表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
89/130

VS ベリアル ①

プロットのストックを消費しつつ、ようやくここまで来ました。

セルゲイ達が帰還のために引き上げて行き、エバートンは残ったメンバーでチーム分けを行った。

アイオロスを隊長、サラサを副長とした私設騎士団。

エバートン、親衛隊、ダミアン、デトレフさん、クラウス、リーナ、俺とエリー。

2チームだ。


「私の予想では、あまり迷うことなくベリアルまで辿りつけると思います。2チームに分けたのは念のためです」

「その予想の根拠は?」


デトレフさんが質問すると、


「ベリアルの性格を考えれば、第9階層を突破して来た我々と早く戦いたいはずです。時間稼ぎのダンジョンを構築しているとは思えません」

「なるほど、おっしゃる通りですな」


その後、武器防護の再点検と補充を行い、食事と休憩を少しの時間で終わらせて、俺達は第10階層に降りた。


― ― ―


第10階層は、典型的なダンジョンの構造をしていた。

普通に岩壁に天井、適度な広さの道幅。

時折現れる分岐。


だが俺達が迷うことは一切なかった。

何故なら、道が分岐する度に中央に石柱が立っていて、その上にベリアルの石像が座っていたのだ。

その石像は俺達が近付くと、こう言ったのだ。


「やあ、歓迎するよ。道はこっちだよ」


と、正解を必ず教えてくえたからだ。

但し出現するモンスターは、最終階層に相応しく手強かった。

グレーターデーモンが複数など当たり前、イフリートやフロストジャイアント、エルダーリッチやサラマンダーも領域ボスでもないのに出現した。

かなりの戦力ダウンで挑んでいる俺達だったが、それでも前衛の破壊力は通常のパーティの数倍を維持している上、俺が呼び出した雷獣とファイヤーゴーレムが先鋒として極めて優秀なため、どんどん先へ進むことが出来た。


そして異例の速度で、領域ボスの部屋へと到達したのだった。

その空間もスタンダードな構造で、コロシアムと同じくらいの広さで、4つの石柱が四隅にそそり立っている。

その石柱の上には、これまで道案内をしてくれたのと同じベリアルの石像が座っていた。

その石像が道案内の時と同じように語りかけて来た。


「うん、素晴らしいね。レインボー・ヒュドラを倒した実力は伊達じゃないってところかな?でも、もう一度だけ、実力を見させてもらうからね」


そう言うと4つの石像が、徐々に実体化し始め、4体のベリアルになって、俺達の前に立っていた。


「ベリアルが4人?」


恐らく俺達の中で一番ベリアルに敵愾心を持つダミアンが剣に魔力を纏わせながら、呟いた。


「4人だけど、実力は第3階層と同じだから、なんとかなるでしょ?」


第3階層で戦った時より、口の聞き方が軽い気がする。


「あ、第3階層で使った姿を消す技・・・効かないようにしてあるから・・・念のため」


つくづく時間の無駄を嫌う性格の魔族だ。

他の階層での戦いは知らないのだろうか?

いや、わざと知ろうとしていないのか?

己の楽しみの為なら、何でもやるやつだからな。

ならば・・・俺はエバートンを見た。

エバートンは当然のように、俺の意図に気付いたのだろう、


「α(アルファ)を!!」

「はい!!エリー!!」

「準備は出来ています」


エリーは魔力回復ポーションを持ち、俺と腕を組む。

俺はα(アルファ)のフォルダを呼び出し、魔力を込める。

聖なる光が4人のベリアルを包み始めると、ベリアルから感嘆の声が上がった。


「なるほど!6大魔法を発動可能にしましたか!?素晴らしい!!使えるのは『原初の光』だけですか?他には?」


4人のベリアルがポンっと拍手を打つと、聖なる光は、一瞬で消え去った。


「これだけでは、ここまで来れないはずです。せっかく情報をシャットアウトして待っていたのです。次の魔法を見せて下さい」


ベリアルは1人だけ両手を広げ、他の3人は両手を後手に回した。


「情報をシャットアウトして・・・予想通りですね。それではη(イータ)を!!」

「了解!!」


η(イータ)は初めて使う連続6大魔法だ。

少しは驚け!!

エリーが俺に魔力を流し込み、η(イータ)が発動する。


「おお!やはり6大魔法!!」


ベリアルの周囲が凍てつき始めると、4人のうち1人が左手を翳し、打ち消した。

と、同時に4人のベリアルが闇に包まれる。


「!?6大魔法を連続で!!」


放電しながら4人のベリアルを包み込む闇の中から、ベリアルの驚愕する声が聞こえた。

だが、ダメージを受けている様子はない。

パンっと再び拍手を打つ音が聞こえ、闇が一瞬にして消えると、そこにはベリアルが1人だけ立っていた。


「1人だけ?馬鹿にしているのか?」


ダミアンが怒りにまかせて、切りつける。

1人になったベリアルは人差し指1本でダミアンの剣を受け止めて、


「いえいえ、とんでもありません。逆ですよ。ここまで戦力アップをされているなら、4倍の力になっても一方的にならないと確信しましたので、合体させていただきました」


ベリアルはにっこりと笑った。


「4倍だと!?ダミアン殿こちらへ!!」


エバートンの声を聞くと、ダミアンは直ぐにバックステップで下がった。

それをベリアルは悠然と見守っている。


「慌てなくても良いですよ・・・私の攻撃は分かり易いですから・・・」


ベリアルは左手を横に振る。

防御結界が発動し、一瞬で消え去る。

次に右手の縦に振られ、騎士団うちの3人の防御結界がはじけ飛び、ヒーリングの魔法陣が発動した。


「即死以外は防げる魔法陣!!用意がいいですね!!それでは、これはどうですか?」

「ぐっ!?」


ベリアルが指を弾くと、親衛隊の1人の肩に凍りの刃が突き刺さる。

刃は一瞬でその親衛隊を凍りつかせ、氷像に変えてしまった。

が、魔法陣が発動し、親衛隊の身体を元に戻してゆく。


「4倍ぐらいの攻撃は想定内です」


エバートンの解説に、ベリアルがますます嬉しそうに笑う。


「それでこそ、エバートン参謀です!!ではこれでは?」


ベリアルから闇が迸り、大きな掌の形になって俺達を襲った。

当然のように、結界をすり抜けて一気に膨れ上がる。

どう考えても闇属性の攻撃なので、俺がα(アルファ)を発動させて浄化した。

が、闇魔法を消し去る瞬間を狙い、ベリアルは強力な雷撃を俺達に落とし、視界を奪う。

雷撃そのものは、個人の防御結界でブロックできたのだが、視界だけはどうしようもなかった。

視界が戻った時、ベリアルの姿は消えていた。


「逃げた?」


騎士団の1人が当たりを見回しながら言った時だった。


「そんな訳ないでしょう?」

「ぐわぁぁぁーー」


ベリアルの声が聞こえ、騎士団の1人の右腕がもぎ取られていた。


「姿が・・・不可視の魔法を・・・」

「ご名答!!」


ゴキンと言う音と供に右腕をもぎ取られた騎士の首がへし折られ床に転がった。


「魔法攻撃に対する対策は万全みたいだけど、物理的に攻撃されるとどうしようもないみたいですね」


ベリアルの声が再び聞こえ、今度は親衛隊のリラが首を押さえながら宙に浮いた。


「リラ!!」


親衛隊から、声が飛ぶ。

リラは首を押さえながら、足をバタバタさせていたが、途中で足をバタつかせるのを止めた。

気を失ったのかと思ったが、違った。


「皆!防御結界を!!」


リラは締められた喉から、声を絞り出す。

同時にリラの身体が発光し、大爆発を起こした。

通常ならば、別次元に身を置くベリアルにその爆発は届かない筈だが、リラの身体を張った(恐らく奥の手だろう)はベリアルに届いたようだ。

リラは、どさり、と全裸で床に転がり、その喉にはベリアルの両手が食い込んだままだった。

ベリアルの姿は現れ、その両手はなくなっていたる。

リラに即死以外発動するヒーリングの魔法陣は発動しなかった。

つまり即死だ。




シビアな戦いに突入です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ