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新・三国志:大陸断絶 〜「過去のあの子じゃなくて私を見なさい!」と銀座の雨で涙のホールドを仕掛けてくる正妻チョロインSPと過ごす、最高に暖かくて騒がしい台北ハーレム食堂生活〜  作者: UTAMARO
【第六章:日本潜入・雨の銀座。遥との美しい決別と、涙のヒロインシフト】

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第28話:「私を選びなさいよバカァ!」と、真のメインヒロイン誕生

小梅は涙に濡れた瞳で俺を強く睨みつけ、衣服の繊維が引き裂かれんばかりの力で胸ぐらを激しく揺さぶった。


彼女の口から放たれたのは、これまでの臆病なツンデレのグラデーションがすべて臨界点に達し、大爆発した魂の叫びだった。


「なんで……なんでそんな、遠くの過去の後ろ姿ばかり見てるのよ……っ!」


大粒の熱い涙が、俺のテックウェアの胸元へと容赦なく滴り落ち、ナノ繊維を濡らしていく。


「あんな、もう名乗ることすら、指一本触れることすらできない過去のあの子じゃなくて……っ!」


「今、あんたの目の前で、あんたのためにこんなに狂おしいほど泣いてる私を見てよ!」


ホテルの薄暗い照明の下、小梅は声を震わせ、心の底に溜め込んでいた本音のすべてを俺にぶつけてきた。


「過去の亡霊なんかで終わらせない……! 私を選びなさいよバカァ!!」


(――っ! 胸の奥が、痛いほどに熱い)


(魏の独裁者にすべてを裏切られ、冷酷に擦り切れていたはずの俺の心臓が、こいつの流す涙のせいで、狂ったように熱く脈打ってやがる……っ!)


◆ ◆ ◆


小梅の涙ながらの痛切な訴え――その圧倒的な現在の体温(リアル・ハート)が、俺の理性の防壁を内側から跡形もなく完全に爆破した。


俺は左目の青いレンズが、感情パラメータの限界突破を検知して『チチチ……』『チチチチチ……!』と激しい電子駆動音を鳴らすのも構わなかった。


無言のまま、しかし強引に彼女の細い腰を片手で引き寄せ、その豊かな肉体を自らの両腕のなかへと強く抱きしめた。


ドンッ、と再び胸と胸が正面から衝突し、紺色の特殊スーツが肉圧の逃げ場をなくして『ギチリ……』と切なく軋む。


その瞬間、第五章の『暗闇の吸熱看病』の記憶が脳裏に鮮烈に明滅した。


抱きしめた彼女の柔らかい体温が、熱暴走で沸騰しかけていた俺の脳細胞を、今度はどこまでも優しく精神的に冷却ハックしていく心地よさに包まれる。


腕の中にすっぽりと収まる、顔を俺の胸に埋めて激しく泣きじゃくる正妻の、確固たる温もり。


過去の救えなかった少女への呪縛は、今、この瞬間に完璧に解け落ちた。


この作品の真のメインヒロイン(絶対の正妻)は李小梅なのだと、世界の因果律が完全に書き換えられた瞬間だった。


「うわーーん! お姉ちゃんめちゃくちゃカッコいい! おじさん、私をお嫁さんにする枠も、ちゃんと残しておいてよね!」


その感動的な空気のなか、部屋のクローゼットの扉が勢いよく開き、だぼだぼのパーカーを揺らした小飛が涙目でニヤニヤと八重歯を覗かせて飛び出してきた。


「ちょっと小飛、あんた何覗いてるのよ! 安全管理の乱れよ、今すぐ離れなさい!」


小梅は抱きついたまま耳の先まで真っ赤に染まり、涙目のまま妹へ向けて怒声を上げる。


「いや、お前ら……ホテルの高度な電子鍵をハックして先回りするんじゃねえ」


「……まあ、いいか。帰ろう、俺たちの居場所(台北)へ」


(熱いな……。これはシステムのエラーのせいじゃない)


(俺の心自体が、この最高に騒がしくて愛おしい李一家の体温に、完全に陥落させられちまった証拠だな)


◆ ◆ ◆


冷たい雨の降る銀座の街で、歴史の亡霊は本物の生命を取り戻した。


真のメインヒロインとなった小梅の確かな温もりを胸に、志明は第一列島線の絶望をひっくり返す、魏の帝国陣営との最終決戦へとその牙を研ぐのだった。


(第六章・完)

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