第90話 地底に眠る懺悔と傀儡⑨
本話はクエスト発令後に地底都市へ集まる色んな方々の視点をお送りいたします!!
その間バツたちはランスロット相手にしこたまやられてます()
「で、わらわのところに来たということかの??」
「そうなんです、ミル婆。こちらでいくつも文献などを調べたんですけど全然出てこなくて.............」
「この都市で一番の長生きはばぁさんだからな。何か知ってることはねぇか??」
「ふむ...............この地に眠る憎き堕神であるか................わらわもそこまで知らぬからのぅ、どうしたものか。」
「地精霊には聞けないのー?」
「............精霊様は今眠りについておられるのじゃよ。今日で10日になるかのう。」
「じゃあ、今聞けねぇってことか?」
「そういうことじゃ。じゃがまぁ、精霊がこうして眠りにつくということは、精霊はまず此度の堕神に対しては何もできんのじゃろ。逆を言えば、精霊とは真逆の存在は全てが特攻となるのじゃろうな。まぁこれも可能性の域を出んがの。」
となれば、あまり情報は集めれそうにないわね............
「こればっかりは仕方ないわね。バツには事情話してそのまま伝えるわ。」
「そうだな。唯一の情報源が寝てるならもう集めるのは無理だ。」
「だねー。カスミから伝えるでいいよね??」
「えぇ、それでいいわ。ひとまずは地下シェルターの造成と説得を進めないことには進まなそうね。」
その説得が一番大変なんだけれど。
「ほら、用事も済んだし行くわよ。」
「あーい。俺は一旦シェルター用の材料でも調達してくるかね。」
「ミクは説得がんばらなきゃ..........!!」
「ミクよ、次はちゃんと説明できるのか??」
「できるもん!!」
「こらこらシグル。あまりちゃかしちゃダメよ。ミクだって立派にギルドマスターやってるんだから。」
「.................こいつの場合はギルドに所属してるやつらのおかげではあるがな?」
「そんなことないもん!!」
全く................何やってるんだか。
「それじゃあミル婆。お邪魔しました。」
「またねー!!」
「また来る。」
「息災でな!!がっはっは!!」
――――バタンッ!!
「..............なんとも騒がしかったのぅ。そうじゃろ?赤いの。」
「.....................................」
「まただんまりか。それ以上だんまりじゃと口を縫ってしまうぞ。いらぬのじゃろ?」
「.....................あれを倒すというのか?」
「やっとしゃべりおったわい。そうじゃ、あやつらは過去の残骸を駆除するそうじゃ。」
「.....................あれを起こせば世界が終わるぞ。」
「勝手に起きてくるそうじゃよ。なんでも、魂魄契約者なる存在の間でクエストが発令されたそうじゃ。それも討伐か捕獲。なんともまぁ、あやつらの考えることは理解ができん。」
「....................................しばし眠る。あいつが起きたら俺も起こせ。」
「なんともわがままじゃな。」
「.........................」
「はぁ...........返事を聞いてから眠りにつくのが礼儀じゃのに。」
♢
「................出ないわね。どうしたのかしら?」
「カスミ!!」
「エルじゃない!!どうしたのよそんなに走って。」
「久しぶりにカスミの姿が見えたからテンション上がっちゃって.........てへ。」
「もう、何かあったんじゃないかってびっくりしたじゃない!!」ぽかっ
「あはは、ごめんなさぁい。」
「いい歳して語尾を伸ばさないの。」
「.............年齢だけはカスミに言われたくないわよ。」
「ちょっと、どういうことよ!?」
「おいエル!!急にどうした、んだ............おぉ!?カスミじゃねぇか!?」
「久しぶりね、ゴルダラ。元気してた?」
「おぉ、ここ最近顔見ねぇなと思ったら急に顔見せやがって。今日はどうした?」
「実はね..............」
~~かくかくしかじかまるまるうまうま~~
「って状況なのよ。」
「なるほどな...........」
「バツには連絡がついたのか?」
「それが全然。気づいてすらいないわ。ったく、大事な話だってのにどこで何してるのやら。」
「よくわかんねぇ場所で鍛錬でもしてるんじゃねぇか??」
「あの子ならやりそうね。色んなネットワークでもあいつは戦に憑りつかれた狂人だーって噂になってるもの。」
「そんなネットワークがあるの??不思議なものね。」
「まぁ私の契約獣関連だわ。あまりあの子も教えてくれないから困っちゃうのよね。」
「とりあえずバツには何回か連絡飛ばしてれば向こうから来るだろ。その時にまた伝えればいい。」
「そうね、そうするわ。」
「ねぇねぇカスミ。今日この後暇よね??ちょっと一緒にご飯食べましょうよ!!」
「ちょっと、今大事な時なのに何言ってるのよ!!」
「いいじゃねぇか。それにダンジョン街のやつらも地底都市の住民呼んで戦前の宴だって躍起になってんだ。頼む。」
「.............なら、少しだけよ?」
「やった!!じゃあ急ぎましょ!!」
「あぁちょ、ちょっと!?」
――――――――――――――――――――
どこか聞き覚えのある声の集団は..................
「やっっっっっっっっとついたっス!!!地底都市!!!」
「意外と早く着いたわね。」
「ブルゲイドからはかなり遠かったですからねぇ。社長の契約獣が移動特化じゃなかったらもっと時間かかってましたもん。」
「まぁうちの子は誰にも負けないから。ね、ニル。」
「Brrrrrrrrrrrrr!!」
「あはっ、こらこら。後でおやつあげるから待ってて。」
「でも、こんな頻度で大きなクエストが起こるなんてね。一体だれが引っ張ってきてるのやら。」
「意外とせんぱいだったりして!!あの人狙ってないのに色々引き当てるからあながち間違ってないかもっスよ!!」
「まぁあの子確かに運はよかったからねぇ。昔からよく抽選会とか一等当ててたし。」
「そうなんですか?」
「そうそう。あの子ったら一等じゃなかったときギャン泣きしてたからおかしくておかしくて...........笑」
「へぇー。あいつにもそんな時代があったなんてね。」
「そーいえば!!部長はせんぱいと同期っスよね!」
「まぁね。あいつとはよく営業成績勝負してたわ。まぁ141戦130勝で私の圧勝だったけど。」
「確かに部長、営業成績ずば抜けてましたからねぇ。でも辰馬課長もかなりすごかったって聞きますけど。」
「ほらほら。ここはゲームの中なんだから、仕事の話はNGだぞー。社長権限発動されたくなかったらやめるのだ!」
「ハッ!!そうっスよ!ここはゲームっス!まずは来るクエストに向けて強くなるっスよー!!おー!!」
「あ、ちょ、こら!!待ちなさいって!!」
「あ、待ってくださーい!!」
――――ダダダッ..........
「楽しんでるのは何よりだねぇ。辰馬くんに会うまでにぼくも強くならなきゃだねぇ。」
――――――――――――――――――――
バツたちのクラン拠点に残った者たちは................
「さて、バツたちがダンジョンで力試ししてるってことだ。俺はあいつらのお眼鏡にかなう飯でも作っとかなきゃな。」
「ザン。お前はまた前のように戦う日々に戻りたいと思わないのか?」
「.............俺はいいよ。あの一件以来契約獣を迎え入れるのが怖ぇんだ。それにこの傷もある。もう戻るこたぁねぇさ。」
「その身に宿すものにはどう落とし前をつける。まさか見て見ぬふりではないだろ。」
「当たり前だ。こいつのこともそうだが、まずはバツたちのことだ。俺らを迎えてくれた大事な大事なマスター様を支えなきゃなってな。お前だってそうだろ?ゴル。」
「あぁ、それはそうだ。あれほどの素材を好き勝手使っていことなどそうそうないからな。ゴッズォと共にあやつらの装備の製作も佳境だ。度肝抜かせてやる。」
「お前がそこまで本気で作るとはな。あいつの突拍子もねぇ行動に負けじとか??」
「お前もだろう。まさか料理にあのような効果をもたらすなど聞いたこともないぞ.........」
「そりゃお前にだって言えるだろ??なんじゃあの装備。普通あれを持つってったらどこぞの英雄くらいだぞ。」
「「.................ぷっ、ハハハッ!!」」
「いやぁー笑った笑った!!あいつへの思いはお互い様じゃねぇか!!」
「...........お前にだけは言われたくなかったがな。」
「んじゃま、あいつが五体満足で戻ってくるまでに俺らもちゃっちゃと終わらせようぜ。」
「あぁ、そうだな。」
♢
〈 では、この階層はいかがしましょう? 〉
「うむ??この階層はもともとダンジョンの折り返し地点として補給拠点を置いていたのだ。このまま残すほうがいいのではないか??」
〈 通常であればそうでしょうが、今回は話が別でございます 〉
〈 地下のはるか下深くから襲来する神、それも封印されている存在は二柱だとのこと 〉
〈 であればなおさら、補給拠点などではなく体神で準備しておいたほうがいいのではないか、と思いまして 〉
「ふむ.........この場合ならば封印されておるやつらはどこから起きてくるのだ?」
〈 地下深くであれば地の底から..............あぁ、なるほど 〉
「そうなのだ。どのみちあやつらが起きてくる場所は地底都市のはるか底。であるならばダンジョンは逃げ込んできた者らの休まる場所を作ったほうがいいのではないかと思うのである!!」
〈 おっしゃる通りです、もう少し練り直しましょう 〉
「うむ!!」
――――――――――――――――――――
かつてゴブリン襲撃をともに乗り切った者たちは...............
「ねぇグレイトル。今回発令された大規模クエスト。絶対にバツよね。」
「あぁ。十中八九そうだろうな。」
「僕もそう思うなぁ。」
『俺もそう思うぜ。悪魔の間でもあいつの存在はかなり有名だ。』
「え、悪魔ネットワークあるの!?」
『えぇ。契約獣限定ではありやすが、悪魔系の種族同士で交流は進んでいる。あの契約者、かなりぶっ飛んでるらしい。』
まぁぶっ飛んでる具合はあえて言わないでおきますがね。
「ぶっ飛んでいるとは、言い得て妙だな!!」
「あのいけ好かない男がねぇ.............」
『姐さん、なんだい気になるんか??』
「ち、違うわよ!?ただ、あの腐れ外道が私以外に負けるのがムカつくだけよ!!」
「(それはもう気になるって言ってるようなもんだよ、アリー。)」
「何か言った!?」
「いや、なーんでも?」
「くっ...........!!」
「戯れていないで行くぞ!!俺らもあいつに負けねぇくらい強くなんねぇとなぁ!!」
「わかってるわよ!!」
「あぁー待ってよー。」
あーあーありゃいけねぇな。
『宿主..........もうちょい感情入れて話してくれや..........』
「ブルルゥ...........」
「ヒヒィィィン!!」
――――――――――――――――――――
クラン『Agr.八百万の獣』の一部メンバーも地底都市に向かいつつあった。
「バツさんったらひどくないですか!?ずっと連絡してるのに反応してくれないんですよ!?」
「そうだよ!!ぼくもあのアナウンス来てからずーっと連絡してるのに。アンナにはなくてもぼくにはしてくれてもよくないかな!?」
このいかりは直接会ったときにぶつけなきゃ!!
「ちょっと待ってくださいカルナ。それどういう意味ですか!?」
「あぁーほらほら喧嘩しなーいのっ!!仲良くしなきゃダメよ??」
「だぁー!!うるっせぇなおめぇら!?どーせ街についたら即拠点に戻るんだろ!?直接聞きゃあいいじゃねぇかよ!?」
「わかってないなぁししょーは!!遠くからでも連絡して問いただすことに意味があるんだよ!!」
「そうですそうです!!次会ったら魔法の実験台になってもらわなくちゃ............ふひ、ふひひ!!」
「ピィィィィィィ!!!」バシィン!!
「あいたぁ!?」
またピュリィに頭叩かれてる。
アンナの悪い癖、学園都市に行ってからひどくなってるなぁ。
「アンナちゃん。ちょっとその顔はレディとしてはいただけないわよ??せっかくのかわいいお顔が台無しになっちゃう。バツに笑われるわよ??」
「それはいやですぅぅぅ!!!」
「アンナは魔法ヲタク化してからどんどん顔がだらしなくなってるよねー。」
「ぐふぅ。」
「ははっ!!なにそのリアクション~。」
「い、急ぎますよ!!」
あ、逃げた。
大規模レイドクエスト『地底に眠る懺悔と傀儡』開始まであと180時間後...........
まぁどれがどの視点かは大体わかるでしょう!!
次はまたバツの視点です!!
では!!今回もお読みくださりありがとうございます!!
高評価、感想・意見等よろしくおねがいいたしますヾ(•ω•`)o
こちら、いただけますと小説書くモチベーションにもなりますし、何よりなんぼあってもいいですからねぇ!!
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