第39話:白帝城の決戦と、世界破滅の秒読みカウントダウン
総統府の緊急ホログラムスクリーンが、かつてない血のような深紅の警告色で激しく明滅していた。
画面の向こう、魏の帝国の最奥に位置する、全サイバー核兵器を統括する難攻不落の巨大要塞『白帝城』。
度重なる全裸化ざまぁによって社会的地位もプライドも完全にへし折られ、完全に正気を失った独裁者・習孟平が、髪を振り乱して狂ったように絶叫していた。
彼は狂気の笑みを浮かべながら、全世界をリセットするための核ミサイル強制起動のマスター物理スイッチへと、その醜く震える指先を叩きつけた。
「ガハハハハ! 全裸にされた屈辱、世界中のおもちゃにされた恨み、すべてをこの炎で焼き尽くしてやる!」
「我が魏の破滅とともに、海洋連盟もろとも大自然の塵に還るがいい!」
「頼総統、魏の中枢基地『白帝城』の電磁物理ロックが完全強制解放されました!」
「大陸全土のサイバーサイロから、戦略核弾頭が発射シーケンスへと移行しています……っ!」
(往生際の悪いピエロめ、世界中から笑い物にされたからって本当に核のボタンを押しやがったな)
(完全に理性が消し飛んでやがる。巻き添えで世界を道連れにする気かよ)
◆ ◆ ◆
作戦室の全画面に、人類の終焉までの秒読みを示すデジタルタイマーが無慈悲に投射された。
ドナルド・翼徳はトレードマークの金髪を激しくかきむしり、赤いMAGAヘルメットを床へと乱暴に叩きつけた。
蛇矛型のサイバー杖を握る手を小刻みに震わせ、あり得ない絶望の表情を浮かべている。
高市雲苗経済安保大臣も顔面を蒼白に変形させ、緑色に発光する『サイバー青龍偃月刀』の刃先を床へ落としていた。
絶望のあまり、彼女の美しい唇からは血が滲むほど強く噛み締められている。
物理的な迎撃ミサイルも、既存の国家防壁も、魏の百万の脳を繋いだ紅蓮ネットワークの全出力による暗号ロックの前には、一ミリも作動を承認されない。
大国の大人たちが、ただ死を待つだけの檻の中に閉じ込められたように呆然と立ち尽くしていた。
「オーマイゴッド! 物理的な指揮回線が完全に物理遮断されている!」
「これではアメリカの核の傘も起動すらできん! 最悪のディールだ!」
「発射まであと一分を切りました……。日本の、世界のすべての電子社会が、あの狂気の独裁者によって跡形もなく消滅させられます……っ」
(誰も動けないか。世界最高峰の権力者たちが揃いも揃ってフリーズしてやがる)
(だが、かつてすべてを失って、冷たい雨の処刑台に立たされていたあの日に比べれば、この絶望すらまだ生温いぞ)
◆ ◆ ◆
次回予告:第40話『死神の単独ラストハック覚悟と、陰湿なる仲達の最終暗号防壁』
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