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野菜たちの主張  作者: 西玉
プリンスメロン編

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プリンスメロン4 甘さへの挑戦2

 プリンスメロンは、獣の被害が多かった。

 ふっくらと美味しそうな形で実がついても、売り物ではないので自然に蔓から外れるまでは収穫しない。


 大きく育ち、そろそろかなぁと楽しみ何しながら畑に行き、プリンスメロンの残骸を見つけて愕然とする。

 そんなことが何度かあり、プリンスメロンを見つけると、黄色い収穫用ネットを被せて保護するようになった。


 それ以来、獣の被害は無くなった。

 収量は飛躍的に増えたが、どうにもあまり美味しくない。

 美味しいプリンスメロンが食べたいと色々調べた結果、植物はまっすぐに仕立てると育ちが良くなるという本を読んだ。


 プリンスメロンも、まっすぐに仕立てれば美味しくなるに違いないと信じた。

 試してみる。

 どうにも美味しくならない。


 まっすぐにする仕方が悪かったのだろう。何より、玉は丸々と、美味しそうに育つのだ。ただ、美味しくないだけだ。

 何年か試し続けた。


 諦めた。

 美味しい実ができなかったのだ。

 2025年に入り、ついにプリンスメロンの仕立てからを調べた。


 初めから調べればよかったような気がするが、そこまで気が回らなかったのだ。

 本蔓を摘心して小蔓を伸ばし、孫蔓に着果させ、小蔓1本につき玉をひとつにする。


 調べた通りに仕立てた。

 2025年は、自然農を始めた年である。

 多くの作物がほとんど育たなかったが、プリンスメロンを育てた場所は、長年緑肥とサツマイモを使い続けた場所である。


 巨大に育った。

 網目メロンと、遜色ないぐらいのサイズに育った。


 なぜ?


 と不思議に思うほど大きかった。

 期待して見守る。獣に襲われないよう、収穫ネットで守る。

 ついに熟した。


 傷もない。大きい。丸い。

 食べてみた。

 美味しくない。


 だが、この年はここで終わらなかった。

 ジューサーを買ったのだ。

 美味しくなくても、風味はメロンである。


 砂糖と豆乳を入れて粉砕する。


 プリンスメロンは、メロンジュースに進化した。

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