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男女逆転した乙女ゲーのヒロインポジに転生した俺は、尊みがすごい悪役令息?を全力で溺愛します!  作者: サンボン
第1章 悪役令息?の尊みがあふれ過ぎるので忠誠を誓おうと思います。
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第29話

ご覧いただき、ありがとうございます!

「その……ボクが贈るタキシード、着てみてくれない、かなあ……?」


 アルザ様が上目遣いで窺いながら、そんなお願いをしてきた。


 まあ、アルザ様にそんなお願いをされてしまったら。


「ええ、ぜひアルザ様のタキシードの袖を通させてください」


 当然、答えは一択。簡単なもんだ。


「では着替えますので、その、タキシードを……」

「あ、うん……って、あああああ!?」

「うお!?」


 タキシードをお願いすると、突然アルザ様が叫び出した!?


「ア、アルザ様……?」

「……タキシード、会場に置いたままだった……」


 両手と膝をつき、ガックリとうなだれるアルザ様。


「ど、どうしましょう……何でしたら、俺が会場まで取りに……「そ、そんなのダメ! 絶対にダメ!」……あ、そ、そうですか」


 俺は会場に取りに行くことを提案するが、アルザ様は頑なに拒否した。


 ……会場に何があるんだろう?


「ちょ、ちょっとイザベルに話してくるから、ここで待ってて!」

「ア、アルザ様!?」


 そう言い残すと、アルザ様が勢いよく部屋を飛び出して行った。


 ウーン……でも、イザベルさん、ねえ……。


 俺は腕組みをしながら頭を捻る。


 というのも、さっきのイザベルさんの目、どうにも引っ掛かるんだよなあ……。

 なんというか、その……アレ、絶対何か企んでるよな。


 ま、まあ、アルザ様とは本当に仲が良いから、アルザ様が悲しむような真似をしたりはしないだろう……と、信じたい。


 すると。


「お、お待たせ!」


 イザベルさんの元からアルザ様が戻ってきた。

 そして、その手に持っているものは……タキシード!?


「ア、アルザ様、それ……どうしたんですか?」

「うん! ボク達がパーティーを切り上げたから、イザベルが気を利かせて会場から回収しておいてくれてたんだ!」


 おおう、こういうところ、イザベルさん超優秀。

 俺もアルザ様に仕える身として、見習わないと。


「だ、だから、その……お願い!」


 アルザ様が深々と頭を下げながら、俺にタキシードを差し出す。


「ええ、それでは着替えますね」


 俺はアルザ様からタキシードを受け取り、そして…………………………今回はいいのかな?


「……アルザ様、今、この場で着替えてもよろしいですか?」

「ふあああああああああ!?」


 アルザ様は恥ずかしそうに両手で顔を覆いながら、慌てて部屋から出た。

 ……別に減るものじゃないんだし、ましてや男同士なんだから、ここにいてもいいんだけど。


 ◇


「ふああああ……」


 着替え終わり、部屋へと入っていたアルザ様が俺の姿を見るなり感嘆を漏らした。


 や、その気持ち、俺も分かる。

 だってこのタキシード、すっごいツヤツヤしてるんだぞ?

 オマケに軽くて動きやすくて、着てないんじゃないかと錯覚するほどだし。


 うん、これは良いものだ。

 アルザ様がこのタキシードに見惚れる気持ち、よく分かる。


「本当に素晴らしいですね! これを用意するのに、アルザ様もかなりご苦労されたのでは……?」


 俺はこんな素晴らしいものを用意してくれたことが嬉しい反面、そのためにアルザ様が大変な思いをされたかと思うと、それはそれで心が痛い。


 もちろん、俺はここまでしてくださったアルザ様に全力で報いる所存ではあるけれども。


「ふあ……ボクのことは気にしなくていいよ! それより、その……す、素敵だよ、ジル……」

「あはは、確かに素敵なタキシードです!」


 俺がそう言うと、アルザ様はフルフル、と首を左右に振った。


「違うよジル。素敵なのはジル、だよ……?」

「なあっ!?」


 頬を赤らめながら潤んだ瞳でおずおずとそう告げるアルザ様に、俺は思わず仰け反ってしまった。

 だ、だってこんなの……絶対に間違えちまうだろ!?


「あ、あははー……ま、馬子にも衣裳、って言いますもんねー……」


 俺はどうして良いか分からなくなり、とりあえず頭をガシガシと掻きながらそう答えた。


 でも。


「ううん、シルは本当に素敵だよ? そ、それで、そんなジルにもう一つだけお願いがあるんだ……」

「もう一つ、ですか……?」


 俺は恐る恐るアルザ様に尋ねる。

 な、何だろう……既に俺の心は限界を超えてるんだけど……さらにこれ以上、俺のタフネスを試そうってのか!?


「そ、その! ……その、ボクと一曲だけでいいから、踊って欲しいんだ……」


 そう言うと、アルザ様は耳まで真っ赤にして俯いてしまった。

 そして、その肩は小刻みに震えている。


 そうか……神は、どうしても俺に試練を与えたいらしい。


 なら!


「……かしこまりました。では、この不肖ジルベルト=フレイレ、アルザ様のお相手を精一杯務めさせていただきます」


 俺は胸に手を当て、深々とお辞儀をした。

 ええい! こ、こうなったらヤケだ! 絶対に俺は耐えてみせるぞ!


「うん、ありがとう……ジル……」


 アルザ様が傍に来て俺の身体を起こすと、アルザ様はそっと俺の身体を抱き締めた。


 な、何だよこれえええええええ!?

お読みいただき、ありがとうございました!


次回は明日の夜投稿予定です!


少しでも面白い! 続きが読みたい! と思っていただけたら、ブクマ、評価、感想をよろしくお願いします!

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【俺の理解者は、神待ちギャルのアイツだけ】
― 新着の感想 ―
[良い点] お互いがお互いにメッチャ喜んでる〜。 へいわなせかい( *ˊᵕˋ* ) アルザ様頑張った!! ダンス誘えて良かったね〜♪
[良い点] 敢えて情報を絞り、色々と伏せられてますね(笑) 真相が見えて来るまであと何話!?(笑)
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