第43話:習孟平の無残なる完全終了と、亡霊の生還
志明が最高アクセス権を用いて白帝城の全インフラを逆掌握した結果、要塞の中枢にいた絶対独裁者・習孟平に、最後の最大級の『全裸化ギャグざまぁ』が被弾した。
【スローモーション細分化:1.0秒】
要塞の電磁防壁ごと、習孟平が身にまとっていた最高級の防弾人民服から下着にいたるすべての衣服セキュリティが量子解体され、一瞬にして光の砂となって消滅した。
全世界へ向けた最後の威嚇配信の画面に映し出されたのは、一物も身につけていない完全な全裸姿で、顔を耳の先まで真っ赤に変形させて股間を押さえ、絶叫しながらカメラ前を逃げ惑う独裁者の醜態だった。
この無惨な姿を見た大陸の部下や将軍たちも完全に戦意を喪失し、「衣服すら守れない総統に付いていけるか!」と一斉に反旗を翻す。
習孟平は社会的・政治的に完全ざまぁ失脚を遂げ、独裁政権は一瞬で崩壊した。
「ひゃぅんっ!? カメラを止めろ、配信を切るんだ!」
「早く、早く私に前を隠す人民服をよこせええええ!!」
(自業自得だな。世界を滅ぼしようとした暴君の最期が、全世界へ向けた無修正の露出狂ギャグオチとか、これ以上ないお似合いのエンディングだ)
◆ ◆ ◆
すべての歴史が平和に書き換えられ、契約に従って存在のすべてが消滅するはずだった志明。
しかし、彼の左目の最高アクセス権が同期された瞬間、イーロンが仕込んでおいた『システム上の粋なバグ(穴)』が自動検知された。
亡霊(GHOST)として消えるはずだった彼の存在データが、「本物の陸志明の戸籍」という確定ログとして過去の世界のシステムへと強硬に再接続され、上書き保存されたのだ。
志明は消滅の宿命を完璧に回避し、この二〇二七年の世界へ生きる人間として留まる権利を獲得した。
両脇から、彼の衣服を剥ぎ取って素肌で看病し続け、安心したように涙目で胸元に抱きついてくる小梅と小飛の、生々しい確かな温もり。
死神の精神を持っていた男は、自分がついに歴史の闇から生還し、新しい命を掴み取ったのだと、その魂の底から確信した。
「……勝ったんだな、俺たちは。もう、どこにも消えたりしない」
「当たり前でしょ、このバカ朴念仁。あんたを二度と一人でどこかへ行かせたりしないわ……一生、私の安全管理下に置いてあげるから」
(ああ、約束する)
(……俺の新しい人生は、この最高に暖かくて騒がしい美少女たちの体温のなかで、今ここから始まるんだ)
核の絶望は一秒で粉砕され、歴史の亡霊は正妻の涙と神のデレによって完璧な生還を遂げた。
志明は愛すべき李一家の待つ台北の路地裏へと、世界を買い戻した最高のカタルシスを胸に凱旋するのだった。
(第九章・完)
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