表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
77/90

大切な人たちを守るために①

つまり、天使の結界で守られている国は、恩恵を得る代わりに、俺たち天使の従属国となっている。

そんな国の一つ、ネーア王国は大陸で三番目の国土を有し、天使ザナフェル……つまり、俺を敬う神聖国家。

そのお祭りっていうと、もしかして――?

俺が抱いていた危惧は現実のものとなった。


「これって……」


俺は、その光景を目の当たりして愕然とする。

お祭りは教会の近く、街の中心地で行われていた。

厳かな服をまとった聖職者たちの中心に、それは開催されている。

そこには初めて、リリアーナ王女に憑依した時、儀式の間にいた人たちもいた。


「天使ザナフェル様……感謝いたします」


彼らは一心に祈りを捧げていた。

周りの人たちも、熱心に無事、平穏に過ごせたことを感謝している。

天使ザナフェルに。

……つまり、俺を敬うお祭りが開かれていたのだ。


「天使の加護に感謝し、来年の幸せを願う建国祭。名目は、天使ザナフェルに感謝を伝えるお祭りだよ」


ミカエル兄様は、動揺する俺の様子から、望む答えを引き出せたらしい。

メイン会場に近づくに連れて、どんどん人が増えていく。

夜遅くなのに、会場内はすごい人だかりだ。


「この街で、こんなお祭りが開かれていたんだな」

「建国祭。この時期にしか、開かれていないお祭りだからね。ザナフェルはまだ、この街の教会に行っていなかったから知らないよね」


俺の疑問に、ミカエル兄様がかいつまんで説明する。


「何で、それを……?」


俺の反応に、ミカエル兄様は満足げに微笑む。

これって多分……知っていた。

いわゆる、確信犯なんじゃ!

俺が困惑していると、ミカエル兄様は優雅な仕草で手を差し出してきた。


「じゃあ、ザナフェル。早速、建国祭を楽しもうか」

「……えっ?」


ミカエル兄様にエスコートされたまま、メイン会場に足を踏み入れる。

貴族の人達が、散歩に使う場所でもあって、中は歩きやすいように整備されていた。

周りを見回せば、他にも貴族らしい人たちの姿が見える。


「ザナフェル。『これは絶対に見たい』とか、『行きたい』っていう催し物はある?」

「ダナー商会について知れる場所かな」

「それは言えないよ」


とても含みのある即答だったから、俺は怪訝そうな顔をした。

視線を向けると、ミカエル兄様はすべてを把握したような顔をしている。

つまり、その問いの答えも持っているんだけど、言えないってことなのだろう。


「それって、彼らと内通しているから?」

「内通とは人聞きが悪いね。私はいつだって、ザナフェルのことしか考えていないよ」


俺は仕方なく、催し物について考えてみる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ