【第十一章】私と友情とやっぱり脳破壊で新しき道【百三話】
「と、いうわけでアライ。お前の元カレのクネユスリが会いに来てくれたぞ」
そう言ってオラさ紹介されだ妖怪は、オラがおべる小豆洗いでねがった。
小奇麗な、人間の子供が七五三の時に着るような、そんた服着でだんだぁ。
これがあの小豆洗い? 小豆洗いなのがぁ?
「元カレ? 親友ではあるが……」
小豆洗いで思われる妖怪が、怪訝そうな顔してそう言った。
親友!! やっぱし前は小豆洗いなのが?
小豆洗ってだ時の姿、これっぽっちもねぞぉ?
「お、おめ…… 小豆洗いが? そうなのが?」
親友相手さ、オラは何聞いでらんだぁ?
「そうだが、どうしたんだ?」
そう答える小豆洗いは、確がに小豆洗いだ。
オラど一緒にふと脅してだ時の、小豆洗いだぁ。
んだども、なんだ? なんだが嫌な予感が止まらんよぉ。
「そ、そんた人間のような格好して、おめ、どうしちまったんだぁ?」
嫌な予感を縫うようにオラは小豆洗いに聞ぐ。
何があってそんた格好おめはしてらんだぁ?
「クネユスリ、俺様はな、出会っちまったんだよ。運命の豆にな」
運命の豆?
ああ、おめはそんた奴だよなぁ。
いづでも小豆さ真剣さ向ぎ合う奴だぁ。
そうが、都会へやって来ても、小豆洗いは小豆洗いだったでいうわげがぁ。
オラの心配しすぎだったんだのぉ。
けんど、俺様ってなんだ?
「お、俺様? 運命の豆? そんたすんごい小豆見づげだんかぁ?」
「お前もこれを飲めばわかる」
そう言って、小豆洗いに黒ぇ飲みもん出されだぞ。
なんだ? これは小豆のゆで汁が?
それにしては匂いが違うしなぁ?
「この真っ黒な汁はなんだ? 小豆の茹で汁じゃあないよな?」
「珈琲という奴だ」
こっふぃ?
なんだそれは?
んだげども、折角小豆洗いが出してけだもんだぁ。
手付げねぐぢゃなぁ。
「なっ、苦っ、なんだぁ、これ?」
なんだこの飲みもんは?
苦ぐで飲めだもんでねぞぉ?
それにこん飲みもんからは小豆の味はせんぞ?
じゃあ、これはいったいなんなんだぁ?
汁粉ど偽って人間だます用のもんか?
「フフッ、苦いか。なら、これとこれを入れるがいい」
そう言って、小豆洗いはオラの前さ白ぇ液体ど、白ぐ四角ぇ物体二づ置いでけだぁ。
なんだ、これは?
「これはさどっこか? こっちは…… べごの乳が?」
白ぐで四角ぇのは匂いでさどっことわがった。
んだども、白ぇ液体のほうは正体がわがらん。
べごの乳に似でいるげんども、べごの匂いがせん。
「まあ、入れてみなって」
「入れだで」
小豆洗いに言われるまま、白ぇ液体ど四角ぇさどっこ、真っ黒な飲みもんの中さ入れる。
「よくかき混ぜろ」
それも小豆洗いの言う通りにする。
「混ぜただぁ」
「さあ、飲め」
これで何が変わるでいうんだ?
そう思いづづも、オラは茶色ぐなった液体を啜った。
「おおー、飲みやすくなってらなぁ」
なるほどぉ、これは元々こうやって飲むもんなんだなぁ。
じゃあ、なんで最初がらそうしてぐれねんだぁ?
「これが珈琲だ」
「これも小豆なんか?」
こんた飲み物も小豆がら作れるんであれば、小豆はほんに万能食材だのぉ。
「小豆はこっちだ。小倉トースト、一丁!」
そう言ってオラの前さ甘ぐ、そして輝いで見えるものが出されだ!
小豆じゃ。まごうごどなぎ小豆洗いの小豆じゃぁ!
しかも旨ぇ! 一口がじっただげで、その旨さが分がる。
んだども、この脂のように下さ広がる濃厚さは小豆のもんでね。
何が混ぜもんがされでおる!?
「これは旨ぇが…… 旨ぇんだが、ほんにおめ、小豆洗いなんかぁ?」
オラは信じられねまなぐで、小豆洗い見でしまう。
小豆洗い、小豆一筋のおめに何があったんじゃ?




