第38話:お邪魔虫のカメラ突入ギャグと、家族の体温の囲い込み
「やあやあキッド! 最高のエンディングのログを回収しにきたよ! おや、実に見事なハーレム看病ディール(取引)の最中じゃないか!」
最高にお色気な静寂を破り、秘密仮眠室の電子ロックをハックして、イーロン・孔明が小型カメラを片手に大喜びで突入してきた。
その陰からは、金色のサイバー鎧を身にまとったドナルド・翼徳が「ガハハハ! 若い男はそうこなくっちゃな!」と親指を立てて笑う。
お邪魔キューピッドたちの最悪の悪ノリ突入に、小梅と小飛は「ひゃあああんっ!?」と可愛い悲鳴を上げて志明の胸元にさらに深く埋もれた。
そこへ、緑色に発光する巨大な『サイバー青龍偃月刀』を一閃させ、顔を耳の先まで真っ赤に変形させた高市雲苗大臣が乱入してきた。
「イーロン! ドナルド! 最高機密の療養空間で不純な隠し撮りなど、経済安全保障の深刻な乱れです! 直ちに衣服の結合を正しなさい!!」
「高市大臣、怒るポイントが相変わらずズレて――うわあああっ!? 青龍偃月刀を振り回すな、僕のサイバー羽扇がへし折れる!!」
(あのクソ大人ども……っ! 治りかけた脳みそが、別の焦りパラメータのせいでまた『チチチ……』って悲鳴を上げ始めたじゃねえか!!)
◆ ◆ ◆
大人たちがドタバタと部屋から叩き出され、再び静まり返った秘密仮眠室。
志明はゆっくりと目を開け、自らの両脇で、安心したようにすやすやと可愛い寝息を立てている小梅と小飛の顔を見つめた。
熱暴走は完全に治まり、左目の青いレンズも静かに駆動音を止めている。
腕の中に残る、柔らかく、そしてどこまでも愛おしい二人の確かな温もり。
幾多の死線を潜り抜けた死神の魂は、自分がもう過去の地獄(亡霊)へ戻ることはなく、この李一家の温かい体温の中に、完璧に囲い込まれてしまったのだと深く実感していた。
(……守り抜いたんだな、この日常を。独裁者のディストピアなんかに、この子たちの笑顔を絶対に渡してたまるか)
二人の美少女の寝顔を愛おしそうに抱きしめるようにして、志明は静かに目を閉じ、大国の絶望的な盤面を完全に破滅させる、最終決戦の白帝城ハックへの決意をその魂の奥底で静かに滾らせるのだった。
(第八章・完)
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