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男女逆転した乙女ゲーのヒロインポジに転生した俺は、尊みがすごい悪役令息?を全力で溺愛します!  作者: サンボン
第1章 悪役令息?の尊みがあふれ過ぎるので忠誠を誓おうと思います。
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第42話

ご覧いただき、ありがとうございます!


「ベル、ちょっといいか?」


 昼休みになり、俺は隣の席に座るベルに声を掛ける。


「ジル、どうした?」

「ああいや、ちょっと相談したいことがあってな。この後、一緒に食堂に行こうぜ」

「! も、もちろん、行くぞ! 行くとも!」


 や、ちょっと誘っただけなのに、何でそんなに鼻息が荒いの?

 ま、まあ……俺だってそこまで朴念仁、ってわけじゃねーし、その、なあ……。


「じゃあ早速……」


 そう言って席を立とうとすると。


「あ、アルザ様」


 教室の入口に、アルザ様が立っていた。

 それも……悲しそうな、今にも泣き出しそうな表情を浮かべて。


 そして。


「フン! 相変わらずみすぼらしい男だなキミは! ……まあ、所詮は田舎の男爵家程度だから、それも仕方ないけどね」


 そう言うと、アルザ様は俺の顔を見ながらせせら笑った。

 まるで、ゴミでも見るかのように。


「うわ……アルトレーザ様、今日はいつになく酷くないですか?」

「それにしても、あそこまで嫌われるジルベルトも可哀想だな」

「……公爵家だからって、ちょっと、ねえ……」


 周りからは、俺に対する同情と、アルザ様への非難の呟きが聞こえる。

 うう……アルザ様へのヘイトが集まり過ぎてる気が……。


「ふう……あまりそのようなことをおっしゃっていると、品位が落ちますよ? それこそ、殿下に婚約破棄をされてしまうほどに」


 ミラ公が眼鏡をクイ、と持ち上げ、アルザ様の前に立つ。

 ちなみに、ミラ公は決して俺のためにしてるわけじゃなくて、こんなアルザ様が殿下に相応しくないと考えているからだったりする。ま、いいんだけど。


「ハイハイ、キミとは話してないんだよ」


 アルザ様はミラ公に対し、顔を背けながら手で追い払うような仕草をする。

 で、それが気に入らないのがミラ公なわけで。


「っ! たとえ公爵家だろうと、その態度は!」

「フン」


 突っかかるミラ公を見ながら、アルザ様は鼻を鳴らして教室を出て行った。


 ただ……アルザ様が去り際に見せた、悲しみを湛えたあの瞳だけが、俺の心を締めつけていた。


 ◇


「そ、それで相談とは?」


 食堂の一番隅の席に俺とベルは座ると、彼女が身を乗り出しながら尋ねる。


「うん……実は俺、アルザ様をうちの実家に匿おうと考えている」

「っ! な、何だって!?」

「バ、バカ! 声が大きい!」

「むぐ!? す、すまん……」


 俺の話に驚いたベルが声を上げたため、食堂にいる他の生徒達が訝し気に俺達を見る。

 ほ、本当に気をつけてくれよ……。


「だ、だが、そんなことをしたら、最悪ジルの実家はバルセロス公爵様に潰されてしまうぞ」


 声を押さえながらも、ベルが俺を不安そうに見つめる。


「ああ、下手をすると、フレイレ家とバルセロス家の戦争、だろうな」

「そんなの、フレイレ家に万に一つも勝ち目はないじゃないか……」

「いや……正直、戦になったらうちが負けるなんてことはあり得ないが、王国がそんな貴族同士のいざこざにどんな裁定を下すか……ソッチのほうが問題ではあるんだけどな」

「は……!? むぐ……ジ、ジル、今何て言った……?」


 俺がそう告げると、またもや驚きの声を上げそうになったベルが慌てて口を手で塞いだ。


「言葉通りだよ。我がフレイレ家は、バルセロス家に戦で負けることはない」


 というのも、うちの実家は王国近辺の制海権を全部押さえて荒らしまわった海賊の家系で、見かねた当時の国王が、爵位と領土の安堵を条件に王国に従属したんだ。


 だから今でもうちのフレイレ家が王国の制海権を握っているし、仮にバルセロス家……いや、王国そのものと戦争になったとしても、海戦に持ち込めば絶対に負けなかったりする。


 まあ、王国もバルセロス家もそれは分かっている……はず。


「な、なんと……」


 俺の説明を聞いた驚きのあまり声を失っている。

 まあ、この事実はあまり知られてないからな。だってこんなの、ある意味王国の恥だし。


「だ、だが、ジルの実家はそれほど裕福ではないのに、どうやって兵士を養ったりするんだ……?」

「いい質問だ。まあ治める街の住民全員が海賊だからっていうのもあるんだけど」


 海賊というのは船員やその家族を含めて一家として扱うから、財産なんかもみんなで分け合っている。

 だから、俺の実家が頭領で、街を治める男爵家だからといって、財産は平等……ま、まあ、貴族的なこともしないといけないから、他のみんなよりは少し多めに利益分配されているが。


「……そんなわけで、そもそも兵士を雇ったりすることもないんだよ」

「…………………………」


 あ、ベルが固まっちまった。

 まあそうだよなー、絶対うちの家おかしいもん。


「だから、アルザ様を匿うならうちが一番だ。両親の許可も得たし、後はアルザ様を領地に連れて行くだけだ」

「……それで、肝心の私への相談、というのは?」


 無理やり話を飲み込んだベルが、居住まいを正して真剣な表情で尋ねる。


「ああ……俺と一緒に、アルザ様を領地へ連れて行くのを手伝って欲しい」

お読みいただき、ありがとうございました!


次回は明日の夜投稿予定です!


少しでも面白い! 続きが読みたい! と思っていただけたら、ブクマ、評価、感想をよろしくお願いします!

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【俺の理解者は、神待ちギャルのアイツだけ】
― 新着の感想 ―
[良い点] ジルの実家すごーいΣ( ˙꒳˙ )!? 海賊だったのぁ……だから戦闘技能も高めだったのかな? アルザ様無事に助かるといいなぁ!!
[良い点] 遠ざけようとしても、通用しませんよっと。 それにしてもやることなすこと裏目に出ている男装令嬢はどうしたいんでしょう? その辺は情報不足の為、今後の展開を待たなくてはなりませんね。 あま…
[良い点] うんうん、早く動いてあげて… アルザ様、助けてあげて…
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