第47話 土地もらうって現実で考えたらとんでもなく面倒くさいよね
ギルドを後にしたバツたちは一旦ザンの所で串焼きを確保し、それを食べながら移動することにした。
「ちなみに土地の候ふぉ地って何個くらいあるんふぇす?」モグモグ
「4か所だ。」
「ふぇー、けっほう多いですにぇ。」モグモグ
「ゴクンッ、ぷはー。近いところから行くんですか?」
「グルゥ♪」
「遠いところからのほうがいいんじゃね?『バツ、串焼き』はいよっと。」
「そうだな。狭いところから広いところの順に見ていこう。」
「あ、狭いところもあるんですね。」
「狭いっていっても30人は十分に住める広さはあるんだぞ?」
「いやそれ狭いって言わないで。」
◇
内覧1か所目
「.............いやめっちゃ広くね??」
「そうですよね...........これで狭いになるんですか............」
「うわぁ、こんな家おじいちゃんの家以外で見たことない!!」
「お前、さては大富豪か!?」
「実家がだよー。」
狭いところからと聞いていたバツたちはその広さに驚いた(1名は違う意味で驚いているが)。
まず、家の入口まで続く道、それも人10人は横並びで歩ける広さ。そしてその道を囲むようにある豪華すぎる庭。正面にはとんでもなく大きい家。入口そばには小さい小屋(といえば聞こえは悪いが普通に一軒家レベルの家)。
「いや前までこの家に住んでた人、どんな富豪様よ!?」
「あ、言ってなかったか?」
「聞いてませんけど!?」
「今見に来てるこの場所含め4か所すべて、この街の領主様が直々にくれるって言ってくれてる場所だ。」
「そうなんですねこんなに綺麗な場所ホカニミタコトモアリマセン。」
「うわぁ、綺麗なカタコトだぁ。」
「おだまりなさいっ。」
「まぁ、この場所は街の中心部からも結構遠いし、何より周りの治安が悪い。」
「どう悪いんです?」
「貴族の喧嘩がまぁ起こる。」
「「「あぁー。」」」
「グルゥ??」
『地位のたかいものはめんどう』
「はっはっ、まぁそういってくれるな。こう見ても俺だって貴族だからな。今はギルドマスターって地位にいるが、ほんの数年前までは男爵家当主代理だったから。」
「いやそのまま地位に胡坐掻いてあずましく生活していればよかったじゃないですか。」
「性に合わん。」
「分かりやすっ。」
「だからギルドマスターになった。戦うのも好きだったし、なにより俺の契約獣がなれなれってうるさくてな。」
「あ、ギルドマスターの契約獣いたんですね。」
「あぁ、今は別の用で街にはいないんだがな。」
「ふーん、あ、この場所は大丈夫です。次お願いしてもいいですか?」
「お、そうか?なら次に行こうか。どこにするかは全部回ってから聞く。」
◇
内覧2か所目
「さっきよりバカ広いまじか。」
「ここは..........」
「広くていいけど余しちゃいそうだねー。」
2か所目はさっきの場所より倍近く広く、家が3件建っている。庭も広く、修練場のような場所もある。
ちなみに場所は街の外、テラノア外縁部森林区域が目視でわかる位置にあり、街と森、だいたい同じ距離感だ。
なお、街までのアクセスは家の中にある転移門で移動、とのことらしい。ハイテク過ぎてようわからん。
「転移門........この魔方陣を解析すればもしかしたらポータブル転移門の開発ができるんじゃ.........?」
「帰ってこい。」パシィンッ!!
「あいたぁ!?ちょ、すぐに叩かないでください!?」
「考えるのは後にしな。先に場所を見て回るんだよ。」
「ちなみにこの場所は街の外ゆえにモンスターが普通に周りを徘徊している。」
「だろうな、こんな土地に家建てるとか何考えてんだ??」
「自給自足をしたかったらしい。」
「無謀で草。」
◇
内覧3か所目
「めっっっっっっちゃ土地広いけど家はないのね。」
「ここを選んだ場合、家建築までセットになる。」
「まじで!?」
「ちなみにこの土地が広さでいえば一番広い。」
「うっはぁまじかよ!?」
「だが街までのアクセスは最悪だ。一番立地も悪く、周りには何もない。言葉通りに。」
「た、たしかに。生体反応が何もないです。」
「この場所は曰くつきなんだよ。それも領主関連のな。」
「え、ここにしたいんだけど。」
「「バツさん!?」」
「え?ダメ??曰くつきってったってモンスター関連が出るよーってんなら倒せばいいじゃん。何なら下の土全部掘り起こして状態確認でもいいし。」
「えぇー。でもでもまだ1か所見てないんだよ??そこ見に行こうっよー。」
「そうですそうです!!ゆ、幽霊は嫌です.........!!」
そう、この3か所目。家はないが広さは段違い。
肉眼で反対側の仕切り柵が見えないレベルの広さなのだ。それも奥行きだけでなく横にも広い。正方形で区画されていると思うが信じられないほど広いのだ。その土地を建築セットでくれるのはさすがに破格に思える。
「次見に行こうk「prrrrrrr..........prrrrrrrrrr........」ん?ちっと待っててくれ。」
「ん、わかりました。」
って言ったけど聞き耳たてちゃおーっと。
そろりそろり.........
...
..........
...................
あぁ、俺だ。今は鳥獣戯画と一緒にいる。あぁ?領主様の土地が今度の街防衛開発の拠点に選ばれただと?いや、何だって急に。あぁ。あぁ。なるほどなぁ......じゃあ鳥獣戯画には今見せてるところを即断で上げることにする。あぁ。あぁ分かった。そうしてくれ。領主には俺からすぐに連絡しておくから。あぁ。いy....................
「なんか、聞き耳たてたら俺らのもらう土地がここで決定したって言ってるんだが?」
「え、そうなんですか!?」
「あ、あぁ。なんでも、街防衛開発の拠点にするとかどうとか。まぁ俺はいいんだが何かありそうだな。」
「そうですねー。ま、でも気にしたら負けじゃないですか??」
「すまん、時間がかかった。って、どうした?」
「いや、聞き耳たてたらこの場所で決定ーッ!!ってのが聞こえたからどうしようねーって。」
「聞いてたのか.......。まぁ、そういうことだ、散々連れまわしたのに面目ない。」
「いや、俺は全然大丈夫です。むしろこういう土地使ってクラフトゲームするの好きですし。」
「私も、魔法研究できそうな場所を確保して無限に.........じゅる。」
「ぼくは武術鍛錬かなー。やっぱトレースのクオリティ上げていきたいし!!」
「ってな感じで、無限に広い土地もらえるんだ、得こそすれ、損するなんてないんですよ。」
「そう言ってもらえるとこっちもありがたい限りだ。」
いいんですよ全然。と心の中で一人返事をするバツ。
ここまで広い土地を手に入れるとなれば、自由度がかなり広がる。
が、最優先はクラン用の建物。そこから各自に場所を割り当て、クラフトを進めてもらうのがよさそうだ。
「じゃあ、ここの土地を貰い受けるってことで。今日から改造ゲフンゲフン............弄りまわしてもいいんですか?」
「言い方ってのもあるが、まぁ今置いておこう。ただし、今すぐは難しい。これから領主のところに行って報酬授与式をやる。行くぞ。」
「は?」
え、今から?
ガチで??
というわけで、邂逅!!貴族との億劫な挨拶回り!!です。
地位の高い人のところ行くの面倒ですよね。
社長連中相手にし続けてたら勝手に慣れますけど。
むしろレアキャラな社長に会った時めっちゃ興奮しますよね。
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