第11話:お邪魔神の悪趣味プログラムと、純白バニーの誘惑
「なによこれ、私のアバターのグラフィックが、勝手に書き換えられて――」
小梅の困惑の声と全く同時に、量子空間の上空に、見覚えのある巨大なホログラムのサイバー羽扇が出現し、優雅にあおいだ。
時間再起動のゲームマスター、イーロン・孔明の遠隔ハック介入である。
「やあやあキッドたち。絶望的な防衛戦の最中に、僕からの粋なプレゼントだ」
イーロンは遠隔コントロールルームから、人を食ったような笑みをコードに込めて、空間全体へと音声を響かせた。
「戦場のキッドたちの緊張感を解き放つ、最高にエキゾチックなボーナスコードさ。若者らしく、存分に楽しんでくれたまえ!」
(しまっ――あのクソ神、またプログラムを弄りやがったな!?)
俺の左目の青いレンズが、最悪の予感に同期して『チチチ……』『チチチチチ……』と、焦りの電子駆動音を戦闘空間内に激しく響かせ始める。
次の瞬間、システム音声が冷酷に、しかしどこかポップに鳴り響いた。
『警告:お邪魔神の悪ノリプログラム発動。戦闘環境の最適化のため、アバターの衣服セキュリティを強制上書きします』
(あのクソ神孔明……! こんな緊迫したサイバー大戦の最中に、またふざけた嫌がらせを仕込みやがったな!?)
幾何学的な光のラインが交錯する冷たい仮想空間のど真ん中で、俺は死神の理性を総動員して、これから訪れる圧倒的な視覚テロに備えて奥歯を噛み締めた。
◆ ◆ ◆
まばゆいピンクの光の粒子が、小梅のデジタルアバターを完全に包み込んだ。
次の瞬間、彼女の凛とした紺色タイトスーツが、強制的なポリゴン分解を経る。
そして、過激極まる『発光する純白のバニースーツ』へと変貌を遂げたのだ。
その衣装は、彼女の規格外の豊満さを持つGカップの胸元を、これでもかと容赦なく剥き出しにしている。
細いウエストと、健康的で丸みのあるヒップラインを強調する悪魔の設計。
頭には艶やかな黒髪のポニーテールと並んで、白く発光するサイバーウサ耳がぴょこぴょこと揺れていた。
衣服の面積があまりにも狭すぎる。
デジタル触覚のせいで、仮想空間の冷たい風が、露出した白い肌にダイレクトに触れた。
小梅はあまりの羞恥に、顔を耳の先まで真っ赤に変形させて悶絶した。
「な、ななな、何よこの破廉恥極まるアバターは――っ!?」
「胸元が開きすぎて、動くだけでこぼれ落ちそうなんだけど!? 離しなさいよ、ウサ耳を引っ張るなバカァ!!」
(お、おい待て。3Dグラフィックの解像度が高すぎるだろ。純白の生地が、小梅の肉圧でギチギチに悲鳴を上げてるのがハッキリ見えるぞ)
(しかも、ポニーテールと一緒にウサ耳が激しく揺れて、視覚的な破壊力が限界突破してやがる。落ち着け俺の理性……!)
ジ、ジ、チチチチチ……!
目の前で繰り広げられる圧倒的な特大サービスに、俺の左目の青いレンズが、焦りの電子駆動音を爆音で刻み続けた。
◆ ◆ ◆
次回予告:第12話『漆黒の小悪魔バニーと、特等席のポップコーン』
(次号、羞恥に悶える姉の隣で、次女・小飛までもが背中丸見えの「漆黒バニー」に変身! ブレーキの壊れたロリ小悪魔が、パーソナルスペースゼロの超密着マウントを仕掛けてきて――!?)
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