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第96話 地底に眠る懺悔と傀儡⑮

今回は同じ時間のダンジョン街の模様です!!

~~~同刻、ダンジョン街~~~


街の中心に突如出現したその巨像は、未だ微動だにせず、時を待つかのように石像のまま動かずにいた。


「さっきの声はこいつからのだよな??」

「んー、ぼくはそう思うけど、どう思う??」

「僕も同意見だね。おそらくはこの石像に込められている念が外側に思念として飛んできたんだろう。」

「あら、この子すっごく頭いいわね。私のところに来ない??」

「おいババァ。おめぇ自分の弟子育て切ってねぇ状態でほかの弟子でも取るんけ??」

「誰がババァよこのへんちくりん老いぼれジジィ。」

『今喧嘩すんじゃねぇですぜご老公方。今はこの動かねぇ石像をどうするか考えやしょうや。』


その石像をよく見れば、三対六枚の翅を生やし、両目は包帯で覆われ、その額には蛇眼がある天使。果たして天使なのか?背中に生えた翅は天使のそれではなく、妖精や甲虫などの背にある“翅”だ。


両手には武器。右手には小剣、左手には鞘に入った刀のようなもの。


「聖書では天使は神からのお告げ役、裁きの執行役、導きを授けるものなんて言われるけど、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教それぞれの大天使については色々記述が異なるはず。」

「ぼくはキリスト教だったけど、新約聖書で見れば、天使が下りてくるときって終末だったり、時代の崩壊を迎える瞬間だって見方があるんだ。黙示録とかは明らかだよね。」

「黙示録??なんだよ弟子。よくわかんねぇこと話してると思ったが、黙示録なら知ってるぞ。」

「知ってるのししょー!!」


なんでも、この世界にも黙示録なる存在があるとのこと。

詳しく聞けば、この世界における黙示録は神代の時代に起きた終末を告げる戦争。即ち、ワールドクエスト『終末契約の鎮魂曲(レクイエムオブテロス)』につながる話になっているらしい。


神を今のこのクエストで討伐する必要があるのも、このワールドクエストの関連、そしてこの世界の黙示録が深く関わっているのだろう。



――――なぁ、あの像に近づいてみようよ!!あれ配信に載せたら一躍有名人じゃない??

――――そうだな、どうせ動かねぇだろ。行ってみようぜ!!



「................ん??何か嫌な予感がする。」

『宿主。一旦ここを離れたほうがいいぜ。何かやばいことが起きそうだ。』

「ブレイン、それほんと??全然感じないんだけど。」

「カルナ、本当なんだな??」

「うん、信じていいよ。僕こういうのよく当たるから。」

「..............なら、一旦この場を離れるぞ。」

「ほんとかい??」

「急げ、カルナの勘はよく当たる。」

「.................ま、しょうがないか。行こう。あっちに確か物影があったはず。この場所も一望できるからちょうどいいと思う。」

「なら、移動しましょ。」



カルナたちはその勘を信じ、急ぎその場を後にした。




――――愚カナル存在ニハ救済ヲ





「ホムラ様、大丈夫ですか??ついてこれていますか?」

「クルルゥ。」


皆様ごきげんよう。私たち、ランスロット・ホムラペアは、ダンジョン街を一望できる高台に来ています。


ダンジョン街の中心では、天使らしき石像が突如現れ、みなその周りで気を緩めてらっしゃいます。


かわいそうに、そろそろあの場所は地獄になりますのに。



まぁ、そんな他のプレイヤー様のことはいいのです。

それよりもバツ様のお仲間たちでございます。


なかなか動かれませんので、少々強めの殺気を飛ばさせていただきましたらすぐ移動なさってくれました。よかったよかった♪


ですが、カルナ様はバツ様と同じクランでしたよね??

.......................鍛えがいがありますわっ、今から楽しみでございます。



さて、此度の討伐対象三体のうち、ここにいらっしゃる予定のモンスターは、意思なき神兵『不滅ナル堕天』。おそらくあの石像でしょうが、現状まだ様子をうかがっているのでしょうか??


あまりにじれったい感じでしたら一発派手なのでも当ててしまいましょうか??


っと、いけないいけない。バツ様からは派手にやりすぎるなと言われていますのに...............

ランスロット、少し楽しくなってしまいましたっ。


でも、なんでしょうかあの石像。私に対する敵意がすごく感じられます。

過去に相対したことがあるのでしょうか??思い出せませんからそこまで強い相手でもなかったのでしょう。


でもまぁ、あの石像状態のモンスターは外的要因で少々強化されている部分もありそうです。油断なりませんね。



「ふむ。ホムラ様をあの石像と戦わせたらどうアプローチができますでしょうねぇ..............」

「クルルゥ!?」

「あら。ふふっ、失礼いたしました。声に出てしまいましたね。」


ホムラ様をやりもしないことで怖がらせてしまいました。反省ですね。


でも、あの石像は捕獲したいところ。不滅を謳うならば相応の覚悟とプライドを持ってほしいところですね。最悪は私が出張って捕獲までしてしまいましょうか。それまでは傍観でございます。



「あ!!ランスロットだー!!」


おや?カルナ様がこちらに気づかれたようですね。

では、お仲間方とあの石像の捕獲方法について打ち合わせをしましょうか。





「ランスロットはここにいたのかー。全然いないから探してたんだよ??」

「カルナ様、申し訳ございません。ホムラ様と先に高台へきておりました。戦場となる前にこのきれいな景色を見ておきたくて。」

「確かに綺麗ね。夜景なんかもっとじゃないかしら?」

「わしぁ前に来たことあるが、ここまで壮観じゃあなかったわい。前来た時は復興もままならない時だったから、もっと閑散としとった。」

「そんな時代もあったんですね。知らなかった。ブレインは知ってた??」

『俺もそこまでは。何分宿主と契約してからある程度の記憶が戻ってきてるからなぁ。』

「そっか。なら思い出したら教えて(ドォォォン..............ガラガラッ...............ガラッ.............)何の音??」



突如響き渡る爆発音と衝撃。

高台からさっきまでいた広場に視線をやると、石像が音を立て砕け散り、その中から体の7割を漆黒に染めた天使のような存在が姿を現した。



――――我、愚カナル存在二終末ヲ告ゲル執行者也


――――シャンッ.................ドパァァァァン!!



脳に響きわたる声と無造作に降られた天使の右手。


そのひと振りで広場にいたプレイヤーの7割が死を迎えた。



「は??」

「今の攻撃強すぎ!!」

「................今のって、まさか。」

「あぁ、あの技だろう。なんでモンスター風情が使えやがる...............!!」

「ししょー。あの技知ってるの!?」


「あぁ、それもいやという程な。今はそんなことどうでもいい。あの技はわかっていても回避なんてできやしねぇ。耐えられるか否か、それだけの技だ。耐えたら勝ち、耐えられなかったら負け。そういうのだ。」


「ふーん。ずいぶんと理不尽技なんだね。」

「ふむ、なるほど。であればもしかすると................」

「ランスロットー。何考えてるの??」

「あぁ、今の技ですが、発動条件などがありそうでしたのでそれを考えておりました。死した7割ほどのプレイヤーの共通点を出せればある程度はわかるのですが..........」

『共通点はあの石像に触れたか否か。だ。さっき死んでったやつらは皆あの石像に指先でも触れている。まぁ服がこすれるとかはわからねぇが。』

「ほう。そこまでわかるとは、相当いい目と耳をお持ちのようで............」

『よせやい。あんたほどの超越者は見たことねぇ。そんな格上から褒められたところで純粋に喜べやしねぇでさぁ。』



ランスロットはブレインの慧眼に純粋な気持ちで感服した。

ブレインは悪魔系契約獣。それも契約主寄生型のためそこまで高度な知能はないという認識でいたランスロットにとっては格好の獲物、研究対象である。



「ふむ、純粋な気持ちですが。まぁいいでしょう、今度改めてじっくり.............ねぇ??」

『..............そん時が来たら、な。』

「かしこまりました、言質、取りましたので。」



そんなやり取りをしているさなか、ふと天使が高台にいるカルナたちを凝視していた。



「こっち見てるけど、もしかしてこっち気づかれてるかな??」

「え??あー!ほんとだー!おーい!!」

「ばっ!?何呼んでんだバカ助!!」


――――ソコカ


――――バサッ!!


「わー!こっち来てるよー!!」

「てめぇ............おいアラミア!!落とすぞあの羽虫!!」

「えぇ、あれに近づかれるのはまずいわね。おいで!!フェル!!」

「来い、オロチ!!」


アラミアとツルギノミヤがそう呼ぶと、鳳凰と妖刀がそれぞれの前に姿を現した。


『主人よ、此度はいかがなされた?』

「フェル、こっちに向かってるあの翅の生えた巨人いるでしょ?あれを地に落としたいの。協力してくれる?」

『心得た。翅を狙ってみようか。』


『久しぶりに呼び出したと思ったらあんた随分とおじいちゃんになったわね!!』

「あれから数百年ぶりだからな。まぁそんな話はあとだ。今は力を貸せ。」

『えぇー、久しぶりに呼んどいてその態度??やんなっちゃうなぁ。』

「..............埋め合わせはする、だから助けてくれないか??」

『ふっふーん!!しょうがないわねぇ♡ミヤちゃんの一番刀であるこのオロチ様が人肌脱いじゃうんだから!!』



「ししょーの契約獣かなぁ。すっごくかっこいい!!」

「まさかご老公の方々がこんな契約獣を従えていたなんて..........僕もまだまだだ。」

『宿主、俺らの師匠じゃねぇから超えるのは無理だと思うぜ?』









「..............ふふっ、なるほど。この方々が、ですか。ははっ、灯台下暗しとはこのことでしょうかねぇ。バツ様には感謝しませんと。っと、今の感覚は........??あぁ、バツ様がやられましたか。で、他の契約獣の方々もバツ様のところへ向かっていると。ホムラ様の召喚も解除されてしまいましたし、お説教も兼ねて私も向かいましょうか。」





さて、前のお話がマゾキャラの独壇場でしたので、一旦抑えめの内容でございます。


次以降では不規則に場面転換がされますので、今どの場所のどの場面なのか分かりやすくしながら作者自身もこんがらがんないように気を付けていきます!!


では、今回もお読みくださりありがとうございます!!

高評価、感想・意見等よろしくおねがいいたしますヾ(•ω•`)o

こちら、いただけますと小説書くモチベーションにもなりますし、何よりなんぼあってもいいですからねぇ!!

ブックマークも待ってますよ!!ぽちっと、ぽちっとお願いします!!

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