第15話:極寒の地に潜む最凶の呪術師と、ハック封印の電波暗室
リゾートのまばゆい喧騒から遠く離れた、極寒の地にそびえ立つクレムリンの最高機密執飾室。
凍てつく氷のような瞳を細め、吹き荒れる吹雪を背に、冷酷な指先でキーボードを叩く男がいた。
ロシア大統領であり、自ら最凶のウイルスコードを書き上げる電子呪術師――ウラジーミル・仲達である。
彼は習孟平の政権を「便利な盾」として裏から弄びながら、海洋連盟の戦力を一網打尽にするための陰湿な罠を仕掛けていた。
デスクの上に置かれた、黒い大理石のチェス盤の駒を、冷徹な指先で静かに進める。
「習孟平の全裸など、どうでもいい。あれはただの無能な道化に過ぎん」
「……だが、歴史の闇から突如として現れたあの亡霊『GHOST』だけは、我が覇権の邪魔になる。確実にその息の根を止めてやろう」
ウラジーミル・仲達は薄い唇を歪め、絶対的な死を宣告するように冷たく囁いた。
「私の開発した固有ガジェットを起動しろ。リゾート諸島ごとき、一瞬で電子の墓場に変えてくれる」
◆ ◆ ◆
突如として、俺の左目の網膜上に真っ赤なエラーログが静かに、しかし無数に埋め尽くされた。
ウラジーミル・仲達が放った最終サイバー兵器――『電波暗室』の強制発動。
リゾート周辺のすべての衛星通信、無線電波、量子ネットワークが一瞬にして物理的に完全抹殺され、空間が電子の真空状態へと変転する。
それにより、俺の『イーロン・リンク』による未来知識の同期も、超未来技術『量子解体』の遠隔ハッキングも、完璧に機能不全に陥り封印された。
時を同じくして、施設の通信ジャミングに乗じ、魏の帝国陣営が放った不穏な影が動く。
じっとりと湿気を含んだ夜の海岸線から、不気味な水音とともに、潜水重装甲を身にまとった暗殺工作員の群れが次々と上陸してきたのだ。
「通信が……完全に遮断されました!? リンク・グラスの戦術データが何も受信できません!」
「敵の暗殺部隊が、このプライベートビーチへ向けて突入してきます……っ!」
小梅は過激な紺色のサイバーハイレグ水着を震わせ、驚愕と焦りの声を響かせた。
(チッ……ただの通信障害じゃないな。回線の構造そのものを物理的に圧殺してやがる)
(あのクソ軍師のチートに頼った一秒秒殺が使えないか……。上等だ、ハッキングが封じられたくらいで、俺が止まると思うなよ)
俺は左目の青い光が完全に消失したのを感じながら、泥水をすすり続けた地獄の戦場を思い出し、冷徹な死神の戦闘本能をパチリと覚醒させた。
◆ ◆ ◆
次回予告:第16話『チートなき泥臭き肉弾戦と、暗闇の隠密混浴温泉』
(次号、最強ハックを封印された極限状態! だが、死神の格闘スキルが覚醒する! 水着姿の小梅のしなやかな美脚キックと連携し、敵の包囲網を突破した二人が逃げ込んだのは、湯煙がもうもうと立ち上る暗闇の隠密混浴温泉だった――!?)
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