ホウズキ(食用)4 復権
2025年になる。
圃場での化成肥料と石灰を全てやめた。
やめても収穫できると確信があったわけではない。
ただ、なんとなくできそうな気がした。
失敗だった。植えた作物が、ことごとく成長しない。
食用ホウズキも同様だった。
植えた時と同じ背丈のまま、少しも大きくならなかった。
食用ホウズキの偉いところは、それでも実はつけるところだ。
落ちているのを拾ってみた。
鞘を剥くと、黄色い。黄色い以上に、茶色くなっていた。
完熟である。
虫がついていない。
珍しいこともあるものだと、畑でそのまま食べてみる。
「うまっ!」
思わず声が出た。
動きが止まった。
2度見した。
夏場の熱い時期である。太陽光で温められ、とても甘く、濃厚だった。
他にもないか探し、落ちた鞘を拾った。
祈るような思いで鞘を剥く。
虫がいない。綺麗な完熟果実が姿を見せる。
食べて見る。
美味しかった。
この年、木が小さいために収穫量は少ないが、全く虫に食べられていない食用ホウズキを、次々に拾って収穫した。
木についているものは採らない。自然に落ちたもので十分だ。ただ、触っただけで落ちる果実だけは収穫した。
虫害はゼロ、全て極めて甘い。
誰かに食べさせてみようか。
そう思って、常温の部屋に置きっぱなしにした果実があった。
機会がなく、2ヶ月以上放置してしまった。
鞘を剥いて見る。
全く変質せず、綺麗なホウズキの実があったので、種取りした。
保全性も極めて高い。
食用ホウズキの主張を、聞けた思いがした。




