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野菜たちの主張  作者: 西玉
プリンスメロン編

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プリンスメロン1 庶民の味方

 かなり早い時期から、プリンスメロンの栽培に挑戦していた。

 子供のころに食べたメロンといえば、プリンスだった。

 大人になって、メロン自体をあまり食べなくなった。


 メロンは特別なものというカテゴリーにあり、自活できる生活力がつくと、日常的に食べる対象には入ってこなかったからだと思う。

 特別な時に、特別に食べたいものに、プリンスメロンはそこまで効果ではないし、ネットメロンは高価すぎる。ケーキぐらいがちょうどよかった。


 だが、圃場を手に入れた。相続でもらったとはいえ、この機会を逃す手はない。

 プリンスメロンの種を買い、嬉々として撒いた。

 まだ、圃場全体を高畝にしていなかった時である。


 ちょっとだけ、土を寄せて小さな山を作り、苗を植えた場所に1メートル四方ぐらいにマルチを張った。今となってはどうしてそんなことをしたのかわからないが、プリンスメロンにはシルバーマルチを使っていた。


 ウリ科野菜の最大の敵はウリハムシである。

 ウリハムシがシルバーマルチで回避できるかどうかはわからない。

 シルバーマルチを嫌う虫たちが、メロンを好まなければ、そもそも黒マルチでいいはずだ。というか、黒マルチの方が効果は高く、安価だ。


 ただ、プリンスメロンは私の中で、ちょっと高級だという想いがあったのだと思う。

 だから、1番効果なシルバーマルチを使ったのだろう。


 今思うと、自分の行動が奇妙に思えて仕方がないが、その時は、化成肥料をしっかりと、分量も測らずにだいたいの感覚で撒き、割としっかり蔓が伸び、身をつけた。


 摘心? 整枝? なにそれ?


 そんな状況だった。だから、ついた実は全て育てた。

 やり方が出鱈目だったので、大した量は収穫できなかった。あまり味もしなかったと思う。


 だが、年に一つぐらいは、そこそこ甘い身が収穫できた。

 思えば、それが罠だったのだ。


 甘い実ができる条件を模索する旅が始まったのだ。


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