エピローグ これからの二人
全員で解散し、家に帰ってお風呂に入り、自室で寝ようかどうか考えながら髪を梳かしていると、バルコニーの窓をノックする音が聞こた。
驚いて、恐る恐る窓を開けてみるとそこにはベネディクトが立っていた。
「ベネディクト様?!?!」
驚いて声を上げると、すぐに後ろから抱きしめられるような形で手で口を塞がれた。
「ヴェロニカ、静かに!人が来ちゃうから。」
困ったように笑いながらそういうベネディクトは、正直超かっこよかった。
背の高いベネディクトに後ろから抱え込まれると、全身にベネディクトを感じて、どうしようもないくらいにドキドキした。
いい匂い……シャンプー?洗剤?なにこれ?
男の人ってこんな石けんみたいないい匂いするものなの?
「でも、どうして……?どうやって?」
「僕が小さい時、木登り上手なの忘れた?」
「い、いえ……覚えますけど、それにしても……。」
「ごめんね、どうしても今ヴェロニカと話したかったんだ。」
「なにを……?」
うーん、と一瞬考えるような仕草をした後、ベネディクトは続けた。
「今日、今の自分の気持ちがわかるくらい好きになれって言ってたけど、多分僕はもうわかってるよ。
だから、もうなにかに遠慮したり考えすぎるのはやめる。
それを伝えに来たんだ。」
「え、どういう意味ですか……?」
クスリと笑いながら私の顎を持ち上げて、ベネディクトは頭を傾けたかと思うと、唇を重ねてきた。
「……ん!」
驚いてつい反射的に押し退けようとしたけれど、腰と頭をがっちり押さえられ、逃げることは許されなかった。
ベネディクトの長いまつげが薄っすらと視界に入る。
「んむぅ、ん、ベネ……んん!」
ベネディクトは優しく私の唇を喰んでいたが、私は喋ろうと声を出そうと口を開くと、そこへベネディクトの柔らかい舌が滑り込むように入ってきた。
何度も向きを変えて、貪るようにキスをされて頭がクラクラしてくる。
舌を何度も絡められ、歯列をなぞるように舐められ、口蓋や頬の内側の粘膜を刺激され、舌を吸われる。
初めて感じる感触に背筋がゾクゾクして、頭がボーッしてくる。
ぷはっと口を離すとすぐにまた吸い付かれ、その繰り返しで、もうどれくらいそうしていたかわからない。
完全に手足の力が抜けてしまい、立っているのもままならないようになると、ようやくベネディクトは唇を離してくれた。
するとベネディクトは親指で私の口の端についた唾液をそっと拭い、
今度はぽってりと腫れてしまっているであろう私の唇をフニっと指先で押すと
「まったく鈍いね。
君が僕のことを想ってくれている以上に好きだって言ってるんだけど?」
いたずらっぽく口角を上げる。
これは…ランチの仕返しのつもりだ!
私、こんなに激しいキスなんかしてない!
「ベネディクト様…なんで、急に……。」
はあはあと息が途切れながら問う。
目の奥をキラキラさせて、面白くて仕方ないという表情で答える。
「あー……努力の方向を変えようと思って。
僕はいつも間違えるから、普段自分がしないことをしようと思ったんだ。
いつも自分のしたいことと、ちがうことを選んで失敗してるからさ。
今回は自分の気持ちに素直になってみたんだ。」
ベネディクトの方は呼吸の乱れもなく、なんともないかのようにケロリと答えた。
「ヴェロニカは、僕がどれだけ君を好きかなんて知らないでしょう?
だから、よくわかるように伝えようかなと思って。
……ね、伝わった?」
顔が真っ赤になるのを感じた。
こんなベネディクトは見たことない。
「え、そんな、あの……。」
「あれ?まだ伝わってなかったかな。」
そういってベネディクトが手首を掴んできたので、慌てて答えた。
「わかりました!とりあえず伝わりましたから!今日は!!」
ベネディクトはフフッと笑うと
「今日はね。了解。
でも僕もこれ以上したら歯止めが効かなくなっちゃいそうだし、よかった。」
そう爽やかに言ってバルコニーの柵に手をかけた。
「これから、もう遠慮しないし、マティアスに渡そうなんて考えるのはやめる。今日みたいにいっぱい伝えていくから、覚悟していてね。
ヴェロニカは自分は重いって言ってたけど、僕のほうがずっと重いんだから。
じゃあ、また明日。おやすみ、ヴェロニカ。」
そういってバルコニーから庭の木を伝って降りていった。
頭がパニック状態だ。
ベネディクトからあんな激しくキスされるなんて思ってなかった。
私をそんなに好きでいてくれるなんて思ってなかった。
これから毎日あんなかんじだったらどうしよう。
体と心臓がもたないかもしれない。
それに今日はこんなことをされて眠れるはずがない……。
「また明日……。」
そう呟きながら、先ほどのキスを思い出すように自分の唇をなぞって、ひとまずベッドに潜り込んだ。
顔も熱いまま。
あぁまたすぐに、会いたいな。
これで終わります。
ありがとうございました!!
初めて書いたのでもう酷いところが多くて自分でも悶絶しながら書いてましたが、とりあえず完結までいけたのでよかったです。
読んでくださった方、ブックマークをくださった方、評価してくださった方、本当にありがとうございました。




