第49話 いや、引き受けるわけないじゃないですか。
壁が動き、進めるようになった穴を領主のテラノア辺境伯.........あー長いから聞こえないところではテラ爺と呼ぶが、そのあとに続いて進んでいく。
不思議と暗さを感じない。光源はないが前が見える。ダンジョンみたいな仕様だな。
「辺境伯、この道はどこまで行くんです?」
「んー、あと5分くらいじゃな。まっすぐ進むだけじゃから暇なんじゃよなぁ。」
「それは私も思いました。」
「おい。」
「ほっほっほ!!やはりそう思うじゃろ??わしももう少し短くしたかったんじゃが家臣たちが聞かなくてのぅ........」
「当たり前です、短くするって聞いてたら開いた瞬間がいいって言い始めたじゃないですか!!」
「当たり前じゃろう!?誰がそんなたくさん歩きたいんじゃ!?」
「だからって、宝物庫をそんな近い位置で置こうとしないでください!!」
「...........ん?」
今宝物庫って聞こえたな?
え、俺ら今宝物庫向かってんの?おいいっぱしの領主がどこの馬のケツの骨かわかんないやつらを宝物庫に連れてくなよ。むしろ執事の反応で正解じゃねぇか。
まぁでも、とんでもねぇ気配の契約獣いたから、安心ではあるのか??
「え、私たち宝物庫に向かってるんdではっか??」
「いやどういう動揺よ。」
「そーそー。むしろこれくらい大きいお屋敷ならあるもんだよ??」
「いやその発言もどうかと思うぞ。」
「ほっほっほ、そろそろ着くわい。」
と言われ、少し緊張しながら歩くこと5秒。5秒ならそろそろじゃねぇと思うがまぁ一先ず着いた。
くっそ分厚そうな扉の前に。
「え、これ人の手で開けれんの?あ、ですか?」
「敬語が慣れないならいつも通りの話し方でよいぞ?」
「じゃあ遠慮なく、でもこの仕掛けって教えてもらえたりするのか?」
「知りたいのですか?」
「あぁ、魔法関連の技術ならうちに魔法知りたい病を患ってる人いるから。」
「え!?そんな羨ましい人が居るんですか!?」
「ほら。」
「あぁ。」
「ねー。」
「.........え?あ、わわ私ですか!?」
「いやアンナ以外いないから。」
「えぇー!?」
「では、扉を開けますね。」
そういうと執事さんは指を一回鳴らした。
ゴォォォォォォ........
「すげーな。ハリーなポッターじゃん。」
「すごいですよねぇ。音声認識による開閉動作なのでしょうか?」
「それか魔力が込められた特定の動作を認識してーとか?」
「ありそうだな。」
重く閉ざされた扉が開かれた瞬間、目に途轍もない光と濃密な魔力波が濁流の如く差し込んだ。
まるで宝物庫へ立ち入りを禁じられているかのよう。
「ッ!?」
「これは..........」
「何だかわかんないけどすごくしんどい........!!」
「あぁ、ここを開けたのも100年以上ぶりじゃったかの、魔力が部屋の中に溜まりに溜まっておったからそれが出てきてしもうたか。」
「はぁ.....??魔力自然発生するにしても濃すぎるだろ.......」
「お、私もここまでの魔力濃度は経験したことがない.........」
「ギルマスもなのか、ならしゃあないか。っとぁ!!」
何とか立ち上がったけどめっちゃしんどいな!?
サウナか何かか!?魔力を直接浴びたらこんなにしんどいなんてなぁ........
種族によっちゃ気絶するだろ........気絶??なんだろうなんか引っかかる。まぁいいか、思い出したらまた考えよう。
「ふぅ、お前らも大丈夫か?」
「だいじょうぶー。」
「な、何とか。ジャックにスレイン、ピュリィも大丈夫ですか?」
「「わふ!」」
「ピィ。」
「ぷぅ。」
「グルァ!!グルルル.........グルゥ?」
『それはもんだいないと思う』
「うっし、じゃあなんで宝物庫に来たか聞いてもいいか?」
「ほっほ、それは報酬を追加で出そうと思ってな。この中にあるものの中からなんでも一つ持って行ってもよい。中にあるものはすべて把握しとるでな、どれを持っていきたいか決めたら教えてくれ。」
破格すぎる。え、あの緊急クエストこんなレベルの話だったのか?俺は所詮街防衛イベントくらいでしか考えてなかった。でも実際、ギルドへの予兆報告から準備期間。あとは他のサーバーとの違いと自分らの行動で変容するルート。諸々の要素を考えれば単純な防衛イベントじゃなく、初期の街が無くなったら後々困るって展開があるんじゃねぇかこれ。え、こわすぎ!?
「ひゃっほーう一番乗りぃ!!」
「あ、ずるいですよ!!」
「あ、契約獣の分も持って行ってよいぞ。今回は相当助けられたからな。」
「破格すぎません!?」
「ええんじゃよ。ここでただ保管されているよりも、現役で使うてくれる者に渡ったほうが本望じゃろうて。」
「..........そうですかね。」
「おいこらカルナ!!走り回って物壊したら弁償できるのかてめぇ!!」
「その時は連帯責任でーす!!」
「あんにゃろう、ニト!縛り付けろ!」
『"陰縫"』
「え、わっ!?」
「そこで黙ってな。俺らが決めるまでは静かにしてろ。」
「えぇーそんなご無体なぁー!!」
「おだまり!!」
――――――――――――――――
どれにするかは各自手分けで探すことに。
早い者勝ちルールってことで。
「さて、俺らは何を見つけるか。」
「グルゥ??」
『ルクスと私、アクセサリーはあと一つだけ』
「あーそっか。契約獣はアクセサリー3つまでか。でもその分強力なものも多いからなぁ。」
サーチを使ってもいいか聞いてくりゃよかった。魔力感知とかも使って大丈夫か?まぁ大丈夫か、さっきニトの影魔法使ってもお咎めなかったし。
「うっし、ルクスとニトは一緒にいろいろ探してみてくれ。直感でよさそうなものがあったら俺が鑑定してみるから。
「グルゥ♬」
『承知』
さーて、俺一人になれたからひたすら鑑定と魔力感知だ!!魔力反応が飛び切り強いのが性能も高いと見た、レッツ鑑定ー!!
◇
「鑑定、よわ。次。鑑定、んー強そうだけど俺とのシナジーが合わない。次。鑑定、お!いやめっちゃ呪いの武器じゃん次だ次ァ!!」
魔力反応強いの結構あるけど、シナジーが合わなかったりデメリットがでかいやつ、あと呪われてるのもあるのは予想外だけど!?
んー、俺の装備を考えるとステータス補正も大事だが、役割としての強化軸を持つべきかどうか.........
「鑑定、んー俺じゃない感。次。鑑定、............おぉ!?」
結構いいの引いたんちゃう!?
あ、でもこれアイテムかぁ........アクセサリーじゃないから避けたいが.......でもこれを使って何かしらやれればいいのもできそうだしなぁ.........悩むわぁ!!!
「グルゥ!!」
『バツ、もどった』
「ん、おぉお帰り。何か候補はあったか?」
「グルル、グルァ、グルゥ♪」
「お!ルクスはいいの見つけてきてんじゃん!!ニトもだいぶいいの見つけてきたなぁ、どれにするか迷うな!」
『バツ、えらんで』
「え、お前らが欲しいの選べばいいじゃん。」
『それだと全部』
「バカたれ。えーじゃあ、ルクスはこれ。ニトはスタンスとか考えるとこっちだけどんーでもこれでもアリか..........??うっし、じゃあこっちにしよう。ニトの影魔法も強化されるだろうしな。」
『承知』
「んじゃ、あの爺さんとこに戻るか。」
「グルゥ!!」グイッ!!
「どぅあっ!?」
ドサッ.........
「いっつつ、どうしたよルクス。何かあったのか??」
「グルゥ。」ツンツンッ
「え、何それ。さっきはなかったけど.......」
『っ!?バツ、それ........』
「え?な、うわっ!!?」
バツがそれに触れた途端、首に下げていたロザリオが輝き始め、手に取ったそれを吸収してしまった。
「あ、おい!?」
【八神信教のロザリオ(オリジナル)が???を吸収しました】
【八神信教のロザリオ(オリジナル)が???のロザリオに変容しました】
「うーわ、予定外過ぎて笑えねぇ.......」
また厄ネタだよ。装備の名前変わっちゃったけど、これオリジナルだったよね?え、それ形まるっと変わっちゃったけど、え?やばくない?あの善爺に殺される?え、普通に無理すぎ。
「まぁ起きちゃったことはしゃあないか。謝ろう、うん。で、わんちゃんもらえないかってこれ持って行ってみよう。よし、そうと決まれば善は急げ!!」
「グルァ!!」
『バツの悪いところでた』
――――――――――――――――
「お、バツさーん!!」
「おかえりなさい!」
「あれ、二人は早かったな。だいぶ待たせた感じか?」
「いや、全然だよー。」
「私たちも偶然早く見つけただけでしたので。」
「ほっほっほ、お主不可思議なものと合わさったな?」
「あ、そうそうそれを謝ろうと思って。いらんことなった。申し訳ない。」
「いいんじゃよ、それはこの場にはなかったものじゃ。おそらくこの場所の魔力にあてられ顕現したんじゃろう。じゃからお主は別でほしいものを言うて、それを持っていくがよい。」
「え、いいの??じゃあ、これを持っていきたい。あとルクスとニトにはこれ。」
「ふむ.........ほぉほぉ。なかなかいいのを選んだではないか。」
「じゃあ、俺らも決定ってことd「失礼するわ!!そこの契約者殿!!」ぇ........はい?」
金髪ドリル高身長貧乳お姫様出てきたけど、どなた??
「高祖父様!!街の英雄様がいらっしゃったら教えてくださいましといったではないですか!!」
「あぁ、すまんすまん忘れとった。しかしこのお方らも忙しい故、また次のときに話せばよいではないか?」
「いいえ、ダメなのです!!今この瞬間、お話ししなければ!!」
「えーっと、辺境伯。このお嬢さんは??」
「おぉ、この子「私が自己紹介差し上げますわ!!」.......失礼のないようにの。」
「もちろんですわ!こほん。私、キャシー・ビオラ・ヤ・テラノアと申します。現テラノア領主の玄孫にして将来の領主でございますわ!!」
「は、はぁ。」
「そして、あなた様!!」ビシィ!!!
えーっと、その指の先はー。え、おれ??
「そう!あなた様、私の騎士になりませんこと?いえ、なりなさい!!」
「え、嫌です。」
......^/\^ < カー
「も、もう一度言いますわ、私の騎士になりなさい!!」
「だから嫌ですって!答えはNOだ!!」
......^/\^ < カー、カー
「な、何でですわ!?私の騎士になれるのですよ!?」
「え、誰とも知らん人の下につくとか普通に嫌だし。何より貴族全般あんま関わりたくない。」
「か、関わりたくない................」
シーン............
「ほっほっほ!!こうもはっきりと断られてはさすがに諦めなくてはなるまいな!!」
「ぐ、ぐぬぬ。」
「いや、俺以外のやつでいいじゃん。身の回りの護衛くらい。」
「バツさん、そういうことだけじゃないと思うよ?」
「え、そうなのか?」
騎士だぞ騎士。護衛ってことじゃん。
「も、もう一度言うわ!!私の騎士になりなさい!!なるべきなのだわ!!」
「だから何度でも答えてやる、その答えはNOだ!!諦めてくれ!?」
「キャシー!!」
「ッ!?」
しつこく勧誘されてたらひいひいひいおじいちゃんブチ切れた。おじいちゃん大丈夫?血管切れちゃうわよ?
「我らが恩人に何たる無礼、後で話がある。」
「でも高祖父様、私「でももだってでもないわ!!わしがしつけを怠ったからか.......?とにかく、下がりなさい。」.......分かりましたわ。失礼いたします。」
深々とお辞儀をし、この場を後にするお姫さん。いや勧誘されなかったら全然話くらいするんよ。普通に今の流れで騎士になる人いないと思う。
「はぁ.........すまんのうわしの玄孫が。とんだご無礼を許してくれ。」
「あーあーいいんだって頭下げなくても。てかとりあえず俺らを早く帰してくれー!!!」
俺は早く土地の改z........QOLアップをしたいんだよ!!!
出ました偉い人の子孫にして親世代が偉いから自分も偉いと思ってる甘ったれたお姫ちゃん。
属性もりもりだけどいいよね?こーゆーキャラが後々更生して主人公たちの助けをする展開。作者大好きです。なんならその流れで主人公に感謝されて照れる描写があれば尚のことGOOD。
あ、ここでもらったものについては次回以降に書くやれること話そう回でまとめて公開します。しばしどんなものをもらったのか考えて感想待ってます。
はい、というわけで今回もお読み頂きありがとうございます。
高評価、感想・意見等お待ちしております。
ブックマークも待ってます。




