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男女逆転した乙女ゲーのヒロインポジに転生した俺は、尊みがすごい悪役令息?を全力で溺愛します!  作者: サンボン
第1章 悪役令息?の尊みがあふれ過ぎるので忠誠を誓おうと思います。
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第32話

ご覧いただき、ありがとうございます!

 放課後になり、みんなが帰宅準備を始める中。


「アルザ様、こない……」


 俺は一人席に座ったまま、アルザ様が教室に迎えに来るのを待っていた。


 うーむ……うん、今日は俺がアルザ様を迎えに行こう。そうしよう。

 ていうか、今まで主君が迎えに来るほうがおかしいんだし。


 というわけで、俺は帰り支度をして席を立とうと……って。


「ジル、帰ろう」


 アルザ様が教室を覗いて手招きしていた。

 なんだ、ちょっと遅れただけか。


 俺はアルザ様の元へ駆け寄ろうとして……!?

 なんでベルが真っ先にアルザ様のところに向かったの!?


「……すまないが、ジルはこの後私と用事があるんだ」


 はあ!? イヤイヤ、用事なんてない! ないから!


 俺は思わず首をブンブンと左右に振る。


 だけど。


「まあまあ、ベルの好きなようにさせなさい」

「で、殿下!?」


 殿下はニヤニヤしながら、ベルを止めようとした俺を制止した。

 アレ、放っておいたらケンカになりますよ!?


「……キミには聞いてないんだけど?」

「わざわざジルが手を煩わせる必要もないのでな。このような伝言、私で十分だ」


 イヤイヤイヤ!? 俺は田舎男爵家なの! お前のほうが偉いんだからな!?


「話にならないよ。そこを退いてくれ」


 そう言って、アルザ様はベルを避けて中に入ろうとするけど……ベルはアルザ様の前に立ちはだかる。


「……何だい? 君はバルセロス公爵家のこのボクの邪魔をする、そういうことでいいのかな?」


 アルザ様がキッ、とベルを鋭い視線で睨みつける。


 だが。


「……そう受け取っていただいて結構。アルトレーザ殿をジルには近づけさせない!」


 う、うおお……ベルの奴、ハッキリと言いきりやがった!

 だ、だけど、いくらパーティーの件があるとはいえ、なんでこんなことを!?


 だ、駄目だ! これ以上見てられねえ!


 俺は慌てて二人の元へ駆け寄ろうとする……けど。


「ジル、ダメよ」

「っ!?」


 殿下がまさに王族と言わんばかりの威圧感で、俺を行かせてくれない。

 一体、殿下は何を考えているんだ!?


「……もういいよ」


 そう言うと、アルザ様はプイ、と顔を背け、そのまま去って行った。


 アルザ様……。


「……殿下、どういうことか説明していただけますか?」


 アルザ様のあの姿を見てカッとなった俺は、不敬とは思いながらも殿下に詰め寄った。


「ふふ……知りたい?」


 すると殿下は楽し気に微笑み、俺を煽るように尋ねてきた。

 そんな態度がますます気に入らないが、アルザ様のことを考えればそうも言っていられない。


「ええ、ぜひ」

「そうねえ……やっぱり教えてあげるのは止めにするわ。まあ、自分で考えなさい」


 そう言うと、殿下は手をヒラヒラさせながら教室を出て行く。

 ……結局、俺を揶揄っただけかよ。


「あ……ジ、ジル、その……」


 俺が殿下の背中を睨みつけていると、ベルが申し訳なさそうな表情を浮かべながら、恐る恐る声を掛けてきた。

 多分、さっきのアルザ様への対応について、俺が怒ってると考えているんだろう。


「ベル様……ベル様は、別に気になさる必要はありませんよ」


 俺は努めて表情を明るくしてそう言うと、ベルはむしろ泣きそうな表情を浮かべた。


「す、すまない……だ、だが! ……だが、私はどうしても……!」


 そう言うと、ベルは俯きながら拳を握り締めた。


 だから。


「っ!」

「ベル様……ありがとうございます」


 俺はベルの震える拳に手を添えると、彼女はビクッとなった。


 だけど、これはベルに対する俺の感謝の気持ちだ。

 だって、ベルは俺が悲しんでいると、俺の想いが踏みにじられたと思って、それが許せなくて、あんなことをしたんだから。


「ジル……」


 瞳に涙を溜めるベルに、俺は頷くと……ベルは一滴(ひとしずく)の涙を零した。


 ◇


「ふう……」


 俺はすぐエルシド寮には帰らず、中庭のベンチに腰掛けて一人溜息を吐いた。


 だけど……殿下は一体どうしちまったんだ?

 確かにパーティーの一件は、殿下にとってもあまり気分の良いものじゃないかもしれねーけど、だからといっていきなりあの態度は、なあ……。


「ああ! チクショウ!」


 俺はもどかしさのあまり、ガン! とベンチを殴りつけた。


 とにかく、かなり下がっちまった殿下達のアルザ様への好感度を何とか戻さねえと……!


 だけど、どうする?

 この後も、アルザ様が好感度を下げるイベントは目白押しだぞ?


「……直近だと、夏休み前の期末テストのイベントだけど……」


 そう、テストの当日にメルザたんが主人公のカバンを隠して、筆記テストを受けられなくしゆとしたり、魔法テストで先生を買収して魔力がスッカラカンになるまで魔法を使わせたりってヤツだ。


 もちろん、攻略対象達が好感度に応じて手助けしてくれるんだけど。


「とにかく、何とかしねえと……な」


 そうポツリと呟き、俺はベンチから立ち上がろうとすると。


「あ! ジルベルトくんじゃないですか~!」


 ……なぜか、テオ公が手をブンブン振りながらコッチにやってきた。

お読みいただき、ありがとうございました!


次回は明日の夜投稿予定です!


少しでも面白い! 続きが読みたい! と思っていただけたら、ブクマ、評価、感想をよろしくお願いします!

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【俺の理解者は、神待ちギャルのアイツだけ】
― 新着の感想 ―
[良い点] ていうか、今まで主君が迎えに来るほうがおかしいんだし。 ↑たしかに〜!!www アルザ様の好きな人と一緒に居たい気持ちが溢れてしまった行動のひとつですな(*´∀`*) ベルぅ(´;ω;`…
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