ネットメロン1 出会い
野菜系の作物の最高峰といえば、やはり網目の入ったネットメロンだと思う。
圃場で野菜が作れるようになったら、できるかどうか試してみたくなった。
それっぽい種を購入し、セルトレイで育てた。
ごく普通に発芽した。
ここまでは普通だ。
さらに3号ポットに移して育苗すると、順調に成長する。
畑に移してみた。
この頃は、まだ化成肥料を使用していた。ビニールマルチも使用していた。
植えてから、数週間が経過した。
どうも、成長していない気がする。
全く蔓が伸びていないということはなかったが、どうにも元気がない。
ぐったりしているように見える。
種から育てたので、6株ぐらいあったはずだが、いずれも同じ症状だ。
原因はわからない。
だが、この年はそのまま、衰弱するように枯れてしまった。
網目メロンは無理だと思い、しばらくは手をつけなかった。
だが、プリンスメロンが次々と大きくなったのを見て、今なら網目メロンも育つのではないかと思うようになった。
ただし、プリンスメロンは甘くない。美味しくはないが、次々に実をつける。
網目が入ったメロンなら、甘くなるかもしれない。
どうしてそう思ったのか、今となってはわからない。
ただ、育ててみることにした。
まだ化成肥料は使っていた。ビニールマルチを使用していた、最後の年だった。
以前とは違った。ぐんぐん蔓が伸びる。
ただ、以前と違ったのは、ウリハムシが大量に寄ってきたことだ。
どうやら、この畑に夏場、多くのウリ科野菜を育てることを知られてしまったらしい。
多くが成長できずに食害されて消えてしまったが、繰り返し植えているうちに、ウリハムシが大量にやってこないタイミングで植えることができた数株が生き残った。
垂直に縛ると成長がいいという噂を信じて、真っ直ぐに仕立てた。
プリンスメロンは、それで順調に育っているのは間違いない。ただし、甘くない。
実のところ、繰り返し植え直していたので、植えたのがどんなメロンかわからなくなっていた。
実がついたのを確認し、ネットで保護した。
プリンスメロンが次々に完熟して、甘くないが大きな身をつける中、一つだけ、縛られた支柱に添うように、ただ存在し続けた玉があった。
なかなか蔓から外れない。そう思っていた時だった。
よくみると、蔓とつながった部分に、うっすらと横線が入っている。
ひょっとして、と思いながら翌週を迎えると、間違いなく表面にひび割れが入っている。
全体に網目が入った。
見事なネットメロンができた。
お尻を押すと、少し弾力がある。
だいぶ置いたので、流石にもういいだろうと収穫した。
追熟させて、じっくりと置き、いよいよ切った。
食べた。
味がしない。
まずは見た目が成功した。2024年の夏である。




