執事風が扉を開け、その中へ入った途端に不思議な感覚がバツたちに襲った。
「..........これ、は??」
『結界か何かかな、にしても体に馴染む、昔からこの空間にいたかのように感じる』
「グルァ!!グル、グルルァ。(なんだこの場所!!あ、主人もいるー。)」
「ギャギャ!?ギャ、ギャギャギャ。(小生はまだ死にとうないでござる!?ん、いや、死んでいないでござるな。)」
「ふぅ、この空間も久しぶりであるな。我も直接話せるようになったぞ。」
「.............えーっと??」
まず、最初に話したのがおそらくニト。で、次はルクスか??あとホムラ、お前語尾がござるなのか..........あと災禍が脳内に直接語り掛けてきていない..........だと!?
「で、災禍。この空間なに??入った瞬間すっげぇキショかったんだけど。」
「ここはダンジョンマスターが作り出す固有空間。外界から断絶され、入るも出るもそこに存るマスター次第、という空間だ。」
「で、そこに招かれたのが俺ら、と..........普通に絶望じゃね??」
「何が絶望だよ!!むしろこれを幸運とせずして何と呼ぶのだ!!」
「.............あ。」
そうじゃん。普通に雑談してたけどダンジョンマスターの空間じゃん。
「えー、敬ったほうがいいです??」
「いらん!!そんなのどっかのう○こ溜めにでも捨て置いてしまえ!!」
「いや尊敬の念をそんな汚ったねぇところに捨てるわけないやん。」
「なっはっは!!やっぱり面白いやつだな!!えーっと、バッタン!!」
「バツです。」
「そーそーバッツだ!!覚えていたぞ!!うむ!!」
「いやだからバツだって。」
こいつ話聞かねぇ。
「............で??俺らをここに呼んだ理由は??」
「うむ!!このダンジョンを攻略して、新たにマスターになってはくれまいか!!いや、なるのだ!!」
「お断りだバカタレ。」
「なぬっ!?な、なぜだ.......??マスターになればこのダンジョンを好き放題なのだぞ??あんなことやこんなことだってできるのだぞ!?」
「だからそれがめんどくせぇって。誰が好き好んでこの空間にずっといるかよ。まっぴらごめんだ。」
「...........ここにずっといなくてもいいと言ったらやってくれるのか??」
「詳しく教えろさぁすぐに教えろなに黙ってんだ吐け。全て情報を吐き出せ。」
「...............ヒィッ。」
怯えてんじゃねぇよそっちが期待させることを言ったんだぞったく。
...............はいはい私が悪ぅございやした。
「う、うむ。実はな、このダンジョンもかれこれ8千年ほど前からこの場所にあるんだが、最近この場所の地底奥深く、人族では到底見つけられぬ深さに何やら不穏な存在がいることが分かってな。それに怯えながらダンジョン運営をするのが嫌になったんじゃ。でも、放棄するのは嫌じゃろ?だから新しいマスターを迎え入れて管理してもらおうと思ってな。」
「..........だからその跡継ぎを探してるってか?」
「そういうことじゃ!!」
「てめぇその跡継ぎになるやつのことは考えねぇのか?あ”?」
「だ、だって。明日は我が身というだろう?だから、早う逃げたくてな..........」
「はぁ........まぁ、攻略はする。地底都市に用があるのは事実だ。今は当初の予定以上に攻略を急がなきゃならねぇ。」
「.............??」
「あー.........なんていえばいいかわかんねぇが。その不穏な存在が近々目覚める。それもこの先にある地底都市、そしてその周辺都市を狙ってな。」
「え............??」
「マスター。」
「は、はいなのだ!?ぜ、ぜぜぜぜ全然びびびびびびびってななないいいのだっだだだだだ???」
「いやバグったロボットみたいになってるじゃねぇか。ったく、で。ずっといなくてもいい方法ってなんだ?」
「それは、自分の代理となる存在をここに置けばいいのだ!!」
「なんだそんなことか...........やってやるよそのマスターっての。」
「ほ、本当k「ただし!!!」...........ただし??」
「お前、俺と契約しろ。それが条件だ。」
「...............少し待て。」タッタッタッ.........
――――なぁなぁランスロット。どうすればいい?
――――マスターのやりたいようにすればよいかと。私はいつでもあなた様の味方です。
――――んー、でも。ランスロットが一緒じゃなきゃ嫌なんだよ。
――――ふふっ、ありがとうございます。世辞だとしても嬉しいですよ。
――――お世辞じゃない!!ランスロットはずっと助けてくれた恩人なんだから!!
..........聞くのは野暮かなと思ったけど、てぇてぇが..........てぇてぇの会話が............!!
「待たせたの!!」
「...........あぁ、それで、どうする??」
「その温かい目はなんだ!?」
「いいからいいから。で、どうするんだ?契約、するのか??」
「ええい..........反応が気持ち悪くなっておるがまぁいい。こほんっ。えー、我は主と契約するぞ!!バツよ!!で、ついでにこのランスロットも契約してくれ!!」
「...........あぁ、いいぞ。まるで兄弟のように尊敬してるんだもんな。」
「ぎくぅ!?」
『一緒はなきゃ嫌だって、可愛いね♬』
「ぎくぎくぅ!?」
「ランスロットは恩人のう。いい信頼ではないか。」
「ぎっっっっっっっっくぅ!?」
その域までいったらぎっくり腰じゃね?
「も、もういいではないか!!?ランスロットを受け入れてくれぬなら契約はしない!!」
「するってば。大丈夫だ安心しろ。」
「ならいいのだが...........ではバツよ。両手を出してくれ。」
「え、こうか??」スッ..........
「うむ!!では、ランスロットは右手で。我は左手だ。」ギュッ
「かしこまりました。では、バツ様、耐えてくださいね。」ギュッ
「え??」
――――バチンッ!!!!!
「ッ!?ガァッ!?」
『バツ!?』
「主よ!!」
「グルァ!?」
「ギャギャ!!?」
「ガァァァァ!!!!!!!!??!!!??」
やっばい忘れてたこれ、ユニークとの契約は毎回こんなに痛ぇのかよ!?
やっぱクソだな運営!!!
~~~~~20分後~~~~
ピコンッ
【ユニークとの契約を確認】
【ユニーク個体ダンジョンマスター、シャドウフェンリルとの契約を完了】
【魂状態、コンプリート】
【ユニーク個体との契約が滞りなく完了しました】
【契約シークエンスを終了します】
「い"っ"た"い"!!!」
「主よ、大丈夫か??」
「だい"じょ"う"ぶに"み"え"て"た"ら"ぶっ"こ"ろ"す"!!」
何とか深淵フルスロットルで耐えたけどきちぃって。
「ふぅ、無事に終わったな!!」
「ふふっ、そうですね。念願の契約でしたもんね。」
「うん!!うん”............!!」
「............契約が終わったからこれからのことを話させてもらう。」
「あ、そ、そうだな!!よろしく頼む!!」
さすがにここで時間を使いすぎた。
急ぐぞ。
さて、ことの発端はダンジョンのはるか下にある不穏な存在。
それが今回の討伐対象ですね。で、参加するにはダンジョンの攻略が必要...........
どうするんですかね??
では、今回もお読み頂きありがとうございます。
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