17記
「王家十家って私たちの家、アイリスとリードも王道十家の家の一つなのよ。」
幾世代も世代を重ねて今のこの国で公爵家と呼ばれる家門がそれに当たる。
ヴァンパイアの歴史が刻まれていた時代、ヴァンパイアとVampは手を取り合って生活をしていた。
ヴァンパイアとVampの間に子どもが生まれ出ることもあった時代。
「この記述は、血の雨よりも前の時代の賢帝が続いた時代の記録になっているわ。」
血の雨の当時の国王は国民からは不人気で愚王とも一部では呼ばれているわね。
それで、えぇと。王道十家のことだったわね。
ここまでの話を踏まえて、ヴァンパイアとVampの間に子どもが生まれた場合はすべてVampになるの。
王族とVampでも例外はなく、Vampとして生まれてくる。
「王族と貴族のうちでVampとして生まれた者の間に生まれた、いわば王族に最も近いVampの子孫を10人集めて、公爵位を与えた子孫が私たちってわけ。」
その特徴は金髪碧眼。王家から遠くなればなるほどくすんだ色合いになっていくから、公爵家の人間はその色合いを守るために公爵家同士の縁組が多いわ。
より金髪碧眼に近い色合いが王道十家の特徴的なものの一つ。
「それにしても、カイアの瞳や髪は雑味のないキレイな色合いね。
どう見ても間違いようのない公爵家の血筋ね。」
公爵家の人間ではなく、公爵家の兄上が見つけて国に実子として届け出てくれた子供こそがこの俺。
父上が庶子を作ることなんて考えられないし、リードの子供ではない。
「カイアを抱えたモランが慌てて現れた朝もこのような朝だったか…。」
あら、旦那様何を見ていらっしゃるの?
森を眺める夫の視線の先、息子が赤子を見つけたと説明した場所がある。
懐かしいですわね。もう、17年になりましょうか。
何かに冷めたような目をしていたモランが初めて興味を持ったもの.
「アレは王族と見まごうばかりの髪と瞳を持っておったな。」
当時のモランは知らないことだが、このリード領の森と王城の森とは続いている。
過去には後宮から何らかの理由で逃げ延びる妃たちの隠れた逃走経路に使われていたとか、いないとか。
「常世の闇の魔法が解けた朝に見つけられたカイア…。」
王宮火災で王家の方々は皆命を落とした。
その夜、王宮で王族の健康管理を担っていた医師を保護した。
炎に巻かれ、酷い怪我をしていた彼の者を見捨てることができなかった為に命を落としてしまうまでの一昼夜を妻に知られることなく匿ったのだが…。
この事実は墓場まで持っていこうと決めている。
カイアが幸せになれる道を自分のその手で探せるように___。




