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【徒然妖怪譚】私とトウフの奇妙な共同生活  作者: 只野誠
【第十一章】私と友情とやっぱり脳破壊で新しき道

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【第十一章】私と友情とやっぱり脳破壊で新しき道【百九話】

「こ、これがオラなんか……?」

 新だに届いだ服は、ほんに花のように綺麗でめんけぇ服だった。

 それをオラさ、身さ着げでらどが、よぐわがらん。

 よぐわがらんが、なんだべが、胸がどぎめいでどまらん。


「角を隠すだけでも意外とマシになるな。後は化粧でどうにかできるな」

 カズミがそう言って手鏡でオラの姿見せでける。

 手鏡さ映ったオラは、オラでね別のめんけ何がが映ってだんだ。


「クネさん、女の子みたいで可愛いですね!」

 トウフ屈託のね笑顔でそう言ってくる。

 オラ、女の子? しかもめんけ?

 オ、オラ、どうにがなっちまうえんた。

 わ、わがらん、わがらんのに、なしてが手鏡の中の自分の姿見れば、顔がにやげでしまう。


「思った以上に似合ってやす。五体満足でうらやましゅうござりんす」

 カラカサの奴、オラうらやましそうに見でら。

 そうが、カラカサは脚しかねがらな。

 こんた服はぎれもんな。

 だんて、傘の色どが変えでらのが。


「クネなのか…… う、うーん……」

 けんど、アライはえ顔してぐれね。

 似合わんか? そうだよな、オラには似合わんよな。

「なんだ、不満かアライ?」

 俯いでしまったオラの代わりに、カズミがアライさ聞いでける。

「いや、親友がいきなり女の恰好をしているんだぞ? 戸惑わないほうがおかしいだろ?」

 それは、そうがもなぁ。

 オラもボロボロの着物にふんどしだったしな。

 いぎなりオラがこんた服着だら、確がに戸惑いはするよな。


「それは、まあ、そうか? そうかもな」

 カズミはそう言って納得した顔見せる。

 けども、オラは見逃さね。

 納得した顔しつづ、カズミはにんまり笑み浮がべでらごどに。

 コイツ、なんか企んでやがる。


「でも似合ってて可愛いですよ!」

 トウフは素直にそう言ってける。

 うれしぇのお、うれしぇのお。

 なんでこんた善良な妖怪、カズミなんかど一緒におるんや?


「そうかそうか、トウフ。おまえも良く似合うと思うぞ」

 そう言って、カズミはにやげながら、オラの服どご……

 いや、トウフの金で買ってもらったがら、実際はトウフの服なのがもしれんな。

 それをカズミはトウフさ当でがおうとしとる。

 トウフは嫌がってらようだがの。

 正直、オラもオラよりもトウフのほうが似合うぎがするのぉ。


「え? ボク、男の子ですよ! 似合うわけないじゃないですか」

 そんたなよなよしながら言われでも、説得力は皆無だのぉ。

「クネだって男の子だろ?」

 カズミはそう言ってオラを見る。

 う? うーん? あんま意識したごどねがったが、やっぱしオラはおどごなんか?

 まんず、んだな。

「でもクネさんは性別明らかになってないじゃないですか」

 妖怪だしな。

 性別なんてさほど気にするものでもねべ?

 生垣を揺するども、男も女も関係ねやろ。


「あー、妖怪だからその辺も曖昧なのか?」

 難しぇ顔してカズミが何が悩み始めだ。

 何、悩んでおる。

 まんず、どうせろくなことじゃねんだべな。


「名前に性別が分かりやすう入っていたり、出自がはっきりしている場合はそうではありんせんけど」

 カラカサ補足もしてける。

 確がにそうだな。

 カラカサは、だんて唐傘小僧ではなぐ唐傘お化げなんだよな。


「豆腐小僧は小僧だから男で、唐傘は花魁が使っていた傘だからか?」

「あい」

  カズミの問いにカラカサが答える。

 カラカサは花魁の傘の付喪神になった奴なんか。

 んだども、こんたにもげばげばしぇのは花魁ってわげだんてでねよな?


「じゃあ、場合によっては、ぬらりひょんも婆さんになるのか?」

 コイツ、我らが妖怪の総大将になんてごど聞ぐんだ?

「まあ、場合によりけりじゃな」

 さすが妖怪の総大将じゃ。

 ごしゃぎもせん。

 なんていう器の大ぎさよ。


「妖怪って本当に曖昧なんだな。それなら…… 大いに希望はあるな」

 んだども、カズミは何やらよからぬ企み抱えて、ニヤニヤしておる。

 ほんに不気味な奴じゃ。

「我らはもとよりそういう曖昧な存在よ」

 総大将殿よ。このカズミどがいう女、どご野放しにしてでえのが?






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