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†43話†:風紀委員 中村一式の報告
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光も影もない空間。
音すら、遅れて届く。
その中心で、一式は膝をついていた。
「――報告しろ」
どこからともなく、声が降りる。
「……対象案件、秋津ノ国・不知火。
論理汚染は解消。……任務は完了、なう」
「――消滅処理が実行されていない理由を述べよ」
一拍。
空間の温度が、わずかに下がる。
「……再定義が成立したため、対象は“違反者”から“適合者”へ移行。……よって、消滅対象外と判断」
「――判断権限は付与されていない」
沈黙。
「……貴様に、裁量があったか」
ほんの一瞬。
一式の指先が、わずかに動く。
「……現場判断の範疇と認識している、なう」
「――逸脱だ」
即答。
「――同様事例における逸脱率、上昇を確認」
逃げ場のない断定。
「――次はない」
「……了解、なう」
一式はトレードマークのハット帽を目深に整える。
それからその場を後にした。
足音は、途中で途切れた。
「……面倒だな」




