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VS ベリアル ③

さてベリアル本体の実力は?

ベリアルの選別が終り、戦えるメンバーが揃った。

そこで、ベリアルの声が再び響く。


「さて、今から姿を表しますが・・・最大の結界と防御の態勢を保って下さい」

「いきなり攻撃魔法か?」

「いえ、いえ、私の魔力の放出で先ほどの結界と同等の衝撃があると思いますので、備えていただければと、思いまして・・・」


つまりベリアル本体が出現するだけで、さっきの衝撃波と同じぐらいの魔力が放出されるのか?


「じゃあ、ぼちぼち行きますね!!3・2・1・・・」


カウントダウンと供に、俺達の前にベリアルが突然現れた。

同時にベリアルから衝撃波を伴う魔力が放出される。

3重に張ってある結界が全て消えて、俺達に突風が吹き荒れるような衝撃が来た。


「ぐっ!!これほどとは!!」

「ね!?ふるいにかけた意味が理解できたでしょう?」


理解もなにも、魔力が普通に放出されているだけなのにこの威力。

ベリアルの本体は規格外だった。

こいつが最初から全力なら、一瞬で全滅させられているのではなかろうか?


「さすがにここで手抜きをする訳にはまいりません。覚悟して下さいね」

「それはこちらのセリフだ!!」


ダミアンが言うなり突進し、剣を振り下ろす。

剣に魔力を纏わせているのはいつもの事だが、踏み込んだ瞬間に足元に魔法陣が広がり、その魔法陣に右足が乗った。

同時に俺がダミアンにブーストの魔法をかける。

ダミアンの身体は一瞬眩く光り、それが剣に集まって行った。

右手でダミアンのロングソードを受け止めていたベリアルだったが、豆腐のようにスパっと切れて、そのまま斜めに身体が2つになった。


「うおぉぉぉー!!」


ずるっと、上半身が落ちるところを、ダミアンは叫び声と供に、続いて横薙ぎにロングソードを払う。

が、どのような仕掛けなのか、上半身が落ちている途中で止まり、ベリアルの左手がダミアンの剣を受け止めた。


「なっ!?」


ダミアンは驚きの声をあげながらも、剣を手放してバックステップを踏んで下がった。

その剣を避雷針にして、ライサンダーがやはりエバートンから受け取った魔法陣に足を乗せ、得意の雷撃の魔法を撃ちこむ。

今まで見たこともない雷球が出現しベリアルが掴んでいるダミアンの剣に吸い込まれた。

1秒ぐらいの間を置き、剣は砕け散る。

その砕け散った破片の一つ一つに雷球が出現し、無数の雷球がベリアルを襲った。

その雷球が消える前に、魔術師達が攻撃魔法を打ち込む。

俺もη(イータ)= 絶対零度と闇魔法を打ち込んだ。


様々な光が入り混じりベリアルの姿が見えなくなる。

暫くすると、状況がはっきりと見えて来る。

粉々になったベリアルの身体が落ちていた。

だが・・・粉々になったベリアルの一番大きな欠片、首がしゃべり始めた。


「これは本当に驚いた。油断したわけじゃないのに、本体をここまで、粉々にするなんて・・・」


ベリアルの言葉が終わる前に、今度はエリーが魔法陣に足を乗せ、


「消滅しろ!!」


魔力をベリアルの欠片に打ち込んだ。

エメラルド色の魔力がビームとなり、ベリアルの欠片に向かう。


「おっと、まずい!!まずい!!」

「えっ!?」


ベリアルの欠片が一瞬にして集まり、ベリアルの身体は元の身体に戻った。

と、同時に左手がエリーのビームを吸収し、消してしまう。

そして、ベリアルが右手を前に差し出すと、エリーが発したビームがそのまま、エリーへと戻って行った。

エリーもまた、ベリアルと同じように左手でビームを受け吸収する。

だが、もう一度ビームを発射することはなかった。


エリーがビームを発射している間に、デトレフさん、アイオロス、クラウスが

ベリアルを3方向から、取り囲み、魔力を纏った剣を振り下ろした。

が、俺のブーストと魔法陣の援助を受けても、今度はベリアルに傷ひとつつけることは出来なかった。

すぐに3人は、下がり、入れ替わりにディートリッヒが切りかかる。

だが、ディートリッヒはベリアルに近付けなかった。

約1mぐらいの距離にベリアルに近付くとディートリッヒは、凄まじい勢いで弾かれ、こちらまで飛ばされて来た。


「ぐぅ!!」

「攻撃が!?」


ディートリッヒは、こちらに転がったまま起き上がれない。

すると今度はベリアルが語った。


「本気を出すつもりでも、どうしてもあなた方を甘く見てしまう。これが私の欠点ですね。ですから、まず私を攻撃できなくしました。もはや私には攻撃は届きません」

「これならどうだ?」


俺は試しにファイヤー・キャノンをベリアルにぶつけて見た。

ファイヤー・キャノンはベリアルに当たる前に反転し、俺に向かって返ってきた。

防御結界が発動し、ファイヤー・キャノンは消えた。


「攻撃力の小さな魔法で試すとは、さすがですね。6大魔法ならそちらに多大な被害が出ていたでしょうね」


こいつ、どこまで本気でどこまでふざけているのか?

だが、こちらの攻撃が全く通用しないのは事実らしい。

ディートリッヒは奥の手を使おうとして、その前に弾き飛ばされた。


「攻撃が私に届かない以上、次は私が攻撃する番ですよね?」


ベリアルの目が真赤に光った。

両手を真上に挙げ、振り下ろす。

と、その瞬間凄まじい重力が俺達全員に掛かった。

重力変動無効の指輪が光り、俺達を圧殺しようとしている力を無効にしようとしているのだが、軽減するに止まっている。

俺達は全く動けなくなってしまった。

一歩たりとも動けない、腕を上げることさえ出来ないのだ。


「これで、身動きも出来なくなりましたね。本当ならこれで潰れて終わりのはずだったのですが、さすがエバートン参謀の結界指輪ですね。私の力をここまで評価して結界を構築していただけるとは、予想以上です」


ベリアルが俺達を讃えなだらにっこりと笑い


「ですが、次の攻撃は耐えられますか?」


ベリアルの右の掌から、闇が煙のように噴出し始める。

同時に左の掌からは、冷気が迸り始めた。


「連続6大魔法のη(イータ)!!」

「正解です。私は一度受けた攻撃魔法は、再現できるのですよ。ですから、これに先ほどの・・・」


ベリアルの周囲につむじ風が起こり、らせん状に回転して上昇し始めた。

それが徐々に横に倒れ始める。


「まさか・・・」

「まさかではありませんよ、エバートン参謀。あなたの最高傑作の魔法陣の魔法です。これに攻撃魔法を乗せれば、永遠にあなた方を攻撃し続ける・・・」


会話している間に、つむじ風は横になり、俺達に向かって螺旋の風を送り始める。

そしてそれがドーナツ状の円環になり、俺達全員を包みこんだ。

俺達を圧殺しようとする力は、一向に衰えず、誰一人として動くことが出来ない。


「こうやって、これに魔法を乗せれば、完成ですね。」


ベリアルの両手にが、俺達を包み込みながら螺旋を描く風に向けられる。

闇と冷気がゆっくりと、螺旋に伸び始めた。

この闇と冷気がつむじ風のドーナツに届くと、俺達は6大魔法の闇魔法と絶対零度の魔法を永遠に浴び続けることになる。

いや、フィロゾの6大魔法2連発を喰らえば、一回だけで充分だろう。

一瞬で終わりだ。

あと数秒で闇魔法と絶対零度の魔法が届いてしまう。

ここで終わりか?

圧倒的な力を持つ魔族には勝てないのか?


「ヒデキ様を殺させはしません!!」


と、エリーが動いた。

身体からエメラルドの光を発し、ゆっくりとローブを脱ぎ全裸になる。

それも一瞬でエリーはエメラルド・ドラゴンの姿に変身した。

と同時にベリアルの6大魔法がつむじ風の螺旋に到達する。

闇魔法と絶対零度の魔法がつむじ風に乗った。

エリーの身体が輝き、2つの6大魔法がエリーに吸収されて始める。

2つの魔法が全て吸収されると同時に、俺達を包み込んでいたつむじ風も消え、俺達を拘束していた高重力も消え去った。

エリーの身体から発せられていた光が消え、エリーがガクっと膝から崩れ、横に倒れた。


「エリー!!」


俺はエリーに駆け寄った。


「ヒデキ様・・・無事ですか?・・・」


エリーが弱弱しく目を開き、俺に聞いた。


「俺や皆は無事だ。エリー・・・お前は大丈夫なのか?今ヒールしてやるからな・・・」

「!!エメラルド・ドラゴン!!まさかこのような隠し玉が用意されていたとは!!素晴らしい!!」


ベリアルが驚きと歓喜の声を上げた。


「ですが、力を使いすぎましたね・・・残念です」


ベリアルの瞳が再び真赤に光った。


明日も予定通り投稿します。

かなりプロットに苦戦していますが、頑張ります。

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