夕食
忙しくてプロットを書く暇がありません、ストックがなくなってゆく
イレーネも収まり、ようやく夕食の注文が出来る。
俺達は右隅のテーブルを選び、俺は店全体を見回せるように座った、横にエリー、向い側にイレーネの配置だ。
ロアさんがメニューを書いた板を持ってくるが、当然俺は読めない。
お勧めを聞いて、それを注文した。
ちなみに頼んだメニューの内容は、川魚のムニエルに、茸と野菜のシチューにライ麦パンだった。
酒も勧められたが、断って果物ジュースにしておいた。
エリーも当然のように同じものを頼んだ。
イレーネは羊肉のステーキに、俺達と同じシチュー、うすい果実酒を頼んだ。
好きな物を頼んで良いと言ったら、ステーキを頼むとは・・・さすがイレーネだ。
「さて私の事は置いておいて、その子の説明をして頂戴!!」
覚悟はしていたが、いきなり来たか。
イレーネは直球だ。
「ですから妻です!!」
エリーは言い張った。
だがイレーネは意に介さない。
「それはもう良いわ、最初聞いた時は混乱したけどね。もう、騙されないから!単刀直入に聞くわよ!村で一緒だったトカゲは何処に行ったのかしら?」
「トカゲじゃありません!!」
エリーが語るに落ちている。
「やっぱり!あんたあの時のトカゲでしょ!?」
「ち、違います!!」
「ねえ、どうやって化けているの?ねえ!ねえ!魔法か何かなの?」
「や、やめて下さい!違いますったら、ちがあぁぁぁー」
イレーネがエリーに襲い掛かったので、羽交い絞めにして止めた。
「そうだ、その通りだよ!!イレーネ、頼むから静かにしてくれ!!」
「ぜえー、ぜえー、ぜえー」
「ううぅぅぅ」
いきり立つイレーネ!怯えるエリー!
端から見ると、中学生の妹が大学生の姉に襲い掛かっているように見える。
「イレーネの思っている通りだけど、このことはデトレフさんしか知らない。この街で、あの姿はまずいんだ」
「ふーん、そうなの?どうしてまずいの?」
イレーネは俺がすぐに肯定したので、落ち着きを取り戻していた。
エリーは未だに怯えていたけれど・・・
「理由は聞かないでくれ!エリーは俺の命の恩人なんだ」
「いいえ!ヒデキさんは私の命の恩人です!!」
「・・・命の恩人ねえ・・・まあ良いわ、分かったエリーの事は内緒にしておいてあげる。エリーさっきはごめんね」
「はい、いえ、大丈夫です。分ってくださって感謝します」
イレーネとエリーがお互いに頭を下げた。
「で、結局どっちが本当の姿なの?」
イレーネがこっそりと、エリーに聞いていた。
今度は強引じゃないだけましか?
「私はもう、この姿にしかなりません」
「?よくわからないけど、その姿で、ずっと暮すってことでいいのかな?・・・で、ヒデキさん、エリーが妻っていうのはどういうこと?」
ウッ、ついにこちらに飛び火したか!
まあ、正直言えばいいか。
ガウラン辺境伯の女癖の悪さの話を、かいつまんでイレーネに話した。
「あー、なるほどねえ。確かにエリーなら口説かれるわね。辺境伯はあの癖(好色)さえなければ、名君だと言われているものね」
「ブルネルは辺境とは思えないほど、発展しているし、活気があるものな」
「そう、だから私は村にいたくないのよ」
「気持ちは分かるけど、開拓は辺境都市の務めだろう。誰かがやらなければ」
「嫌よ、私はもう村へは戻らないからね」
イレーネはかたくなに首を横に振っていた。
「そんなこと言わないの、開拓村で必要な食堂経営を買って出たお母さんの心意気、分かってあげなさいよ」
ロアさんが料理を運んで来て、イレーネをたしなめた。
「それに開拓が終われば、辺境伯から開拓村の全員に報奨金が出て、イレーネが大人になる頃には、好きな事ができるようになるわ」
「わたしは、報奨金なんか要らないわ。冒険者になるのよ」
「またそんな事を言って!!お父さんに禁止されて、ここでも登録できなくなったんでしょ!!」
「いいもん!王都まで行って登録するもん!」
「またイレーネは無茶を言って・・あ、いらっしゃいませ~」
客が二人来たので、話はそこで終わった。
客は俺達と反対側のテーブルに座った。
ロアがメニューを持って行って、注文を取っている。
「で、ヒデキさんはこれからどうするの?」
「ああ、3日後、開拓村に調査隊が出るから、それに参加するよ。シルバーファングというチームに入れてもらうことになった」
「シルバーファング!?有名なSランク冒険者チームじゃないの!!いいなあ」
「そんなに有名なチームだったのか、男4人女1人のチームだけど、どおりでバランス良いチームだと思ったよ」
「私もこの事件が終わったら、王都に行って冒険者登録するわ、そして経験を積んでシルバーファングに入れてもらうのよ!!」
イレーネがうっとりとして言った。
懲りない子である。
こうしていると、うっとりした表情だけ見ているとイレーネも相応の夢見る女の子なのだなあ。と思ってしまう。
冒険者になるって言う夢が、ちょっと問題だけど。
食事は思ったよりも薄味で食べ易かった。
イレーネも美味しそうにステーキを食べている。
「イレーネ、この街で魔方陣を売っている店とかあるか?」
食事しながら、俺はイレーネに聞いた。
「?あるけど、売っている魔方陣はライトとか、ファイヤとか、ウォーターとか生活に使う魔方陣で、戦いでは、役に立たないわよ」
「やはりそうか」
「攻撃魔法の魔方陣は売られることはないわ、攻撃魔法の魔方陣は国や領主に厳重に管理されているのよ」
「なるほどなあ」
予想はしていたが、簡単に新しい魔方陣を写真に撮るのはむずかしそうだった。
それよりも・・・もう1つ重要案件の情報収集を・・・
「イレーネ、辺境伯参謀のエバートンって人はどんな人か知っているか?」
「エバートン様を知らない人は、この街には、いいえ、この国にはいないわよ。ガウラン辺境伯私設騎士団の軍師。魔道師にして、様々なマジックアイテムを開発した錬金術師」
「何故そんなに有名な人が、辺境都市の辺境伯の参謀を?」
「これはあくまでも噂ね。エバートン様は魔族にとてつもない恨みがあって、魔族討伐に参加し易い辺境に拠点を構えていて、対魔族用の兵器を研究しているそうよ」
「兵器?どんな?」
「あくまでも噂なのだから、知らないわよ」
兵器を開発している錬金術師か・・・エリーは兵器の実験台とかにされる予定だったのだろうか?
俺はエリーに出会えたから、今生きている。
エリーはエバートンから逃げ出して、俺と出会わなければ餓死していた。
俺は何故この世界に来た?
分からない事だらけだ。
でもエバートンには会って話す必要がある。
どのようにすれば会ってもらえるのだろう?
辺境伯付参謀なのだから、簡単には会えないだろうからな。
エリーの事も、絶対に知られないようにしなければならない。
なかなか難易度の高い案件であった。
「どうしたの?考えこんじゃって?」
「いや・・・エバートン参謀と会って話してみたいと思ってね」
「普通に会いに行けば?」
「そう簡単に会える人物じゃないと思うな」
「そうなの?」
イレーネは気楽でいいな。
この案件は、調査が終わってからだな。
俺は食事に専念することにした。
エリーはエバートンの話題なので、一切口を挟まなかった。
魔族にうらみがあるのか・・・
エリーはドラゴンだから、対魔族用兵器の実験台にしようとしていたのだろうか?
なんにせよ、エリーは二度とエバートンの所へは帰らないし、帰らせない。
当面はレイト村に現れた魔人と正体不明の魔族の件で、ブルネルどころか王国まで巻き込む事態となっている。
俺も心してかからねばならない。
エリーの件はあわてず、じっくりと・・・だ。
今日は無理して、この後プロット書きます




