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悪役令嬢様は婚約者のダメ王子を捨てられない!!  作者: 加藤チョコミント
Episode5 悪役令嬢様は婚約者のダメ王子を捨てられない!!
26/27

和解、仲直り




「…った。……え?!」



ベネディクトは信じられないという顔をして頬を押さえていた。



「なんっっっにもわかってない!!!!!!!」


私はあまりの怒りに興奮して、肩で息をしていた。



「ベネディクト様はなんにもわかってない!!!!なんのためにこの前あんな恥ずかしいことをしたと思ってんの?!?!」



え?!なにが?!という興味津々の表情でハンナが見ている。



「なんで私の幸せを勝手に決めるの?!どうして自分と離れることが幸せだなんて思うの!!!

私はあなたと一緒じゃないと幸せになんかなれないって言ってるのに!!!

私のこと好きなの?嫌いなの?!」




「え、す、すき…。」




「好きなら!!!!どうやったら一緒に幸せになれるかって相談しなさいよ!!!!」




一通り叫び終わると、マティアスが


「ハンナと一緒だ…。」


と呟いていた。




ってかあれ?今好きって言われた?




「え、好き?!ベネディクト様は私が好きなの?」




「…うん。」




「じゃあなにも問題なんてないじゃない…。」



私は一体今までなにに怒ったり悩んだりしてたんだろう。



「ヴェロニカ様の言うとおりだよ。

もうさぁ、これから二人がどうやって幸せになるかを、この4人で考えようよ。」


ハンナが割って入ってきた。



「まずさ、ベネ様は王になりたいの?」



ベネディクトはしどろもどろ答えた。



「…なりたいというか…なりたいけど…理想と現実の差を埋められないというか…。

今もわかってもらえたかもしれないけど、僕はとにかく道を間違ってしまうから…。」




やっぱり彼が躓くところはそこだ。

サッと決めたり、 取捨選択をすることが苦手なのだ。



「ベネディクト様は…ベネディクト様の良いところは優しいところです。

それが王の素質として向いてないと言われてしまうのは悲しいです。」


私は思わず口を挟んだ。




「つか、思ったんだけどさぁ」


ハンナが考え込みながら話す。




「それってベネ様とマティアス様のパパの意見じゃん?

たった一人だけの意見じゃん。


その方針が万国共通なわけじゃないっしょ?

国が違えば方針とか気質だって変わるし。


別にいいじゃん、優しすぎる王様がいたって。

国を広げなくても、今この国は十分豊かだし。


それにここで兄弟でいがみ合ってたら、パパの思うツボじゃね?」



ハンナはニヤリと笑う。



「たしかに…。

きっと現在の王様は、マティアス様に継いでほしいと思っているはずです。

それは単に兄を押し退けてでも王の座につくような強かさがほしいんだと思います。」


私も言いながらハッとしてハンナと目を合わせた。





「「二人ともなればいいんだ!!」」






「二人で王様になりましょうよ!

ベネディクト様は人関わることが上手なんだから外交を専門にして、マティアス様は冷静な判断が得意だから、この国で起きる揉めごとを解決して、それでいいじゃない!」




「たしかに!そうだよ!

ね、ベネ様!適材適所が繁栄への近道なんだよ!!」


二人で興奮気味に話し、私は思わずハンナと手を取り合った。




「こうしたらみんなが幸せになれるじゃん!!!」


ハンナはマティアスとベネディクトのほうを見て満面の笑みで言った。



「二人で…?そんな…許されないよ…。」

「俺も無理だと思います。父上が許可しない。」


二人は同時に反論した。



「別に今すぐなるっていうわけじゃなくて、どっちかが継承することになったときに、勝手に二人体制にしちゃえばいいじゃん。

王なんだし、変えていいでしょ。文句なんか言えないし。」



ハンナがケロッと答える。



「ハンナ・ストランド…あなたは…本当に…。」


マティアスがまじまじとハンナを見ていた。




「前向きに考えていこうよ。

ここにいる全員で考えたら、良いこと思い浮かぶよ。」


らしくないくらい、フワリとした笑顔を向けるハンナにマティアスは目を奪われていた。



これは…きっといい方向に向かうなぁ、そんなことを考えながらベネディクトのほうを見ると、なんとも言えない表情を浮かべていた。




「ベネディクト様、どうですか?

これなら納得して、私と一緒にいてくれますか?」

 



「ヴェロニカ…ヴェロニカは…どうして僕なんかのために…。」 




はあ、とため息をつきながら言った。

「だから何度もあなたが好きだからと言っているじゃないですか。」




「…僕はそんな資格ないよ。君をたくさん傷つけたし、大事に思ってもらえることなんて何一つしてないのに。」



めんどくさいやつだなぁと思いながら少し考える。



「こうしましょう。

いままでベネディクト様からされた仕打ちについては全て忘れます。

あなたが許せてなくても、私が全部許します。


だから、この先は私のすることを許して、私を大切にしてください。」




「え?」




「今の私の気持ちがわかるようになるくらい、私のことを好きになってください。

そうしたら、きっとゴタゴタ言わないでしょう?」



ベネディクトは戸惑った表情を浮かべたまま、とりあえずコクンと頷いた。




そして私はハンナに近づいた。


「ハンナ…その、この前は誤解して責めたりしてごめんなさい…。」




わざとらしく、ジロリとハンナが見てきた。

「まったく傷ついちゃうなー。あたしはいつでもヴェロニカ様の味方してるのに。」




「あなたが裏切るなんてありえないのに、信じなくてごめんね。

できればその…仲直りがしたいわ。」




「しかたないなぁ、ヴェロたんは!」


そういってニマーと笑った。



この先、またなにかあるかもしれない。

また揉めたり、間違ったりするかもしれない。



それでもきっとまたハンナと力を合わせればなんとかなる、そんな気がする。


次回で終わろうと思います。

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