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野菜たちの主張  作者: 西玉
トウモロコシ編

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トウモロコシ1

 世界三大穀物の一つだが、日本ではすっかりスイーツ系野菜として認知されてしまったトウモロコシは、子供の頃から好きだった。

 親がたくさん作って食べさせてくれた記憶がある。


 ただ、自分で作ってみると、意外と主張が強いことがわかった。

 始めたばかりの頃は、化成肥料を与え、ビニールのマルチを引いた。

 地熱が高ければ高いほど実が甘くなるという噂を聞き、くろいビニールマルチではなく、透明のビニールマルチを使用したこともある。


 初めは、全く芽が出てこなかった。

 発芽して成長しないなら、考えようもある。

 だが、そもそも発芽してこない。


 何が悪かったのか、必要なくなったビニールマルチを片付けていると、赤い残骸が転がった。

 買った種は、赤くコーティングされていた。


 どうやら、カラスに食べられて全滅していたようだ。

 翌年のことである。

 透明のビニールマルチを辞めた。


 理由は二つある。何しろ、太陽光が素通りなので、マルチの下で凄まじい勢いで雑草が成長する。

 もう一つの理由は、マルチが透明なので、カラスにとっては種が見つけやすいらしい。


 マルチを黒くしてみた。

 なかなかの発芽率となった。

 まだ肥料を与えているので、甘くて美味しい。品種は、ゴールドラッシュにした。


 不思議に、トウモロコシの象徴である雌しべのふさふさがない。

 何が起きたのだろうかと観察していると、まだ残っている雌しべにの上に、ぬめぬめした軟体動物がいた。


 ここから、ナメクジとの戦いが始まった。

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