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第98話 地底に眠る懺悔と傀儡⑰

ヒャッハー!!!

「”堕ロチ流惺”!!重ね掛けからの引力10倍じゃゴラァ!!!」

「QQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQ」

「あ、ちょっとまて今は俺のターンだから.....................おぉぉぉぉぉぉおおお被弾ゼロチャレェェェェンジ!!!」

「グルルァ!!」



ルクスの背中に乗ったまま龍神へとオリジナル魔法を重ね掛け。その間も龍神は間髪入れずに攻撃を仕掛けてくる。両腕のぶん回し。ブレス。頭突き。突進。分身ファンネル。氷塊飛ばし。落雷。仕掛ける攻撃の凶暴性も頻度も段違いに増えてきた。


ルクスも俺を背に乗せながら回避に徹している。




「順番待ちが必要だって小学生のころ習わなかったのかこのくそ龍が!!!」

「QQQQQQQQQQQQQq」

「だか、らっ!!順番を守れってい、ってんだよ!?」

「QQQQQQQQQQQQQQQQ!!!!!!!!!!!!!!」

「だぁーっ!!くそっ!!『我、禁忌を犯し敵を穿つ修羅如き龍なり』ィィィ!!!」



もう一度俺は体に刻まれた紋様を呼び起こすために呪言を説いた。

紋様は再び青黒く鈍く光り、その輝きを体全身に巡らせ、溢れんばかりの全能感を生み出していく。



「ふぅ.......................ルクス。ちょいとランスロットを探してくれ。」

「グルァ??」

「そろそろあいつの目を覚まさせてやろうと思ってな。回避しながらだが、お願いできるか??」

「.................グルァ!!」



俺はルクスに行動のすべてをいったん任せ、再度どでかい一撃を食らわせるべく、一度意識を深く底に落とした。





みなさま、いつも会いに来てくれてありがとうございます。

バツ様に仕える影を統べる大狼、ハデスフェンリルのランスロットでございます。


前にシャドウフェンリルと紹介したことがあった気もしましたが、バツ様と契約した影響か、影の力も操れるようになりまして、そのタイミングで種族なども変わりました。


現在はルクス様の背中から降り、地上に落ちてくる龍神の分身体を始末しているところです。


この分身、捕獲してみようと画策したのですが、全く捕まえられませんでした。


おそらくはあの龍神の体の一部を切り離して生み出されている存在だから、なのでしょう。

全く、面白みのない能力です。どうせ生み出すのなら生み出される分身体の全てに固有の意思を持たせて独立した存在にすればいいのに。


え?残酷ですって?私は影を統べるのですよ?残酷など、もはや通常運転でございます。事実、そうすれば今以上に阿鼻叫喚が生み出せますし、そこから生まれる影は格別ですから♪


「おや、この気配は................ふむ、バツ様はもう一度高火力を出すつもりでしょうか??」


さて、バツ様の意識が深く落ちていくのを感知した私は、今地上にあふれるこの分身を一気に片づけることにしましょうか。


んー、分身体を集めやすいのは..............あ、あそこがいいですね。

龍神もあの空間に落ちてくるようですし、ちょうどいい。



「よっと、失礼しますね??」

「は??え、あ、ちょ、お前急になんだ!?」



「こほん。«では、この場にいる魂魄契約者の皆様。これより無差別に分身体を滅ぼす魔法をあと30秒後に使用いたします。死にたくなければ逃げてくださいね。はい、いーち...........にー..........»」



「おいおい急にカウントダウン始まったぞ!?」

「でも、デスペナルティないからいいんじゃね??」

「それもそうか。気にせず分身体倒すぞ!!」



あら、忠告を聞かずに皆様逃げませんね。

んー、まぁ忠告を聞かなかった方が悪いですものね。一人を除いて逃げるそぶりすら見せませんし。むしろ今この場を離れている方、気になりますね。


ま、それは後にしましょう。今は龍神を捕獲する環境を準備するのに専念ですっ。



「にじゅうはーち..............にじゅうきゅー...............さーんじゅっ。では、始めます。」





ランスロットが静かに息を吸い込むと、足元からインクを落としたかのように濃密な闇が広がり始めた。吐き出す息は瞬時に青白く凍りつき、周囲の温度が一気に氷点下へと落ち、白銀の世界を形作る。


〖悠久の微睡みを破る冥界の門、我が身に眠るは太古の氷闇より溢れ出ずる影の侵食、天地を閉ざし、万象を静寂へと沈める漆黒の凍気〗



――――ズ................ズズ.................キィィィィィィ.........................



詠唱の初節。

世界のあらゆる音が消え去り、絶対零度の静寂が場を支配する。足元を覆う漆黒の影は、触れた石畳や青々と茂る草木などに目も向けず、地表を覆い尽くしていった。



〖森羅万象を分かつ厳格なる境界、捉えるは地表に蠢く無数の偽龍、因果を縛る断罪の刻印、幾千の神核を貫き、神威を喰らい尽くし塵へと凍殺する冥府の顎門(アギト)



――――スゥッ.............ピキキ...........ピキ.....................



詠唱の中節。

地表を覆い尽くした影の網が、数百体を数える龍神の分身体の足元だけを正確に捉え、影の鎖となって絡みつく。未だ逃げようとする分身体の足元がじわりじわりと黒氷に覆われていき、身動きを完全に封じ込める。その瞬間、地表を覆い尽くしていた影が一転、天を衝く巨大な狼の顎門(アギト)の群れとなって実体化した。その額にはバツの体に描かれている紋様に似た魔法陣も刻まれていた。



〖逃げ場なき零度の闇よ、全てを無に帰す黄泉の顎よ、神威を騙る幾千の魂魄諸共黒氷の牢獄へと封じ、一粒の塵まで噛み砕き葬るがいい!!〝 神狼冥氷獄・影華葬絶 〟!!〗



――――ゴォォ.................!!


――――ガギィィィィィィン!!..................サラサラ...................



無数の黒氷の顎が一斉に閉じ合わさり、龍神の分身体を無慈悲に噛み砕く。周囲の景色は青葉一枚散らぬまま砕け散った偽神の肉体だけが黒い氷の結晶となり、狼の遠吠えとともに夜空へ溶けるように霧散していった。


その幻想的な景色を目の当たりにした周囲のプレイヤーは、その現実離れな光景に理解できず、唖然とした。



「あの分身体が一瞬で............」

「あんなプレイヤーいたっけ??」

「まずそもそも、プレイヤーなのか??」

「あれが契約獣だって!?バカ言うんじゃねぇよ!?」




「.............ふぅ。久しぶりに5割ほどの力を開放しましたが、まだまだ現役ですね。環境破壊等もなく、分身体のみ完全消滅を確認。さぁ、早く墜りて来てくださいバツ様。龍神を手に入れますよ。」


しかしながら、周りの契約者の方々はいちいちうるさいですね。

本当に消してしまいましょうか?





「うわぁ、めっちゃハッチャけたじゃんランスロットの野郎。もう間もなく龍神が墜ちるってのにお膳立てしてくれちゃってほんと...........」



ランスロットの先ほど使った魔法は未だ上空にいた俺ですら認識できるほどの魔法だった。

地底都市中心街が真っ暗になったと思ったら急に白銀の世界が広がり、そう思った途端暗闇が狼の顎が生えてきたときは絶対にランスロットを怒らせてはいけないと本能的に感じた。


「さて..............この龍神サマ、引力に耐えてるんだけどバケモンかよ。引力10倍って相当なはずだぞ。」

「グルルゥ??」

「あぁ、何でもねぇよ。さて、と。ランスロットに煽てられたからな。俺もランスロットが満足する火力を出すとしようか。ルクス、今回は俺一人で龍化してみる。龍系譜の先輩として助けてくれるか??」

「グルゥ??.................グル、グルルァ!!!」

「ははっ!!頼もしいなぁお前はー、このこのっ!」



龍神と討伐するためじゃなく、捕獲するために龍化をする。

それをぶっつけ本番一発勝負でやる俺は相当イカれてるだろう。


「だが、イカれてきてからが勝負だろ!!いくぜ、”龍化”!!」



――――貴様ハ龍ノ祖先ノ力ヲ受ケ入レルカ?



どこからともなく聞こえた声に対して反射で俺は頷いた。


その瞬間、体が作り変えられる音がした。



――――ゴキュ..............バキバキ...................



不思議と痛みはない。恐怖も感じない。

だが確実に自分という存在が作り変えられる感覚がした。


その時間およそ10秒ほど。体からの異音がなくなると脳内にさっき聞こえた声がした。



――――コレデ貴様ニ眠ル龍ノ祖先ノ力ハ解放サレタ



その声に反応して俺は目を開けた。


いつのまにか龍神は自分のはるか下まで墜ち、俺は空中に浮いていた。



『眩シイナ、コンナニ明ルカッタカ??』

『あ、主人おかえりー。大丈夫??すごい音鳴ってたけど!!』

『ン?アァ、大丈夫ダ。』

『よかったぁー。でもうれしいな。主人、龍になったからようやく直接話せる!!』

『エ?アァ、ア、ソウイウコト!?』




話す言葉も龍語になるのかこれ!?



キャー!!ランスロット様すてきぃー!!!って声が増えたそうな。

そりゃモテモテやろこんなどでかい魔法が使えるめっちゃイケてる美女だもん。


で、バツさん。龍になったら日本語を失った件について。

まぁ当たり前ですよね。龍ですもん。声帯から異なるわけで、普段は契約関係で且つ同じ系譜だから会話ができていたもの。


ま、普段の会話の風景が可視化されるって考えれば特別感も出るというもの。

ルクスのかわいい話し方で癒されてください。


というわけで、今回もお読みくださりありがとうございます!!

高評価、感想・意見等よろしくおねがいいたしますヾ(•ω•`)o

こちら、いただけますと小説書くモチベーションにもなりますし、何よりなんぼあってもいいですからねぇ!!

ブックマークも待ってますよ!!ぽちっと、ぽちっとお願いします!!




━━━━━━━━━━━━━━

【ステータス】


名称:ランスロット

種族:ハデスフェンリル

レベル:---(完全体)

空腹度:---


契約適合率:error

信頼度:――


装備品

武器:グレイプニル

アクセサリー

・現身の鏡

・一蓮托生の指輪(左片)


MP:31314

SP:26390


STR:7729〔4994〕

VIT:4183〔45+1403〕

INT:4072〔10+1362〕

MND:6366〔675+2796〕

AGI:9012〔90+5837〕

DEX:3658〔30+675+1878〕

LUK:4423〔1858〕

※一心同体(∞)効果により、バツと同じステータス


スキル

{攻撃スキル}

氷雪、轟雷、灼火、濁海

{支援スキル}

闘争の権化

{補助スキル}

相互召喚、死ナバ諸共、多重詠唱

{魔法スキル}

冥闇魔法 Lv∞

{系統外スキル}

一心同体(∞)、スロースターター

{耐性スキル}

完全無効

{種族スキル}

影月狼化


━━━━━━━━━━━━━━


なぜランスロットにはHPがないのか、それはいつか判明します。


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