Sideベネディクト③
更新時間の設定がうまくできていなくて遅れました。
すみません。
ブックマークしてくださった方本当にありがとうございます!!
ハンナが編入してきてすぐに、ヴェロニカに説得され謝罪に向かった。
ガーデンでハンナに会うとすぐにヴェロニカはなにか大切な話があるからと、僕を追い返した。
あまりの剣幕に言われるがままに引っ込むと、しばらくして話をつけたであろうヴェロニカから
「ハンナは全く怒っていないので、大丈夫ですよ。」
と言われた。
その後、時間を見つけてハンナに会いに行った。
「あ!!ベネ様〜!やほ!」
突然妙なあだ名で呼ばれてびっくりしてしまった。
ハンナのことは、もとより知ってはいたけど、こんな子だったかな…?
でも普段「ベネディクト様」「第一王子様」とこの体たらくで王子扱いされるのも気が滅入っていたので、ハンナが対等に話してくれることはものすごく気が楽だった。
「ハンナ、君には言ってなかったんだけど、僕が君を街で見かけて気にいって…その…アカデミーに口利きをして入学させたんだ。
それをしたあとで、ハンナ自身が特待編入試験を受けていたことを知ったんだ。
その結果を見せてもらったけど、君はおそらくそっちで受けていても合格していたと思う。
ただ、その…裏口入学させたことは変わりなく、他の生徒たちへの心象も良くないし、君にはとんでもなく申し訳ないことをした…。
ごめん…。」
頭を下げたまま一気に話してから、少し頭を上げてハンナを見るとキョトンとしていた。
そしてすぐに豪快に笑いだした。
「えぇ〜?そんなんいいって!!アカデミーに入ることが大事だったし!!気にしてないよ!!」
バシバシと肩を叩かれ、拍子抜けした。
その後、勉強を頑張って、周囲になにか言われることがあったら跳ね返すこと。
僕が教えられるであろうマナーやダンスレッスンは教えてあげること、そんなことを約束した。
それらの話を終え一息つくと、ハンナは急に顔を近づけて小声で話しかけてきた。
「ねね、ベネ様はさ、ヴェロたんのこと、どう思ってるの?」
「え?!?!ど、どうって…」
「ヴェロたん婚約者じゃん?それって嬉しい?どうでもいい?」
ヴェロニカが婚約者で嬉しいか、なんて誰にも聞かれたことがなかったので戸惑った。
「うれ…うん、光栄だなと思うよ。」
「それって好きってこと?」
「好ましく思ってはいる…かな。」
「じゃさ、なんでベネ様は他の女の子と仲良くすんの?ヴェロたん嫌がってるよ?」
あまりの遠慮のない怒涛の詰問に、そのままポツリポツリと僕がしてきたことや、思っていることについて話してしまった。
一通り聞き終えたハンナは大きくため息をついた。
「ベネ様、大変だったんだね。苦しかったよね。」
苦しかった。
そうだ、僕はずっと苦しかったんだ。
そう自覚すると同時に、頬を涙が伝っていた。
「でもさ、ヴェロたんはまだベネ様を諦めてないよ!
それに、絶対王妃とかそういう立場じゃなくて、単にベネ様のそばにいたいと思ってるだろうし。
今あたしに話したこと全部ヴェロたんに話してみなよ!
絶対受け止めてくれるし、一緒に考えてくれる。
ヴェロたんだけじゃないよ、あたしも力になる!」
そんな風に微笑みながら優しく言葉をかけられて、思わずそのまま泣いてしまった。
誰かの前でこんなにみっともなく泣くことなんてなかったけど、ハンナは不思議と恥ずかしいという気持ちにはならずにいられた。
「あ!!」
突然ハンナは叫んだ。
「やべ!ヴェロたんの仕事取っちゃった〜。この役、絶対ヴェロたんがやってあげたかったとおもうんだよなぁ…。」
思わず笑ってしまった。
「僕はこんな恥ずかしいトコ見られるのはハンナで良かったと思ってるよ。
ヴェロニカの前では、やっぱりちょっとくらいカッコつけたいしね。」
そう言うと、ハンナはニマーと笑った。
「うん!超!!推しカップルだわ!」
その後で少し考え込んで、先程までと真逆で遠慮がちに話し始めた。
「あのさ…その…あたし…マティアス様…好きなんだけど…。」
「え?!」
「協力…してほしいっていうかぁ…。」
「それはもちろ…っあ!」
僕はヴェロニカを見つめるマティアスの姿を思い浮かべてつい声をあげてしまった。
もちろん誤魔化そうとはしたけれど、ハンナにはとことん問い詰められ、白状する他なかった。
「…なるほどね、マティアス様はヴェロたんが好きなのかぁ…。」
「ごめん…。やっぱりショックだよね?」
「まぁー多少はね!でもまぁそんな世の中上手くいかないしね!
別にいいよ。あたしのこと、頑張って好きになってもらうし!」
あまりにも前向きなハンナをみて驚いた。
この儚げな見た目と裏腹のパワーに圧倒された。
「あたし、マティアス様だけは諦められないし!!」
そうニカッと笑うハンナに僕も勇気づけられた。
「できることはなんでもするよ。
それに僕も、マティアスにヴェロニカを取られたら困っちゃうしね。」
「お!そんな気分になってくれたかー!!
ベネ様ってばさっきまでマティアスに譲ろうとしてたくせに!」
そんな風に無遠慮にツッコミを入れるハンナのことが、友人としてとても好きになった。




