【第十一章】私と友情とやっぱり脳破壊で新しき道【百五話】
小豆洗いは少し緑ががった豆取り出す。
枝豆が、って思ったがなんか違う。
小豆のように綺麗な豆ではねえ。
それ平らな鍋で焙りだした。
そのうぢ、香ばしえい匂いが立ぢ込め始める。
こん匂いは、まんず、認めぢゃる。確がに良ぎ匂いだぁ。
だが、小豆洗いよ。おめがやるごどはそんたよぐもわがらん豆炒めるごどじゃねぇ。
小豆洗うごどだぁ。
なしておめだば、そんた豆にうづづ抜がしてらんだぁ?
昔、オラさ小豆についで深ぐ語ってけだおめはどご行ってしまったんだぁ。
「おい、アライ、おまえの元カレが浮かない顔をしているぞ」
カズミどがいう人間の女、小豆洗いにそう言って顔ニヤづがせる。
なんだ、こん女、ニヤニヤし追ってがらに。
感じのわりぇ奴だぁ。
「元カレじゃねぇよ。んー、まあ、幼馴染って奴だな」
そうだ、オラど小豆洗いは幼馴染みでゃなもんだ。親友だぁ。
「じゃあ、元カレみたいなもんだろ?」
そもそも、元カレってどんた意味だぁ?
その言葉になんでこだわる?
「なんでそうなるんだよ。それに俺様は男だ! 女じゃない! コイツも男だぞ!」
男女の仲っつーごどが?
まんず、オラど小豆洗いは確がに仲がえがらな、勘違いされでも仕方がね。
「まあ、その辺はいいんだよ。細かいことは気にするんじゃない。でもいいのか? 幼馴染だが元カレだかが、落ち込んでいるぞ」
オラ、落ぢ込んでらのが?
確がに小豆でね豆さ現抜がしてらごどには失望したげども。
「いや、まあ、あいつは昔からあーなんだよ。俺様も別に小豆が嫌いってわけじゃないし、どちらかといえば愛着もある」
は? おい、小豆洗い、おめだば何言ってら?
別さ嫌いでね?
何言ってらんだ。おめだば小豆のごどしか考えね小豆狂いの男だったべ?
どうしちまったんだ、小豆洗い!?
「うん? けど、おまえの元カレは信じられないって顔を浮かべているぞ?」
カズミどがいう人間の女がそう言って、オラ見でくる。
確がにその通りだ。
小豆洗いの言ってらごどが、オラには理解でぎん。
「だけど、元々それほど執着はしてないし、小豆の質なんかも小豆相場に手を出してから、分かるようになったくらいだぞ」
な、何言ってんだ?
小豆の質も分がらね?
そんたわげがねべ?
おめだば小豆洗いなんだぞ?
だんだども、カズミどがいう人間の女は、それよりも小豆相場のごどが気になってらようだ。
「んー、おまえの言う小豆相場ってなんなんだよ。なんかの隠語じゃないのか?」
「その辺は教えるわけにはいかねぇな」
小豆洗いはそう言って得意そうな顔する。
かっこえ奴だな。
「急に闇の住人になるじゃん。まあ、それはいいよ」
なんかよぐわがらねが、かっこえやり取りしてらなぁ。
オラよりもその人間の女の方がえのが? 小豆洗ぇよ?
その女にだぶらがされだのが?
「俺様は妖怪だ。元々闇の住人だぜ?」
そうだ、オラだぢは闇の住人じゃ。
人間の女、オラど小豆洗いの仲さ割り込んでくるんでね。
「それもそうか。んー、じゃあ、なんでおまえの元カレはあんな浮かない、心配そうな顔をしているんだ?」
オラ浮がね顔してら?
ち、違う、小豆洗いど人間の女の仲さ嫉妬してらわげでね。
「元カレじゃないって言ってんだろ? だから、あいつは元々あーいう奴で、現実の俺様と空想の俺様の区別がついていないんだよ」
何言ってら? 小豆洗い?
オラだって現実ど空想の区別づいでね。
おめが都会来て変わっちまっただげだべ?
やっぱしその女原因なのが? そうなのが?
「なんだそれ。ヘラってんのか。おまえの元カレは」
ヘラ?
オラはクネユスリでヘラでねぞ?
「だからな、元カレではないと」
そもそも、元カレって、ほんに男女の仲のごどなんか?
オラは頭おがしくなっちまいそうだぞ。
「ここにはまともな奴はいないんじゃな」
ぬらりひょん様がそう言って、
「ようこそ」
と、同意するようにアブラスマシが、そう答えだ。
なんなんだ、こごは。




