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神様機構―悠久なる歯車―  作者: 太郎ぽん太
第 6 部 入学試験 編
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第六部 入学試験編 最終話:そしてその天使は笑う





 視界を埋め尽くす純白の光が弾け、重力から解き放たれる。

 第五の門を越えたサダオミの意識は、再び天界の、あの静謐な空間へと戻されていた。


「…………」


 ゆっくりと目を開ける。

 そこには、これまでサダオミの歩みを見守り続けてきた一人の天使――小波透哩が、以前と変わらぬ佇まいで待っていた。


「……透哩」


「……まずは合格、おめでとう」


 透哩の声は平坦だったが、その瞳にはどこか安堵のような色が混じっているように見えた。

 サダオミは全身の力を抜き、やれやれと首を振る。


「あ、これで試験終わりなんだ?」


「そうらしい」


「……はぁ。じゃ、これでようやく男に戻れるんだよね?」


 サダオミの切実な問い。

 天使になって以来、常に彼(彼女)を悩ませてきた「姿」の変容。

 その約束を果たす時が来たはずだった。


「…………どうだかな」


 透哩の、どこか含みのある言葉。


「え、ちょ、話が違うくない?」


 思わず食い気味に詰め寄るサダオミ。

 そんな彼の必死な様子に、透哩の唇がわずかに弧を描いた。


「…………」


 くすり、と。

 それは本当に、珍しいものを見るような、微かな笑いだった。

 

 呆気にとられるサダオミ。

 だが、その静寂を切り裂くように、透哩が衝撃の言葉を告げた。


「‥‥で?‥‥どうだった? ‥‥ 導入チュートリアルは」


「…………は?」


 サダオミの思考が止まる。

 あの師匠との邂逅も、祝祭カーニバルとの再戦も、すべてはただの、手引チュートリアルきに過ぎなかったというのか。


 呆然と立ち尽くすサダオミを置き去りにして、世界の輪郭が再び書き換えられていく。

 

 真の試練は、ここから始まる。



 ―第六部 完―

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