24/30
あの日
それからまた時が過ぎ、白川は医者から求められ、ある書類にサインをした。
そこまでサハイ達に話すと、シラカワは突然立ち上がって呟いた。
「そうだ……今日はあの日じゃないか」
「どうしたんですか?」
驚くサハイを横目に、シラカワはみるみる顔を青ざめさせる。
サハイの妹も心配そうにその様子を見つめていた。
そのとき、扉がきしむ音が激しく響き、部屋の中に鎧を着こんだ男たちが侵入してきた。
恐らく王国の兵士である彼らは、なにかの書面をこちらに向けて、権力を誇示するような調子で言った。
「サハイ、姫を惑わせた罪でお前をアーバルノへ連れていく。
お前らも罪人に手を貸した疑いで、アーバルノ行きだ」
「うるさい!こっちはそれどころじゃないんだよ!」
シラカワは兵士たちの間をすり抜けて外へ向かおうとした。
しかし、兵士がなにかの呪文を口にすると、シラカワの体はゆっくりと浮き上がり、その手は空をかいた。
そして、シラカワの頭に重たい木の棒が打ち付けられて、彼は世界が歪むのを感じる。
サハイの叫ぶ声を聞いたのを最後に、シラカワは意識を手放した。




