第12話:漆黒の小悪魔バニーと、特等席 of ポップコーン
「あははは! お姉ちゃん超似合ってる! じゃあ、私はこれね!」
羞恥でフリーズする小梅の隣で、小飛のデジタルアバターもまた、まばゆい光の粒子に包まれて強制的なポリゴン分解を経た。
彼女の姿は、背中から腰の美しいくびれまでが完全に丸見えになった、過激な『漆黒の小悪魔バニースーツ』へと書き換えられていた。
少女特有の、瑞々しく弾けるような健康的な肉体美が、黒い光沢素材によって扇情的に包み込まれている。
さらに彼女は、羞恥心というブレーキが初めから完全に壊れ去っていた。
網タイツに包まれた生足の太ももをパタパタと小刻みに揺らし、ニヤニヤと愛らしい八重歯を覗かせて、俺へとゼロ距離で強引に抱きついてきたのだ。
「ねえねえ、志郎おじさん! 私の黒バニー姿、どう?」
「お姉ちゃんの大きな胸には負けるけど、こっちの方がお尻のラインがセクシーでしょ? ほら、触って確かめてもいいよ?」
(お前は少しは羞恥心というものを持て! デジタル空間だからって、距離感のバグが限界突破してやがるだろ!!)
バニースーツのわずかな布地越しにダイレクトに伝わってくる、確かな女の子としての柔らかさと熱い体温。
仮想空間でありながら、物理同期されたデジタル触覚の解像度があまりにも高すぎる。
ジ、ジ、チチチチチ……!
純白と漆黒、過激なバニーたちに挟み込まれるという限界突破の視覚テロに、俺の左目の青いレンズが、さらに焦りの駆動音を爆音で刻み始めた。
◆ ◆ ◆
純白と漆黒、二人の過激なバニーに挟まれて俺が脳内パニックを起こしている無様な様は、量子空間の上空に出現した巨大モニターへリアルタイムで生中継されていた。
画面の向こうのコントロールルームでは、時間再起動のゲームマスターであるイーロン・孔明が、高級なポップコーンを片手に大喜びで爆笑している。
「ガハハハハ! 見たかいドナルド! キッドの左目の青いレンズが焦りで爆速駆動しているよ!」
イーロンは透明なサイバー羽扇を打ち鳴らし、画面越しの俺を指差して愉快犯の笑みを深めた。
「美少女バニーの肉圧に挟まれて、彼の超速演算脳が一瞬で熱暴走を起こしそうだ! 素晴らしいエンターテインメントじゃないか!」
その隣では、武骨な金色のサイバー鎧に身を包んだアメリカのドナルド・翼徳が、豪快に親指を立てていた。
彼は赤いMAGAヘルメットを何度も叩きながら、アメリカ的な規格外のスケールでこの状況を全肯定する。
「大満足だ! 衣服の面積を最小限に抑えることで、サーバーの描画負荷を軽減する……実に見事な経済的ディール(取引)だな!」
「ガハハ! 若い男はそうこなくっちゃな! キッド、そのままバニーたちを警護してやれ!」
海洋連盟の大人たちによる、最高のお気楽コメディ・サンクション(全肯定)である。
国家の存亡を懸けた極限の電子戦の最中だというのに、特等席の大人たちは完全にバラエティ番組を見るノリで盛り上がっていた。
(あの売国奴どもの売る国すら無くなればいいのに、と本気で思うくらいあの大人たちが憎い……っ!)
俺の必死の殺気も届かず、イーロンとドナルドの悪ノリは止まらない。
だが、このふざけたお茶会を強制終了させるように、量子空間の空気が突如として冷たく凍りついた。
◆ ◆ ◆
次回予告:第13話『バニーを護る死神の無双と、帰還後の無自覚な嫉妬』
(次号、第三章フィナーレ! 突入してきた魏の装甲アバター群に対し、志明の『量子解体』チートが炸裂! 敵を秒速で全裸にしてネットを大祭りに陥れた後、現実世界で小梅の「嫉妬の炎」が静かに燃え上がり――!?)
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