第28話 急襲、変異種の脅威と魂の60秒間
「こいつは明らかに俺を狙ってくる。この世のルールから外れた動きをしそうだからルクスとニトは俺にヘイトが来てる間にバチくそ攻撃してくれ!!」
「キュー!!」
『バツ、しなないでね』
「当たり前だ!!ついでにバフもかけなおすぞ!”震える魂”、からの”鎮まりゆく闘争”!!」
今バツがかけたバフ2種類。SPの自動回復とステータス数値上昇バフがかかるが、効果は両方とも60秒しか持たない。発動自体は並列思考の応用で同時発動できているが、クールタイムには勝てない。
――バフが切れるまで残り59秒
バフがかかったと同時にルクスとニトは動き出す。変異種のヘイトはあり得るはずがない詩人である契約者であるバツへと向かっている。その好機を逃すまいとありったけをぶつける、その一心で連携が取れている。
闘争心は燃やせ、しかし気配は勘づかれるな。感づかれれば死。そんな極限状態で臨む相手だ。
「..........!!」
『”影縫”、ルクス、いけるよ』
「ッー!!」
――ザンッ!!ボォォォォ.........
「ッ!?グルゥ!?」
死角から足止めの影と上空からの火を纏った爪による攻撃にさすがの変異種も虚を突かれた。
「おら!!お前が殺したのは俺だろ!?そんなんでへばってだせぇなーもう終わりか!?」
「.............gluaaaaaaaaaaAAaAAAAAAaaaAAAAA!?」
「やっべ怒らせすぎたァァァア!?」
ヘイトは依然としてバツに向かっているままである。
――残り42秒
バツへとヘイトが向いたまま、ルクスとニトは引き続きヒット&アウェイを続けた。
時にはニトに機動力を消してもらい、時にはバツにグラビティをかけてもらい、何としても勝つという一心で攻撃した。
――残り27秒
バフが切れるまで残り30秒を切った。
「すまん!!さすがにSPが切れそうだ!ヘイトがそっち向いたらもうこっちに向かせきれんからアドリブドリブルで頼むぅぅう!?」
「glraaaaaaaAAaAAAAaaAA!!!!!!!!!」
「おま、ちょ、バッカじゃねぇの!?」
【生存本能が発動、生き残る術が全て発動します】
「は、発動ささるのがおっせぇんだっつーの!?」
「gluaaaaaAaaaAAAAAaaAAAAaaAAaAAAAA!!!!!!!」
「まっずぅい!?」
【逃走を発動、30秒間移動速度、回避性能が上昇します】
「避けろ避けろ避けろ...........!!」
攻撃が当たったら、3回食らわないと死なないとはいえ、衝撃とダメージによる影響は計り知れない。
攻撃を避けるに徹し、ルクスとニトが変異種を弱らせるのを願うほかない。
――残り15秒
ルクスとニトによる攻撃は少なからず変異種を弱らせていた。恐らく延焼と毒による蓄積ダメージもあるだろう。しかし倒れる気配はない。
どれだけ攻撃すればくたばるのか。 こっちのSPが持つのか。歯痒い。じれったい。だが甘えることもできない。
残り15秒の段階でこの場にいる全員、決め切るつもりで覚悟を決めた。
「おらそこのくそ変異種!!俺に攻撃当ててみなよそんなもんか!?」
『”影縫三連”、”影針突壊五撃”』
「キュー!!」
「gluuaAAAaAaaaaAA!?」
まるで最初から決めていたような動きを見せたバツたち。その連携された攻撃が変異種に襲い掛かる。
不意を突かれた変異種はたじろぎ、虫の息に。
「ッ!!ナイスだ!畳みかけろ!!」
――残り7秒
「キュー!!」
『はやくしね』
「gluUUuuaaaaaaAAAaaA!!」
攻撃が交差し、しのぎを削る。
――残り4秒
「”グラビティ”!!いまだ!やれ!」
――――ズゥゥゥン............!!
「ッ!?グルゥ.........」
「キュッ...........!!」
『”影縫二連”、ルクス、いって』
「キュァッ!!」
――ザンッ!!ボォォォォ.........
――ザンッ!!ジュゥゥゥ.........
「...............グルァ.....」
――ズゥゥウン..........
ルクスとニトの体から淡い光が消え、バフが切れたことが分かった。
同時に変異種の体が地面へ沈む。
【アーマードベア変異種を討伐しました】
【経験値を2,950獲得しました】
【..............error】
【想定していた事象にエラーが発生しました】
【ログを記憶領域に保管、エラー修復後に再度通知いたします】
「は??」
ピンポンパンポーン
《 全プレイヤーにお知らせいたします 》
《 Farming Free Fieldにおいて重大なエラーが発生しましたので、これより緊急メンテナンスを実施いたします 》
《 このあと強制ログアウト処理となりますが、現段階でのログを保管し、メンテナンス終了後に現在の一からログインできるようにいたしますのであらかじめご理解のほどよろしくお願いいたします 》
「いやいやいや、え?」
【ログアウトします】
「え、ちょまt...........」
――変異種とは、現世に対する思いが魂に濃く残された状態で天命を全うし、その思いの矛先が現世にとどまっているとき初めて発生する条件を満たす事象である。
ギルドの資料でニトはバツの影の中からこの文章を読み取っていた。
しかし、バツには伝えない。なぜならそれは”面白くない”から。
ニトは影に変異種の死体を保存し、待機所へ帰っていった。
???< やっべ経験値テーブルとか諸々ベータ版から直ってないじゃん。
!!!< はぁ!?なんで治ってねぇんだよ直せって言ってただろ!?
▽▽▽< しゃべってないでやりなさい!今日中に終わらせるのよ!!
という感じがありました。
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