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神様機構―悠久なる歯車―  作者: 太郎ぽん太
第 7 部 天界学園 編
330/337

†37話†:友情の対価は落下死





【第一圏域:ひなの自室】


「……なんで死んだのー?」


 画面の中で力尽きたキャラクターを眺め、ひなが心底不思議そうに首を傾げる。


「だから、敵に絡まれてる時に崖から飛び降りたら死ぬって教えたよね?」


 サダオミは手元のコントローラーを置き、深いため息をついた。


「いつもは絡まない敵だったー」

「敵の前で座るから……」

「さっきまで仲良しだと思ってたー」


 ひなは納得いかない様子で頬を膨らませる。

 ゲーム内のモンスター相手に「友情」を見出そうとして、結果として無慈悲なワンパンを食らったらしい。


「そうだね、平和だったよね。……ひな吉くんが座り込むまでは」

「なんで死んだのー」

「いつの時代も平和は儚いものなんだよ、きっと」


 サダオミが、遠い目で「それっぽいこと」を口にする。

 その言葉が終わるか終わらないか、その瞬間。


「――わかっているじゃないかサダオミ。働け」


 空間が裂け、いつものように不遜な気配を纏った透哩が姿を現す。


「……そろそろ来る頃だと思ってたよ、透哩」


 サダオミは驚きもせず、手慣れた動作でゲーム機の電源を落とした。

 日常ゲームの終わりは、いつも突然で、そして強制力に満ちている。


「……行くぞ、ひな。お仕事だ」

「え、ヤだよ。オミっち、いってら~」

「え、行かないの?」

「ふふん、この僕がいつも任務に出かけると思ったら大間違いさ」

「ぇー」


 二人のやりとりを眺めていた透哩の視線が冷える。


「今回、こいつはコイン獲得済みだ」

「ぇ、ずっる!」

「ふっふっふ、すごいと言いたまえよ」

「ぇー……と、いうことは?」

「お前だけだ。行け」


 透哩の指先が空間をなぞり、次の「不具合」へと続く門が開かれた。


「わかったわかった。わかりましたよ。ちゃんと仕事はしてやるよ」


 サダオミは軽く首を鳴らし、開かれた門の先――「終わらない朝」へと足を踏み出した。

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