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野菜たちの主張  作者: 西玉
その他の野菜編

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23/25

ホウズキ(食用)4 復権 

 2025年になる。

 圃場での化成肥料と石灰を全てやめた。

 やめても収穫できると確信があったわけではない。


 ただ、なんとなくできそうな気がした。

 失敗だった。植えた作物が、ことごとく成長しない。

 食用ホウズキも同様だった。


 植えた時と同じ背丈のまま、少しも大きくならなかった。

 食用ホウズキの偉いところは、それでも実はつけるところだ。

 落ちているのを拾ってみた。


 鞘を剥くと、黄色い。黄色い以上に、茶色くなっていた。

 完熟である。

 虫がついていない。


 珍しいこともあるものだと、畑でそのまま食べてみる。

「うまっ!」

 思わず声が出た。


 動きが止まった。

 2度見した。

 夏場の熱い時期である。太陽光で温められ、とても甘く、濃厚だった。


 他にもないか探し、落ちた鞘を拾った。

 祈るような思いで鞘を剥く。

 虫がいない。綺麗な完熟果実が姿を見せる。


 食べて見る。

 美味しかった。

 この年、木が小さいために収穫量は少ないが、全く虫に食べられていない食用ホウズキを、次々に拾って収穫した。


 木についているものは採らない。自然に落ちたもので十分だ。ただ、触っただけで落ちる果実だけは収穫した。

 虫害はゼロ、全て極めて甘い。


 誰かに食べさせてみようか。

 そう思って、常温の部屋に置きっぱなしにした果実があった。

 機会がなく、2ヶ月以上放置してしまった。


 鞘を剥いて見る。

 全く変質せず、綺麗なホウズキの実があったので、種取りした。

 保全性も極めて高い。


 食用ホウズキの主張を、聞けた思いがした。

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