【第十一章】私と友情とやっぱり脳破壊で新しき道【百四話】
「おめ、何があった? なんで、こげん小豆で満足しちょる?」
焙煎しこっふぃ豆でいうもの見せでもらった。
確がに香ばしぇえ香りがするもんだぁ。
だげどぉ、おめが求めでだ豆は小豆だべが。
なんで、こげんもんにうづづ抜がしておるんや。
いや、これは小豆の新しぇ形態なのがもしれんなぁ。
なんせ小豆洗いがこんたにも熱心になってらんやがら。
人間は時どして、不思議なもん食うもんだ。
毒の芋を手間暇がげで、コンニャクにしたり、毒もづフグを料理したりど。
これもそう言ったもんなんだよな?
この茶色ぇ豆も大元は小豆なんだよな?
「クネユスリ…… 俺様は出会っちまったんだよ、運命の豆、珈琲豆とな」
そう言って見せでけだこっふぃ豆どやら大事そうに回収していぎおった。
そもそも、何なんだその豆は?
ほんに小豆なんかな?
「こっふぃ豆ってなんだ? まっ、まさが、小豆以外の豆なんか……」
そんたごどはねよな? 小豆洗い?
おめ、小豆洗いなんだよな? その豆も小豆なんだよなぁ?
「そうだ」
悪びれずに、平然どそう言った小豆洗いの姿オラにはぼやげで見えだんだ。
まなぐから涙っこ自然ど溢れでくるんだ。
「おめ、おめ…… おめ、小豆どご…… 小豆なげだんか?」
コイツ、ほんにあの小豆洗いなんか?
小豆愛してやまね小豆洗いなのが?
オラには到底信じられん。
「捨ててねぇよ。ちゃんと小倉トーストして……」
そう言って、小豆洗いは餡子どご乗っけだ料理を指さしたんだ。
確がに、この料理には餡子使われでら。
んだども、昔、小豆洗いが愛した餡子の味どはどごが違う。
昔ながらの素朴な味わいはそさはなぐ、餡子以外の濃厚な別の旨味が加えられでら。
これ、こんたもん小豆洗いが作るだなんて、オラには思えん!
「こん食いもんも、小豆だけじゃない何か別の混ぜもんしてるだろ!」
小豆や餡子の濃厚さでねなにがが混ざっとる!
油分でいうが、濃厚さでいうが、確がに味どしてはあってはいるが、これ小豆洗いが、小豆どして、餡子どして、題してえもんでね!
ねんだぁ!
「ん? いや? 普通に焼いた食パンの上にバターと餡子を乗せているだけだぞ?」
小豆洗い!?
何やその反応は?
なんでおめはそげん平然どしてられるんや?
おめの大事な小豆がら作った餡子さ混ぜもんしてらんやぞ?
「そん、ばだぁどがいうもんが、混ぜ物でねのが?! これはおめが作る餡子やね!」
そうだ。
おめの作る餡子は、もっと純粋で素朴なものでなぇばならん!
「いや、そもそも餡子の時点でたっぷり砂糖使っているぞ? 昔から……」
そもそもオラはさどっこも認めでねんやがらな。
おめの餡子は小豆だげでえんや。
それ以外のものは異物でしかねんや!
んだども、おめがどうしてもでいうがら、さどっこは認めでけだんだぁ!
「さどっこはまだえ! だが、この脂はなんだ!」
黄色ぐどろげるこの脂の塊はなんだぁ!
んだども後引ぐ旨さだなぁ。
「なんだよ、小豆過激派か?」
カズミどがいう人間の女がそんたごどオラさ言ってくる。
過激派どはなんだ。
オラは当だり前のごどしか言ってね。
小豆洗いの小豆はそいだげで完成されだ存在なんだ。
それに何が混ぜ物するごど自体間違いなんだ。
「どちらかというと、小豆洗い過激派じゃな」
オラのおべん妖怪がそんたごど言いおった。
だれだ、この妖怪は……
「おまんさんは誰ぞ!」
「ワシか? ワシはぬらりひょんと申す者さ」
そう言って、その妖怪はニヤリど笑いおった。
「クネユスリ! おまえ、ぬらりひょん様に何て口を!」
小豆洗いが慌ででオラを注意してくる。
「ぬぅ、ぬっ、ぬらりひょん!? こんお方、あの!? 総大将のぬらりひょんだでいうんか!?」
こ、こん妖怪、あのぬらりひょんっていうんか?
我ら妖怪の総大将ど噂の?
「そうだぞ」
小豆洗いはそう言って誇らしげな表情しとる。
な、なるほど! さすが小豆洗いじゃ!
おめ、妖怪の総大将共におったんか!
もしや、総大将の右腕にでも上り詰めでだんか!?
さ、さすが、おらの親友小豆洗いだぁ!
「すごい人気だな、大家さん」
「やめてくれ、本当にワシも困っておる……」
カズミどがいう人間の女がそう言えば、妖怪の総大将は少し困ったようにそう言ったんだ。
妖怪の総大将困るようなごどがあるでいうのが?
オラには想像もづがん。




