ビデオレター、その後…
あらすじ:私リズ!【瑛美】のビデオレターを観たわよ!
「以上よ!」
部屋が静まり返る。
ケンドリックがゆっくりと静寂を破った。
「エリーゼ…」
「どうしたの?ケンドリック。」
その時、エリーゼはケンドリックの腕に包まれる。
「君の想いは、瑛美の両親にちゃんと伝わっていたよ。」
「…!そう。良かった。…【私】の事、忘れなかった?」
「当然。でなければ、私は前世で一生独身を貫いていないよ。」
「ちょっと!そこまでする必要はなかったでしょ!…もうっ!」
エリーゼはケンドリック引きはがし、膨れっ面を見せた…後、呆れたように微笑んだ。
「本当に…仕方ないんだから…バカ。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「…」
「リズ?どうしたの?」
エリーゼは呆けているリズに話し掛ける。
「…私このビデオレター知らないんだけど…」
「えっ!?」
リズの言葉に驚くエリーゼ。
「あー…エリーゼ。申し訳ない。」
少し申し訳なさそうな表情で話すケンドリック。
「実は…このビデオレターを見たのは瑛美が居なくなったしばらく後だったんだ…で、リズは今、ゲームをクリアした辺りの記憶までしかないから…」
「えっ!?な、何故そんな遅いタイミングで…!?」
「その…紗貴への手紙と同じタイミングで渡しただろ…?」
「あっ。」
エリーゼは思い出した。
「…観るタイミング、教えてなかったわね…」
そう、【瑛美】は【健斗】に手紙とビデオレターを渡すだけ渡して観るタイミングを全く伝えていなかった。
とはいえ、当時の【瑛美】は多くの話をするほどの力が無かったため、仕方がない話であるのだが…
「し、しかも…手紙の後に作ったから時系列がめちゃくちゃになってるし…しまったわ…!」
エリーゼはしゃがみこみ、頭を抱える。
…が、すぐに立ち上がった。
「まあ、仕方がないわね!どっちにしろ、皆が観ることが出来て良かったわ!」
すぐに立ち直ったエリーゼを見て、ケンドリックは苦笑いを見せた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
一同が解散する直前、リズはエリーゼに話し掛けた。
「お母様。」
「どうしたの?リズ。」
「…今度は笑って見送りますから。」
「やあねえ、私は長生きするって言ってるでしょ?…でも、よろしくね。」
そう言ってエリーゼはリズを抱きしめた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
帰り、リズとタイラーはタイラーが乗ってきていた馬車の中で向かい合って座っている。
リズと一緒に来ていたリュミー、メイル、フルールは元々リズ達が乗っていた馬車に乗って帰っていた。
(リュミーったら…『言いたいことがあるのなら、早い方が良いですよ。』だなんて…どこまで察しているのかしら?)
そう思っていたリズはふと前を向く。タイラーは視線に気付くと爽やかな笑顔を見せた。
リズはその笑顔にやられつつも、意を決してタイラーに話し掛けた。
「タイラー様。」
「どうかしましたか?リズ嬢。」
「あの時の返事をまだしておりませんでしたね。」
「あの時?」
「はい。私が倒れてしまった時ですわ。」
「ああ!あのと、き、の…えっ!?」
リズはタイラーをまっすぐ見据えて想いを告げる。
「私も、お慕いしています。タイラー様。」
「…リズ嬢…」
「しかし…私、普通の令嬢のようなおしとやかさはございませんし…何より、普通の方には無い前世の記憶がございます。」
リズは少し申し訳なさそうな表情でタイラーを見つめる。
「こんな特殊な事情を持っている私を…それでも愛していただけますか?」
「当然、生涯かけて…いや…」
タイラーはリズの前に跪き、顔をまっすぐ見据えて告げる。
「今世でも…来世でも、愛してみせます。」
「…タイラー様…」
2人の顔が近づく。
瞬間
ガタンッ!!
ゴンッ!!!
「いったあああい!!!」
「…っ!…っ!」
2人の額がぶつかる。
「も、申し訳ございません!」
「い、いえ…大丈夫ですわ…っふっ…!」
リズは体を震わす。
「…ふふっ…!」
「…ハハハ…!」
リズの笑いに、タイラーもつられる。
2人きりの馬車の中は笑いに包まれた。
(…私、今最高に幸せな気分!)
リズは幸せを噛み締めるのであった。
次へ続く!
最終話まで後2話です。応援お願いします。




