第94話 地底に眠る懺悔と傀儡⑬
神代モンスター vs 無限に生き返る契約者連中!!
デュ○ル開始ィィィィィ!!!
~~~地底都市中心街にて~~~
地底都市に現れた存在は、その体で富士山を覆いつくせるほどの巨体を誇る東洋の龍そのものだった。
「QQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQ」
全身を覆う瑠璃色の鱗。1本1本が絹のように細い髯。そして、その姿を象徴する琥珀色の双角。
そのすべてが東洋の龍であり、絶対的な超越主だと知らしめんごとく大地に穴をあけながらその空に鎮座している。
「まじかよ............」
「さすがにでけぇなぁ。ありゃどうやって倒せってんだ??」
「QQQQQQQQQQQQQQ」ポポポポポポポポポポポポポポ.............
――――ボトッ..............
――――ボトッ.........ボトボトッ..............
地底都市にいたプレイヤーたちは、認識し難い鳴き声とともにその龍から雫のようなものが地に降り注いでいるのが見えた。
「あれは、なんだ?」
「んー、雨?でもあいつの鱗から出てきてるよな。」
「おいあれって..............」
「ありゃあいつの分身体だな。」
「うぉっ!?」
「急に背後にいる!?」
「あ、すまんすまん。さっきの声聞こえてたか?」
どうも、主人公ことバツです。
いやぁ今回はね、フィールド広すぎるから手分けして戦うことにしたんだけど............
「俺配置ミスったかなぁ、あれ絶対俺の大先輩よ。それもはるか格上の。」
同系譜の格上に対しダメージを与えれるかは未知数。バツは自分の選択を恨んだが今更チェンジもできない。ひとまずはあの奇妙で不気味な分身体にダメージを出せるのかから確認する必要がありそうだ。
「ひとまず本体にでかいのぶちかまして様子見るからさ、ほかの人は分身と闘いながら自力回避してね。」
「あ、ちょ、おい待てって!!お前誰だよ!?」
「え?あー、さっきのアナウンスの正体さ。んじゃな。」タッタッタッ............
「アナウンスの正体って............まさか今回のクエストの元凶かよ!?」
「あいつなのか!?」
――――ザワザワ................ザワザワ..........................
いや雑魚敵倒してほしいんだけどなぁ。
♢
「まぁここまでくれば一旦は大丈夫か??」
空中に浮かぶ龍............狂う龍神『旧龍神ランペイジウロボロス』に肉薄するべく高台までやってきた俺は眼下に広がる地底都市内掃討戦を見ていた。
「あー。結構あの分身も強いな。でも4人くらいで契約獣をけしかければ全然やれるな。」
今回プレイヤーの命は軽い。デスペナルティがこのクエスト限定で無効化されているからだ。
しかし、戦う者の多くは死ぬ瞬間の痛みと浮遊感に恐れ、尻好みしている。
「気合い入れのためにもせめて1割は削らせてもらうぞ龍神!!」
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【対象:狂う龍神『旧龍神ランペイジウロボロス』】
種族:龍神
レベル:---
契約適正:極
危険度:地獄
状態:体力 909,000,900,000 / 909,000,900,000
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狂っても龍神。危険度とその体力の多さからはるか上の存在というのをひしひしと感じる。
しかし、それよりも目を引く項目が一つ。
「龍神って契約できるのかよ.............」
契約適正が極と出てたら契約を目指さないわけなどない俺だが、まずは駆けつけ一杯。入念に準備をした攻撃をくらわせようか。
「ふぅ................『我、禁忌を犯し敵を穿つ修羅如き龍なり』」
俺はまず、体に刻まれた紋様を呼び起こすために呪言を説いた。
紋様は青黒く鈍く光く。その輝きが体全身に溢れんばかりの全能感を生み出していく。
「で、だ。『我、深淵に在りし存在。割れは望む、深淵の頂を。我は誓う、深淵に魂を売らんと。我は深淵とともに在りし龍。理を外れし龍の主であり外なる神の化身の契約者。目の前に立ちふさがる敵を滅殺せんと立ち向かいし勇敢なるもの!』」
その全能感をはるか高みに上らせる昇華呪言を紡ぐ。
今や魔導の所有者となった俺はその魔導の名の通り、原初たる所以の力をこの呪言を紡ぐことで行使可能だ。
紡がれたその呪言は深淵そのものを力に変換し、自身の位階を一時的にではあるが限界まで引き上げる禁術。ミスったらお陀仏。そういう呪言。
紋様全開放状態でない限りは到底使うことのできないぶっつけ本番の技能。
「............下準備は完了。こっからは限界までバフもりもりのドーピング祭りだ。」
――――ヘイストクアトラプル
――――重力緩和
――――ジャイアントストレングス
――――刀体一心
「さて、災禍。準備はいいか?」
(あぁ。これほど興奮するのはこの体になって初めてだ、主よ。)
「ははっ、俺もだ!!」
(往くぞ主よ!!”神速居合”!!)
「ハァッ!!!」
災禍のスキル発動に合わせ、龍神に向かって飛び掛かる。
「さぁ待たせたな狂龍神様!!開幕一太刀、お付き合い願うぜ!!」
「QQQQQQQQQQQQQ」
「”居合ノ斬殺”、”天降霹靂”ィィィイ!!!」
「QQQQQQQQ.............QQQ!?」
龍神が俺を落とさんと振り抜いたその右腕が俺の体をとらえる前、刹那の一瞬を搔い潜り龍神の体に肉薄。光も追いつかぬ速さに達した俺の一太刀は確かに龍神の体を切り裂いた。
――――ザパンッ!!!
「ハッハー!!やったったぜこんちくしょう!!!」
(主よ、落下してるぞ!!)
「カミカゼ特攻隊バンザーイ!!」
――――グルルァ!!!
ガバッ!!
「お?ルクスじゃねぇか!!いやぁ助かった。ワンデスは覚悟してたからおかげでノーデス続行だ!!」
「グルルゥ。グルル、グルァ!!」
「あ?あのラリ龍の野郎の言葉がわかんのかよ。」
ルクス曰く、あの龍神は長年の封印と外的要因による呪いの吸収により狂暴化、理性が無に帰し、知性と本能のままに今の姿で顕現したそうな。なんかそんな雰囲気のことを話してるそうだ。
で、垂れ流されているあの鳴き声は全部恨み辛み。怨念の塊でしかない、と。
にしたってあの余裕感はむかついたがまぁいい。俺の全力は通用すると分かった。
ひとまずSPが残り13でMPも1割も残っていないから、一時休戦。休めるところを探し「グルルァ!!」
............んー、今の鳴き声はまずそう。
「ルクス!!旋回!!俺のことはいいから回避最優先!!」
「グルァ!!!」
「QQQQQQQQQQQQ!!!!!!!!!!!」
さっきの攻撃が効いたのか、怒り狂ったラリ龍神が撃墜せんと俺を狙って無差別に攻撃を仕掛けてくる。
「そんな無差別に攻撃したって当たらねぇよ!!」
「......................QQQQQQQQQQQQQ」
――――ヒュンッ
「やばっ!?右に避けろ!!」
「グルァ!!」
龍神からの攻撃の物量が増えてきた。
俺らになかなか当たらないからやけにでもなってるんだろう。
前腕による振り抜き。ブレス。体当たり。魔法。無差別攻撃。
俺とルクスに対してのヘイトが少々高すぎる気もするがまぁ許容か?
てか分身倒してるやつらもいるんだから少しはそっちも攻撃してくれよ。
「でもあの物量をかいくぐれてるから全然いいぞ!!その調子だ、ルクス!」ヒュンッ..........
「グルルァ!!」ヒュッドンッ!!
さて、回避はルクスに任せてダメージを出すとしようか。
俺はルクスの体の上で態勢を変え、龍神を視認できるように構える。
イメージは龍神を地に落とすイメージ。
あのデカい図体を覆うように磁場を形成するイメージ。
その真下に引力を纏わせた力場を形成していく。
「ルクス!!高度上昇!!あの龍神に被弾注意で接近してくれ!!」
「グルァ!」
ルクスがとてつもない加速で高度を上げていく。
「そのままの勢いで.............今!!あとで俺のことまた拾ってくれ!!」
「グルゥ!?」
俺はその勢いを殺さないままルクスの背から飛んだ。
今は紐なしバンジー状態、ぶっちゃけ格好の的。
だが、この状態こそが今発動する魔導の最大効力を発揮する。
「堕ちろ狂龍!!”堕ロチ流惺”!!」
「QQQQQQQQQQQ............QQQQQQQQQ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「ッしゃあ!!大当たりィ!!そのまま堕ちろや!!」
――――ズゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン...............
発動された魔導は寸分たがわず龍神へと襲い掛かり、徐々に空高くから地に降ろされていく。
それも図ったのか、建物が何もない、きれいな空き地に向かって。
「引力方向問題なし!!この魔導も採用するぜー。」
「グルァ!!」
「ナイスキャッチだルクス!!」
今のところノーミス。
少しの油断も許せない状況だが、雑魚敵、龍神の分身体も着実に減っていっている。
このままいけば安全に討伐できるだろう。
あとは俺がタイミングを見て理性を取り戻させて契約を吹っかけてみるか、と考えていた。
俺はこの時、攻撃をクリティカルさせた優越感で余裕をこいていた。いや、本当は理解していながらも甘く考えていたんだ。
この龍神は狂っても龍神だったんだ。
――――ヒュンッ!!
「ん?..............やばっ!?ルクス!!右に旋かkjsdg;v ;llkh」
「グルゥ!?」
――――ズドンッ!!!
怒り狂った龍神が放ったはるか上空からの尖撃は避ける間もなく俺の体を突き破り、為すすべもなく死を迎えた。
油断大敵。余裕ぶっこいてるからこうなります。
さて、主人公は模擬戦闘を除いて初デスです。その理由が余裕と甘い考えってのがまた、自惚れという事実突きつけです。
で、この油断大敵という言葉。元は大般涅槃経にある、その時代のインドの王が家来に対して並々に油の入った鉢を持ち、一滴もこぼさずに繁華街を歩いて来い、そしてこぼしたら命を絶つと命令を出し、その家来は細心の注意を払って歩き切ったという逸話が由来とされています。
まぁ、油こぼしたらお亡くなりなんだから、そりゃめっちゃ気を付けますよね。その様が油を断つことこそが大きな敵である。即ち、『油断大敵』だと。そういうわけなんですね。
はい。小話でした。
あと、ステータス記載については、その話の中で中心になったキャラのステータスを出していこうと思うので今回はお休みです!!次話以降をお楽しみに!!
では、今回もお読みくださりありがとうございました!
高評価、感想・意見等よろしくおねがいいたしますヾ(•ω•`)o
こちら、いただけますと小説書くモチベーションにもなりますし、何よりなんぼあってもいいですからねぇ!!
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