第40話 餓鬼族氾濫②
汚物は消毒じゃぁあああ!!!!!!
テラノア西門を出てすぐそこはまさに阿鼻叫喚の景色だった。
――いたぞ!!あのゴブリンをぶち殺せ!!
――グギャァ!!!
――ぐあぁっ!!
――くそっ!連携とれよ!?
――うるせぇ黙ってろ!!
殲滅することしか能にない集まりの中、統率を取り、奥まで進まんととてつもない勢いで進み集団があった。
「カルナ!!右!」
「巖磐流初式、『咲開竜如』!!」
「PrrrrrrrrraaaAAAaAAA!!!!!!」
「アンナ、ニト!!左アーチャー部隊!!」
「はい!!スピードエンチャントクアトラプル!!ジャック、スレイン!!ニトさんに併せて攻撃!!」
『無重力発動、”影針突壊五撃”』
「ピィィィィイイ!!」
「「グルォォォォオ!!!!」」
「ルクス!!そのまま前に見える敵全部なぎ倒せ!!」
「glaaaaaaAAaAAaaaA!!!!!!!」
――シャァァァァン..............
――ザンッ!!ボォォォォ.........
――ゴォォォ.......プチュン........
――ブォォォン….............
――――ズゥゥゥン............!!
――ザンッ!!ジュゥゥゥ.........
――ドンッ!!
「おいおいあれ..............」
「あれって、竜か..........?」
「いや、クマもいるぞ!!」
周囲のプレイヤーは目を疑った。
「金太郎、次は左です!」
「ルクス右!!ニト!!後ろだ!」
「グルァァァァ!!!」
『あとは任せた、ニトは影にいる』
「てめぇニト!!楽すんな!?後ろどうすんだよ!?」
「うひゃぁぁああ!?」
「ピィィィィィ!?」
「「わふっ!?」」
――ビュンッ!!!
――................グガァッ!?
高められたバツの索敵とカルナによる殲滅力、アンナのサポート力によりたちまち通る道のゴブリンは消え去った。
「あ、あいつらずりぃ!!」
「ねぇマイン!!あれ真似できないの!?」
「.............んー、ぼくたちでは難しいかなぁ。ひとまず分かりやすいサーチ&デストロイでいいんじゃないかな?」
「.......まぁ、そうだな。殲滅数だけでもあいつらよりいかないとな!!」
「んもう、しょうがないわね。いいわ、全部殺して大手柄立てちゃいましょ。」
こうして、誰も知るはずのないボス攻略RTA勝負が始まった。
――――――――――――――――
「敵も強くなってきたなぁ。あ、そこルクス。」グシャァ..........
「そうですねぇ。金太郎、左側お願い。」ドォォォォオン!!!!
「さ、さすがに怖いですね。あ、ジャック、スレイン、右警戒して。」
『バツ、うえ注意』
「おぉ!?おまっ、気づいてんなら殺ってくれ!?ルクス!!」
「グルォォォオ!!」
――ザンッ!!ジュゥゥゥ.........
テラノア外縁部森林区域深部、そこまでたどり着いたバツたちは、ピクニック気分でゴブリンの殲滅にあたっていた。
「バツさん、サーチで探せないんですか??」
「いやそれがさぁ、こうもモンスターが多いと魔力が散らばってスキル使ってもぐっちゃぐちゃなんのさ。それに脳がめっちゃ疲れる。」
「あぁー、所謂魔力酔い?というものでしょうか?それならぜひ体験してみたい............じゅるっ。」
「よだれ出てるよ~アンナさん。」
「ハッ!?し、失礼しました...........はは.............。」
「カルナ、鳥獣戯画を考えたのはこんな魔法狂いじゃなかったんだ.........。」
「大丈夫ですよ、バツさん。アンナさんが素敵な人ってのは分かってますから。」
「ひ、ひどいですよ!!」
「ひどいのはその表情だけにしろ!」
「ぐぅ。」
「ぐうの音を出すな。」
でもこのままじゃ埒が明かねぇな。
並列思考で複製した俺その3にサーチと魔力感知を同時発動させて主思考の俺で情報を整理してみるか?
でも後隙できるしあんましなぁ........
「カルナとアンナ。ちょっと周りの警戒お願いするわ。本腰入れて探す。」
「りょーかいです!じゃあアンナさん、僕向こう側警戒するから、街の方向からくる敵の警戒をお願いしてもいいですか?」
「わ、わかりました。ジャック、スレイン。頼んだよ。ピュリィは空から索敵できる??」
「「わふぅ!!」」
「ピィー!!」
バツを中心に包囲型の陣形をとる。
「うっし、じゃあすまん。少し思考の海に呑まれてくる。」
――サーチ。そして魔力感知、同時発動。
――ブォォォン….............
..........サーチで索敵できる範囲は魔力感知範囲のだいたい半分程度。いったんその範囲には大きい反応はなかった。で、魔力感知だと、うわすっげぇな魔力反応の散らばり方が気持ちわりぃ。一旦敵性反応感知だけの絞って探したら.....お、かろうじて感じるな。感知範囲外でもデカすぎる魔力反応は方向だけでもわかるのか、これはいい発見だな。えーっと、北西の向きでこの反応の強さ的にはだいたい150秒の距離か?意外と近いな。だったら周辺のゴブリン消し飛ばしてから向かったほうがワンチャン応援呼ばれたときに戦力としては増えにくいだろう。その方向で進むか。
バツのこの思考、並列思考の効果により思考速度が向上され、秒数にして3秒のできごとである。
「よーし、見つけた。こっから北西に150秒。てなわけでこの付近のゴブリン根絶やしにしつつ目的地まで向かうってことでいい?」
「ね、根絶やし......」
「じゃあ競争しません??」
「競争??」
「誰が一番最初に目的地行けるか!!」
「じゃあ二対一でいいぜ、俺とアンナ・カルナでいこうや。」
「え、いいんですかー?前ぼくに助けてもらったのって誰だったっけ??」
「今は俺のほうが強い。」
「いーや、ぼくのほうが強いですもんね。」
「「.............やってやらぁ!!(勝負ですよ!!)」」
「...........はぁ、また始まりました。」
「ピィ。」
「じゃあ、今から強壮なよーいスタートォァアア!!」
「あ、ずるいー!!アンナさん、いくよ!!」
「え、ちょちょ、待ってくださいよ~!」
◇
やることが単純になった鳥獣戯画は強かった。
「ルクス!!属性入れた飛斬でたたっ斬れ!!」
「グルァ!!」
「ニトは地形変えてもいい!サーチ&デストロォォォォォォオオイ!?」
『バツ、しゃせんはいってきちゃ危ない』
「お前も少し加減しろ!?」
「金太郎、ぼくとのトレースを一時中断。本気で殲滅してくよ!!」
「PrrrrrrrrrrrruAaaaAAA!!!!!!!」
「ダメージエンチャントトリプル!からの、スピードエンチャントトリプル!!」
「ピィィィィィイイ!!!」
「ピュリィちゃんナイスです!!」
「だぁっ!!だからなんで俺まで巻き込まれかねない攻撃しかしねぇんだよお前らは!?」
「そこにいるのが悪いんですよーだぁ、あっはは!!」
「バツさんごめんなさいぃぃぃ~!!!」
会話だけ聞けば仲睦まじい仲間同士の会話。その周りでは..............
――ブォォォン….............
――ザンッ!!ボォォォォ.........
――バキバキィ..........ドォォォォォン.............
――ゴォォォ.......プチュン........
――ドンッ!!
――ザンッ!!ジュゥゥゥ.........
――――ズゥゥゥン............!!
――グギャァ............
不運にも見つかったゴブリンは宙を舞い、地に沈み、釘のように撃ち込まれ、はかなく命をからしていった。中には上位個体もいたが関係ない。もはや上位種では鳥獣戯画は止まらないのだ。
◇
「さて、見えたぞ。ゴブリンの巣。」
「いや、ぼくあれを巣って呼びたくないです。」
「あれは巣というより...........」
「ゴブリン街。だよな。自分で巣って言ってておかしくなりそうだわ。」
バツたちの眼下に広がるはゴブリン共の巣窟。100人にあれは街か?と聞いて90人は街と答えるだろうそれはどれだけの月日、ゴブリンが築き上げた代物だろうか。
それをバツたちは破壊せんとエンゲージの機会を伺う。
「んー、あのアーチャーとナイトの軍隊がかなりきついな............」
「どうにか警戒を解かなきゃいけない??」
「いや、警戒を解くというよりも、混乱させる方法を考えたい。」
「では、ニトさんの影魔法を罠として張り巡らせていくのはどうでしょう?それもゴブリンに姿を変えて。」
「あー、コピースキルでゴブリン。それもさっき倒したアーチャーあたりになって罠を張るって作戦か。でも割と賭けに近いなぁ。んー、ニトはどう思う?」
『あんなの作戦、いいとおもう、けど、罠をはったあとのこと、はなす』
「罠を張ったあとはぼくたちで陽動するのは?さすがにボス級は前に出てこないはずだし。」
「んー。どすっかなぁ。一旦アーチャーらへんを鑑定してみるわ。」
――鑑定。
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【対象:ゴブリンアーチャー】
種族:精霊型
レベル:21
契約適正:無
危険度:やや優勢
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【対象:ゴブリンアーチャー】
種族:精霊型
レベル:18
契約適正:無
危険度:優勢
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【対象:ゴブリンアーチャー】
種族:精霊型
レベル:30
契約適正:無
危険度:対等
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「んー結構レベルがある。もしかしたら罠ひっからなそう。」
「そしたらバツさんの重力魔法で嵌めればどうです?ぼくと金太郎、あとルクスさんを借りて陽動やるから、察知の範囲外からグラビティとかで罠に力場誘導できない?」
「やってみるか?全然ありだとは思う。」
「では、私はバツさんにマジックブーストかけますね。」
「うっし、じゃあそれでやってみようか。」
雑魚敵はスッと、ボス回りの戦いは濃密に。
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