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神様機構―悠久なる歯車―  作者: 太郎ぽん太
第 7 部 天界学園 編
336/340

†43話†:風紀委員 中村一式の報告


 光も影もない空間。


 音すら、遅れて届く。


 その中心で、一式は膝をついていた。


「――報告しろ」


 どこからともなく、声が降りる。


「……対象案件、秋津ノ国・不知火。

 論理汚染は解消。……任務は完了、なう」


「――消滅処理が実行されていない理由を述べよ」


 一拍。


 空間の温度が、わずかに下がる。


「……再定義が成立したため、対象は“違反者”から“適合者”へ移行。……よって、消滅対象外と判断」


「――判断権限は付与されていない」


 沈黙。


「……貴様に、裁量があったか」


 ほんの一瞬。


 一式の指先が、わずかに動く。


「……現場判断の範疇と認識している、なう」


「――逸脱だ」


 即答。


「――同様事例における逸脱率、上昇を確認」


 逃げ場のない断定。


「――次はない」


「……了解、なう」


 一式はトレードマークのハット帽を目深に整える。

 それからその場を後にした。


 足音は、途中で途切れた。


「……面倒だな」

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